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ジャンルガンシューティング 発売日2003年2月13日 セーブ容量130KB以上 ダメージ6 死亡1 別コスチューム無し キャラ:風鈴 1名 最初は男キャラですがプレイするうちに 女キャラの鳳鈴と交互にストーリーを進めていく形になっています。 今作もガンコン2が無くても操作でき、さらに操作性も上がっています。 ちなみにガンサバイバー3は女キャラが操作できませんしやられる姿も全然みれません。 ゲーセン向けな作りです。 やられ要素 ゾンビ 一度に大量にでてくると2匹、3匹、4匹…と、 どんどん同時に組み敷かれて噛みつかれるのが魅力。 カエル系クリーチャー(グリマー) 直接飛びついてきて胃液みたいなのを浴びせる攻撃をしてきます。 この敵は一周目だと男主人公でしか戦えません。 ボス・プルートー 肉の塊という外見のボス。公式サイト参照。 プレイヤーの体力が残り少なくなるとプレイヤーを抱っこします。(未確認) 即死攻撃になるらしいです。 このボスは一周目だと男主人公でしか戦えません。 ラスボス 巨大な腕で押しつぶす即死攻撃。 このボスは一周目だと男主人公でしか戦えません。 その他の敵は見た所良い攻撃はしてこないと思います。 ダメージボイス 風鈴(声 ?) 「うっ」「あっ」「うぅっ」「あああっ」「ううぅぁ…」「あぁんっ…」 ダウン「うぅっ」通常ボイスと同じ。 死亡「ふぅっ」他の悲鳴と混ざってふぅっと死ぬ。 普通の高さの声。喘ぎ声です。 隠し要素 難易度、成績、関係なくクリアすれば ブルースで進められた場所が鳳鈴になるモードで始めることができます。
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632バイオハザード2sage04/09/28 02 17 48 ID il3C5sXd ■要約版 新人警官のレオンは、兄を訪ねてきたというクレアと共に、ゾンビに占領されたラクーンシティの脱出を試みるため、警察署を目指す。 そこの留置場で生き残っていた記者から、この騒動の原因となったアンブレラ社の実態を知る。 レオンとクレアは生き残りの少女シェリーと出会い、ゾンビ化するウィルスを作り出したアンブレラ社員に遭遇する。彼は研究成果を独占すべく、自身の体にウィルスを投与し、怪物へと変貌していた。さらに娘であるシェリーの体に子孫繁栄のため胚を埋め込んでしまう。一行はシェリーの治療方法と脱出経路を求め、アンブレラ研究所へ向かう。 研究所でウィルスワクチンを作り、シェリーは無事回復。 しつこく追いかけて来ていた怪物も倒し脱出。一行はアンブレラを潰すと誓う。 ※それぞれの主人公に表編・裏編が存在するが、ストーリー上の大きな違いはない ここではクレア表、レオン裏で進める ■プロローグ 恋人との大喧嘩が原因で、出発が遅れた新人警察官のレオン 彼がラクーンシティに着く頃には、とうに日が落ち、あたりは闇に染まっていた 一方、クレアは突然連絡が途絶えた兄クリスを探す為、単身ラクーンシティに訪れる 大型バイクを駆る彼女が街の食堂前に愛車を止めた頃、やはり辺りは真っ暗闇になっていた 人気のない大通りを走っていたレオンは、女性の死体を発見する 死体を調べていると、あちこちの路地から住民が現れ、こちらへ向かって歩み寄ろうとしていた ふらついた足取りに異様さを覚えたレオンは銃を向けるが誰も反応しない ふと足元を見ると確実に死んでいたはずの女性が彼の足を捕らえ、今にも噛み付こうとしていた レオンは彼女を撃ち、周りの住民たちにも銃撃を加えたが、誰一人として倒れない 路地裏に追い込まれたレオンは物音を聞いて咄嗟に銃口を向けたが、 そこにいたのは本物の生きた女性、クレアがいた レオンとクレアは路地裏を抜け、放置されたパトカーに乗り込み猛スタートを切った 混乱する頭を落ち着かせながらも、自己紹介をする二人 その背後には大型のトレーラーが迫っていた 突然、後部座席から青白い手がクレアに掴みかかった ゾンビ化した男が車内に潜んでいたのだった ハンドル操作を誤った車は街灯に激突し、 ゾンビはフロントガラスを破って車外に飛び出された 一息つく間もなく、背後から放置車両を弾き飛ばしながらトレーラーが迫る 二人が車外の右と左に飛び出した直後、トレーラーが突っ込み大爆発が起こった 炎上する車に道を分けられたレオンとクレア 2人は警察署で合流することを決め、長い夜の一歩を踏み出した 634バイオハザード2sage04/09/28 02 21 50 ID il3C5sXd ■ゲーム本編 警察署へ辿り着いたクレアは、重傷を負った警察官に出会う。男はこの騒動の原因となったアンブレラの報復を恐れ、正体を暴こうと呼び掛ける洋館事件(バイオ1)の生き残りの言葉を無視してしまったことを後悔していた。男は治療を拒み、クレアに生き残りを探すよう依頼した。 一方、レオンは警察署の裏にあるヘリポートに到着していた。ふと見上げるとアンブレラのヘリが飛んでおり、警察署に謎のタンクを落下させ、夜空に消えて行った。建物に入ると、タンク内部からコートに身を包んだ2mをこえる大男が現れ、レオンに襲いかかった。レオンの反撃に一切の感情を見せない大男の正体は、アンブレラの新生物兵器「改良型タイラント」だった。無法地帯と化したラクーンシティを絶好の実験場と見た、アンブレラによる企てだった。レオンは何とかこれを倒すが、部屋を移動した際、地に伏していた筈の巨人が姿を消していることに気づく。 ・備考 以降、裏編の主人公はたびたびタイラントに襲われることになる 635バイオハザード2sage04/09/28 02 23 18 ID il3C5sXd 捜索の中、クレアはゾンビに追われる少女を発見する。彼女の後を追うと、レオンと再会。少女は見失ってしまった。警察署内も安全な場所ではないと悟ったクレアは脱出ルートの発見をレオンに頼み、クレアは少女の捜索を行うことにする。レオンはクレアに通信機を渡し、再び二手に分かれた。 クレアは墜落したヘリに遮られた扉の前で、不審な悲鳴を聞く。押収物倉庫で入手したプラスチック爆弾でヘリを爆破すると、奥には豪奢な署長室があった。悠々と椅子に腰掛ける警察署長の前には、先刻の悲鳴の主である美女が横たわっていた。署長は彼女の死を悼みながらも「どうせ皆こうなる」と自暴自棄な様子だった。 クレアは奥へ進むと、隠し倉庫で少女シェリーを見つけ出す。シェリーは相手がゾンビでないとわかり、安心して泣いてしまった。街よりは安全だという親の忠告で、警察署に訪れていたのだった。クレアは一緒に行こうと促すが、少女はゾンビよりも大きな化け物が自分を探していると言って怯えている。その言葉に応じるかのように謎の咆哮が響き渡り、驚いたシェリーは走り去ってしまった。 道を引き返すと署長の姿はなく、代わりに彼の手記を発見する。密かにアンブレラと繋がりのあった署長は、この現状に絶望し、署員の脱出経路を断った上で人間狩りに興じていたのだった。 637バイオハザード2sage04/09/28 02 25 43 ID il3C5sXd 警察署の地下を捜索するレオンは、謎の女性エイダと出会う。とある記者を探しているという彼女に協力し、留置場で記者を発見する。彼はこの騒動について何やら知っているらしいが、真面目に答えようとしない。レオンは外に出ろ、と気色ばむが記者はそれに応じず、外に居るのはゾンビだけではないと意味深な言葉を返す。同時に何処からか謎の雄叫びが響き渡った。 2人は記者から聞いた下水処理場への抜け道に向かう。レオンの協力で下水処理場通路へ侵入したエイダは、ばったりとシェリーに出くわす。驚いたシェリーは慌てて逃げ去り、ペンダントを落としていった。エイダは別ルートを探すと言って姿を消し、レオンは単独行動に戻った。 638バイオハザード2sage04/09/28 02 27 41 ID il3C5sXd クレアは署長室の隠し通路を進むと、署長に銃を突きつけられる。鬼気迫る表情でにじり寄る彼は、何故か苦しげに胸元を押さえていた。クレアは、アンブレラの研究員ウィリアム=バーキンが署長に宛てたメールについて問うと、署長は洋館事件を起こしたTウィルスとは比べ物にならない究極の生物兵器、シェリーの父であるウィリアムが開発した「Gウィルス」のことを語る。それにより生み出された怪物が既に署内にいるのだと言う。来るべき破滅にクレア巻き込もうとした署長だったが、突如として苦しみ始める。署長は怪物によってG増殖の為の寄生体を植え付けられていた。もがく彼の体内から、肉を食い破りながら甲殻類を思わせる奇妙な生き物が現れ、署長は無惨な死を遂げる。 地下へと逃げた寄生体の後を追って下水道へ向かう。姿を現したGが襲い掛かってくるが、何とかこれを倒し署長室でシェリーと再会。新たな道を求めて下水処理場へと向かった。 一方、捜索を続けるレオンの耳に突然の悲鳴が届いた。声の元へ駆けつけると、深手を負った記者が格子の前に倒れている。署長を襲ったGが記者の前にも現れていたのだ。息も絶え絶えの記者は、ウィリアムと署長の癒着の証であるメールの写しをレオンに渡し、彼らの悪事を暴いてくれと言い残して絶命する。遅れて現われたエイダはメールに記されていた薬品工場へ去り、直後に無線を寄越してきたクレアも警察署を離れ下水道へ向かうという。引き止めるレオンを女性陣は完全に無視。 「全く女って奴は!」 レオンは沈黙する無線機に怒りをぼやいた。 415バイオハザード2sage05/01/24 03 21 42 ID zjeCdF0i レオンは先行するクレア達を追い、警察署地下の浄水室にたどり着く。しかし、おぼつかない足取りで金髪の男が立ち塞がり、聞き覚えのある咆哮を発する。同時にめきめきと異音を上げ、男の体が数倍にも膨れ上がり、右肩に開いた亀裂から彼を印象付ける巨大な目が現れる。これこそが記者を引き裂き、署長の体内に寄生体を埋め込んだ怪物、 G だった。 レオンはこれを倒すと、Gは自ら欄干を乗り越え、底知れぬ暗がりへ落ちていった。奥へ進むと、排水構内を滑り降りてきたエイダと再会する。レオンは声を荒げて彼女の軽率な独断先行を責めたが、彼女は全く動じていない様子だった。 一方、下水道南口。 通路への扉を開こうとしたクレアとシェリーの前に、レオンとの戦いで姿を消したGが現れる。怯えるシェリーを励まし、一瞬を狙って通路内へと駆け込んだ。ほっと息をついた瞬間、シェリーは排水溝の隙間から水路へと引き込まれ、二人は離れ離れになってしまった。 ひとり通路内をさまようシェリーは、誤ってダストシュートに落ちる。シェリーはゴミの山に叩きつけられ、気を失ってしまう。力なく呻きながら横たわる少女の体に、ふと影が差した。その後姿は、紛れもなく先刻逃れきった筈のGだった。 シェリーを探して通路を急ぐクレアの目前に、突如現れた金髪の女性が銃を突きつける。彼女はクレアをアンブレラのスパイと思い込み、夫のGウィルスが目当てだろうと憎々しげに吐き捨てる。彼女はシェリーの母親アネット=バーキンだった。クレアはシェリーがこの下水道ではぐれたことを知らせると、アネットは見る見るうちに蒼白になった。 「なぜこんなところへ?ウィリアムが狙っているのよ!?」 416バイオハザード2sage05/01/24 03 23 25 ID zjeCdF0i アネットはこの街が地獄と化した理由を語った。 ウィリアムはアンブレラの思惑に背きウィルスの独占を図ったが、アンブレラが仕向けた特殊部隊の強襲を受け、ウィルスは奪われてしまう。瀕死のウィリアムは隠していたGウィルスで怪物に変貌してしまい、下水道を駆ける特殊部隊を皆殺しにする。アタッシュケースから漏れたウィルスは下水道のネズミに感染し、街を侵食していったのだった。 出所を語ったアネットは、Gと化したウィリアムは理性や記憶を失い、遺伝情報の近いシェリーに、子孫を残す為の 最適の宿主として狙っていることを告げる。そこにシェリーの悲鳴が響き渡り、はっと顔を上げた二人は左右に別れ、それぞれシェリーを探して駆け出した。 下水処理場を進むレオン達は、アネットとはち合わせる。レオンはエイダに向けられた銃撃をかばい、傷を負って気絶してしまう。怒りに燃えるエイダは反撃をするが、不意を突かれ、銃を弾き飛ばされてしまう。エイダがアンブレラシカゴ支部のジョンの恋人だと知ったアネットは、彼はゾンビになって死んだと言い、Gウィルスを狙う者は皆死ぬのだと笑う。その直後、アネットは先程エイダが拾ったシェリーのペンダントに気がつく。動揺した彼女の隙を突き、エイダは彼女を処理プールへ転落させた。ペンダントを開くと、二重底の仕掛けの下には、Gウィルスのアンブルが隠されていた。 417バイオハザード2sage05/01/24 03 28 44 ID zjeCdF0i シェリーを探すクレアは、集積プールのゴミ山で彼女を見つける。しかし突如として黒い水面が泡立ち、ウィルスによって変異した巨大ワニが襲いかかる。怪物を退けシェリーを介抱すると、彼女のそばから、あの甲殻を持つ生き物が逃げ去る。目を覚ましたシェリーは謎の腹痛を訴え、悪い予感を覚えつつも彼女を励まし、その場を後にした。 気絶していたレオンは目を覚まし、エイダを探して集積プールにたどり着く。対岸にいるエイダに呼びかけた直後、先程クレアを襲った巨大ワニが現れる。道幅一杯に迫る巨体に押され防戦一方に追い込まれるが、高圧ボンベを利用して巨大ワニを爆死させる。 エイダはケガを負ったレオンを手当てし終わると、恋人のジョンが死んだと呟いた。聞き返すレオンに対し、エイダはただ静かに首を振り、先を急ぐよう彼を促した。 18 :大神 ◆l1l6Ur354A2006/11/30(木)08 44 21ID oUPYDT8b0 クレア達はロープウェイで廃工場にたどり着き、巨大なエレベーターに乗り換え、アンブレラの秘密研究所を目指す。エレベーター上の電気機関車内で待っていると、シェリーの腹痛が悪化し、高熱を出して倒れてしまう。アネットが恐れていたとおり、Gによって胚を植えつけられるという最悪の事態が起こってしまっていた。クレアは脱出手段だけでなく、彼女の体内に巣食う破滅の芽生えを防ぐ方法も探さねばならなくなった。 遅れて来たレオン達はロープウェイを呼び戻し、廃工場を目指す。発車して間もなく招かれざる同乗者が天井に取り付いている事に気づかされる。天井を突き破って何度も繰り出される巨大な爪に銃撃を加え続け、何とか撃退に成功する。姿を消した怪物の不気味な影を感じながらも、二人は先へ進んだ。 19 :バイオハザード2:2006/11/30(木) 08 47 26 ID oUPYDT8b0 突如、クレア達が乗ったエレベーターは音と共に揺れ、獣のような唸り声がとどろいた。車外へ飛び出し振り仰ぐと奇妙な化物が電気機関車の天井に陣取り、彼女を見下ろしていた。恐らくかつては人間であっただろうと分かる怪生物は変形を始めた。辛うじて人の形をしていた頭部が左胸の中に沈みこみ、代わりに右肩の肉がめりめりと音を立てながら盛り上がって新しい頭となる。右腕に比べて不釣合いに太い左腕を掲げると、その先端から巨大な爪が肉を割って飛び出した。次の瞬間、化物はクレア目掛けて飛び降りてくる。レオン達が乗ったロープウェイと共に、娘の後を追いかけてきたウィリアム=バーキンとの初めての対決が幕を開けた。 なんとかこれを撃退したクレアは、秘密研究所に到着する。クレアは警備室のベッドにシェリーを横たえ、お守りだと言って、自分ベストをシェリーに着せた。両親に遊んでもらえず、ずっと一人ぼっちだったがもう寂しくないと言うシェリーは、その言葉とは裏腹に泣き出してしまう。そんな姿に、クレアは何としても彼女を救いだそうと、硬く決意した。 20 :バイオハザード2:2006/11/30(木) 08 50 10 ID oUPYDT8b0 タイラントの追跡から逃げながら、レオンは達は研究所へ向かう。彼らが乗るエレベーターの電気機関車に何物かが襲い掛かる。唸り声と共に、エイダの背後から巨大な爪が飛び出し、彼女の背中を引き裂いた。クレアの攻撃から復活したGは、腹部から二本の副碗を生やし、一回り近くも巨大化して、更に人の姿からかけ離れた怪物に成り果てていた。激闘の末、全身から血を滴らせたGは、驚異的な跳躍力で上空へと姿を消した。激しい戦いの影響か、エレベーターはオーバーヒートを起こし、緊急停止した。 意識を取り戻したエイダは、足手まといの自分を置いて一人で逃げろと呟く。レオンは「生きてここを出るんだ、待っててくれ」と力強く励まし、電気機関車を出て行った。 347 :バイオハザード2:2007/01/01(月) 10 43 47 ID czljH99k0 低温実験室で作ったヒューズにより、途断していた研究所の電力を復活させた後、 いよいよ本格的な探索に乗り出したクレアの前に新たな生物兵器が現れる。 洋館事件の「プラント42」をベースに作り出された「イビー」と名付けられたこの怪物は、 人間大の「歩く植物」で、彼らに半ば支配された研究所内部は 放棄された植物園のような有様となっていた。 化物たちを葬りつつ階下のCエリアへ達したクレアは, そこで地下ホーム直通ゲートと記された通路を発見するが、頑丈なシャッターで塞がれていた。 シャッターを開く為のMOディスクを探してクレアは更に内部へと侵入する。 緊急停止したターンテーブル上からダクトを伝い、研究所内通路へと着地したレオンの背後で モーター音が響いた。 動力が回復して、テーブルが再下降を始めたらしい。 突き当たりのエレベータを使い、後を追おうとするが電源が入っていない。 溶鉄プールで電源を入れ、道を戻ってエレベータに乗り込むと、反対側にも扉がある。 マスターキーを使う事により非常ルートを開けるようだ。 エレベータを使って到着した降車場はゾンビの巣窟となっていた。 群がる敵をなぎ払い、電気機関車にたどり着く。 だが、重傷を負って座席に横たわっていたはずのエイダは車内から忽然と姿を消していた。 348 :バイオハザード2:2007/01/01(月) 10 44 36 ID czljH99k0 エイダの姿を探し、また脱出方法を探して研究所内を奔走するレオン。 P-4レベル実験室で動力室のカギを発見したレオンは動力室へ向かう。 先刻進入してきたダクトがある通路を駆け抜けようとしたその時、足元に銃弾が跳ね、火花を散らした。 振り返ると先刻下水道で遭遇したあの金髪の女性が、怒りに燃える目でこちらを睨みつけている。 「よくも夫を!分かってるわよ、G-ウイルスが目当てね」 エイダに貯水プールに落とされた後、いかなる手段を使ってか、彼らの後を追ってきたアネット=バーキンだった。 夫の遺産を簡単には渡さない、とアネットは何かのアンプルを握った指をレオンに向かって突きつけたが、 所で一緒にいた女は?お仕事中かしら?と何故か急にエイダの行方を聞いてくる。 急に現れた素性もよく分からない女性に、敵意もあからさまに訳の分からない事を言われて 面食らうばかりのレオンだったが、彼女の言葉に不穏なものを覚えて問い返すと、アネットは 「あんた、何も知らないの?おめでたいわね!」 いかにもひとを小バカにした風に笑い声を上げた。 つづくアネットの言葉にレオンは耳を疑った。 アネットがこの研究所から引き出したデータによると、エイダはG―ウイルスを奪う為にどこかの組織が送り込んだ工作員で、 エイダが恋人だと言っていた研究員のジョンも、アンブレラの情報を盗むための足がかりだったというのだ。 彼女はそんな女じゃない、と信じようとしないレオンに向けてアネットは銃の狙いを定めた。 「そんな事はどっちでもいいわ。お前はもう死ぬんだから!」 しかしすんでの所でその撃鉄が引かれる事はなかった。 やはりレオン達の後を追っていた不死身の追跡者、あの禿頭の大男が突如として天井から現れたのだ。 アネットは驚き、逃げ去った。 ある意味で彼はレオンの恩人であるが実際は単に死神がもっとタチの悪い死神に摩り替わったに過ぎない。 新たに現れた死の運命に対抗する為、レオンは武器を構えるのだった。 349 :バイオハザード2:2007/01/01(月) 10 46 27 ID czljH99k0 大男を倒し、動力室へ至ったレオン。通路を進む彼の背後に不気味な影が地響きを立てて降ってくる。 先刻倒したばかりのあの大男が、例にもまして異様な回復を見せて彼を追ってきたのだ。 通路を後じさり、奥に向かって駆け出したがその先には壁しかない。 追い詰められたレオンが腹をくくって振り返った時、大男が突然響いた銃声と共に、わずかに前につんのめった。 「逃げて!」ゆっくりと振り返る大男の巨体の陰から見えたのは、赤い服をなお赤く血に染めたエイダの姿だ。 のしのしと歩み寄ってくる男にエイダは立て続けに銃撃を見舞ったが、 その歩みの速度すら緩めさせる事が出来ない。 あえなく弾切れになったのにも気付かず更に数度引鉄を引いてから、予備のカートリッジを取り出そうとした所で 首根っこを掴まれて、エイダは高々と宙吊りにされた。 しかし照準と身体の自由をほぼ奪われて、それでも彼女はあきらめなかった。 手早くリロードを済ませると、敵の顔面目掛けて弾丸の連打を浴びせかける。 この攻撃は少なからず大男にダメージを与えたようだったが、その代償として彼女はメインシャフトに叩きつけられた。 顔を覆い、ふらつきながら歩きだした直後、大男はバランスを崩し、遥か階下の溶鉄プールへと落ちて行った。 血の池の中にうずくまるエイダの肩を駆け寄ったレオンが抱くと、そんな状態になってさえ、エイダは彼に逃げるよう促した。 「俺たちはチームだ。一緒に行こう」 声を詰まらせたレオンの言葉にエイダは首を振り、とぎれとぎれに呟いた。 「私はただの女よ。あなたを愛した女……」 二つの視線が絡み合う。 ひしゃげたメインシャフトがショートする火花を浴びながら、二人はそっとくちづけを交わした。 けれども過酷な状況を共に駆け抜けた彼らの間に急激に燃え上がった愛情は、 しかとそのぬくもりを確かめる間もないまま、むなしく断ち切られた。 レオンの二の腕に添えられていたエイダの指が滑り落ち、ぱたりと床を叩く。 はっとして身を起こしたレオンに溜息のような声だけを残して、更に大量に出血したエイダの体から全ての力が失われた。 「エイダ……嫌だ……エイダ―――!!」 レオンの上げた絶叫を、破壊されたメインシャフトが起こす地鳴りが飲み込んでいく…… 350 :バイオハザード2:2007/01/01(月) 10 48 48 ID czljH99k0 最奥のP-4レベル実験室でラボのカードキーを発見、戻ろうと部屋を出たクレアの鼻先に、突然銃口が突きつけられた。 「よくもウィリアムを…許さない!」 ウィリアムの人としての最後の場所からクレアが現れたせいで (アンブレラの強襲部隊がウィリアムを射殺した部屋がP-4レベル実験室) その時の記憶がフラッシュバックしたのか、自らが新たに作り上げた G ウィルスのサンプルを手に 「夫の残した偉大な研究を今から私が受け継ぐ」 と歯をきしらせるアネットだったが、シェリーが宿主にされて殆んど意識が無い現状をクレアから聞かされ、激しく動揺する。 その時、もう今夜何度聞いたか分からない程に聞き慣れた咆哮が二人の耳を打った。 凍りついたようになったのも束の間、 「ウィリアム…」 呟いて、駆け出したアネットの眼前に、 G が天井のダクトを破り、飛び降りてきた。 「ウィリアム。生きてたのね…」 呆然と呟く彼女は正気をなくした彼女の夫に取って最早ウィルスを持つものでしかなく、 彼はアネットに無感情に鉤爪を振り下ろした。 悲鳴にクレアが駆けつけると「ウィリアムが生きてる。彼は更に強く成長してるわ」 全身を血に染めたアネットは息も絶え絶えに語り、娘の名を呼んだ。 シェリーを救う方法を必死で問うクレアに、アネットは震える手で数枚の紙からなるファイルを差し出した。 「娘を助けて…そして悪いママだったけど―――愛していたと伝えて」 最後にもう一度、シェリーと言いかけて果たせず彼女は動かなくなった。 エイダを床に横たえ、レオンはゆっくりと立ち上がった。 頭上では無機質なコンピュータ音声が研究所爆破装置の作動を繰り返し告げ、無情に彼を急きたてている。 愛した人の死を嘆くため、立ち止まる事は今の彼には許されない。 今は逃げ延び生きるため、ひたすら走り続けなければならない。 それが、彼女が最後に望んだ事だったから。 「君を忘れない……さよなら、エイダ」 固い決意を込めた別れの言葉を呟くと、レオンはエイダが叩きつけられたせいで メインシャフトのコンソールから床に跳ね飛んでいたマスターキーを拾い上げ、まっしぐらに駆け出した。 彼が部屋を出たその直後、煮えたぎる鉄の中から巨大な爪が飛び出すと、 炎を発するほど熱された鉄の熱さをものともせずに、溶鉄プールの縁をがっしりと引っ掴んだ。 483 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 42 47 ID n03vPJF20 「……爆破装置が作動しました。繰り返します。爆破装置が作動しました。 停止することはできません。研究員は最下層のプラットフォームから非常車両で脱出してください……」 その緊急放送はアネットの亡骸の側から立ち上がったクレアの耳にも届いていた。 モニター室まで引き返したクレアをビープ音が引き止める。 見上げると居並んだモニターの一つにレオンの姿が映し出されていた。 トランシーバーを取り出したクレアは回線を開いて呼びかけ、モニターの中のレオンが慌てて無線機を取り出した。 「クレアか?今どこに?」レオンの質問にモニター室よ、と答えた後 クレアは警備室のシェリーを連れて先に逃げるよう、レオンに言った。当然レオンはクレアはどうするのかと聞いたが 「私はまだやる事があるの。頼んだわよ!」 早口に言って、クレアはさっさと通信を切ってしまい、それっきりうんともすんとも応答しない。 仕方なくレオンは警備室を目指し、走り出した。 警備室の簡素なベッドに横たえられていた少女は具合が悪いのか辛そうな様子だったが、 クレアが待ってる、と言うレオンの声に顔をこちらへ向けた。 「クレアが?」 乱れがちの息の下から苦しげに問う少女にレオンは頷き、彼女をそっと抱き上げてエレベーターへと向かった。 入ってきた扉とは反対側の扉の操作盤にマスターキーを差し込むと、モニターに新しいルートが示される。 通路を切り替えているらしい幾度かの振動の後、エレベーターは最下層のプラットホームに到着した。 扉を出ると目の前に、頑丈そうな貨物列車が発車の時を待っている。 シェリーを乗務員室の長椅子に横たえ、レオンは運転室に入った。 運転室は薄暗く、作動レバーは動く気配もない。動力が供給されていないためこのままでは動かせないようだ。 手段を探してホーム脇のゲートを潜ると地響きが起こり、爆発五分前のアナウンスが流れた。 いよいよぐずぐずしてはいられない。レオンは歩道橋を駆け抜け、反対側のホームへ向かう。 484 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 44 05 ID n03vPJF20 階段を下りた所に頑丈そうなバーに守られた大容量プラグの収納庫があり、そこでジョイントプラグを手に入れた。 奥の突き当たりに扉がある。開くと再び地響きがレオンを襲った。爆発が近いのかもしれない。 部屋の両脇にある溶鉄プールからも不穏な火柱が上がっている。 部屋の奥に列車への電力供給用らしい装置を見つけたレオンは差込口にプラグを差して、レバーを倒した。 警告音と共にモニターにメッセージが出る。 非常モード起動の為電力供給が一時ストップし、その後電力回復と同時に非常列車が起動されるようだ。 かしゃん、と何かが切り替わる音がしてライトが消える。 残った非常灯の心許なげな光を押しのけ、室内は両脇のプールで溶ける鉄が発する不気味な仄明かりに支配された。 と、そのオレンジに光る海の中から何かが飛び出し、ずしりと重い音をさせて床の上に降り立った。 巨大な爪、しかしそれはあの G ではない。 度重なる戦闘によって幾度も傷付けられ、そのたびに立ち上がり、 それゆえ更に与えられ続けたダメージは、全身を灼熱の海に沈められるまでに至って遂に彼の戒めを解いた。 身に付けていたコートは燃え尽き、隆々とした上半身は炎に包まれているというのにその無表情は小揺るぎもしない。 両腕に備えた巨大な爪を高々と振りかざし、大男は、いやアンブレラの生物兵器、 量産型タイラントは耳が割れるほどの雄叫びを上げた。 避難していた研究員達の末路だろうか、白衣を着たゾンビで一杯のラボの奥にMOディスクを見つけたクレアは それにより、脱出用の通路へ至っていた。通路を過ぎたカーゴルームの突き当りには巨大なリフトがあり、 これを使えば通常は資材搬入出用、緊急時は脱出用となる特殊高速車両が停車しているプラットホームに 抜ける事が出来る。 リフトに近づくと床が激しく揺れて、緊急アナウンスが聞こえてきた。 爆破五分前だという。急いでリフトの呼び出しボタンを押し、到着を待つ。 階数表示が点灯する。しかし、ランプが三つも点かないうちに、頭の上でイヤな音がした。 そう、何かが天井の鉄板を殴りつけているような…… 二歩、三歩、後退した所で鉄板が折れ曲がり、 G が姿を現した。 前見たときよりも更に猛々しい姿に変形している。元が人間だったとは思えないくらいだ。 悪趣味な天使のように広がった背後の副腕をかわし、与えたクレアの攻撃に悲鳴じみた声をあげ、 G は床にくず折れた。だが安堵したのもつかの間、一声高く雄叫びを上げると G は更なる変形を始めた。 上半身が膨れ上がり、無数の牙がたてがみのように首周りを覆う。 体型は最早二足歩行の為のものではなく、四足獣、さながらライオンかイノシシのようだった。 それはつまり、小回りを捨て、強力な突進力を得た事を意味していた。 だが、資材の間を跳ね回る敵に照準を狂わされ、時には突進で壁に叩きつけられてもなお、 クレアは立ち上がり攻撃を続けた。 彼女には、シェリーがいた。背中に守る者を庇ったクレアの前に遂に巨大な怪物は横たわり、クレアは最後の戦いを制した。 485 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 46 19 ID n03vPJF20 両腕の爪により攻撃力が格段に上がり、更にスキを見せれば一瞬で距離を縮めてくる、 これまでにないタイラントの素早さにレオンは苦戦を強いられていた。 その上今回は時間というもう一つの敵がいる。 一向に膝をつく様子のないタイラントに焦る内にもタイムリミットは刻々と迫ってくる。 もう駄目かと思われたその時、頭上の通路に人影が差した。 「これを使って!」 確かに聞き覚えのある声が投げ落としたのは、戦車でも吹っ飛びそうなロケットランチャーだ。 「エイダ、君か!?」 わが耳を疑いながらもレオンは問いかけたが、胸元に金のペンダントを光らせた影は彼に応える事もなく そのまま姿を消してしまった。 後ろ髪を引かれる思いでレオンはしかし彼女の物騒な置き土産に駆け寄り、担ぎ上げた。 「これで終わりだ!」 狙いを付けたレオンの叫びと共に引き金は引かれ、白煙を上げて飛び出したロケット弾が タイラントに向かって一直線に飛んでいく。 その威力は凄まじく、轟音と共に不死身の追跡者の体は四散し、二度と立ち上がることのない肉片となった。 レオンが構えた武器を下ろすのと同時に電源が回復し、列車への電力供給が始まった。 道を後戻って列車を動かさなければならない。 ホームにはどこから迷い込んだのか、恐らく実験用サンプルだろう、全裸のゾンビ達が緊急放送も知らぬげにさまよっている。 勿論感傷など感じよう筈もない。 レオンは掴みかかってくる彼らを掻き分けて非常トンネルへ続くゲートを開くと、列車の中へ駆け込んだ。 もう待っている時間も通信をする時間もない。クレアが来る事をただ信じて、レオンは重い発車レバーを押し上げた。 まるで眠りから醒めるように運転室の全てのモニターに色とりどりの明かりが点り、列車がゆっくりと動き出す。 崩壊の前兆か、天井から大量の砂埃が降ってきた。 祈る思いで待つレオンの眼に、砂塵舞う通路の奥のクレアの姿が映る。 「クレア、こっちだ!」 思わず扉から身を乗り出し、必死で叫んだ。 気付いたクレアが脱兎の勢いで駆け寄ってくる。 片手をドアのふちに掛け、もう片手はクレアを引っ掴まえんばかりに振り回してレオンは尚も叫び続けたが、 先頭車両がトンネルに入り、危うく乗り出した体ごと両断されそうになってすんでの所で身をかわした。 目を白黒させ、息をついた所で後続の貨物室のドアが開き、クレアが客室に入ってくる。 大きく開け放たれた貨物室の荷物積み込み口から車内に飛び込んだのだ。 再会を喜ぶ間もなく列車が激しい揺れに襲われ、座席のシェリーが床に放り出される。 「シェリー!」叫んでクレアは駆け寄ろうとしたが、 「伏せろ!」レオンに怒鳴られ反射的に身を伏せる。 遂に爆破装置が作動して、爆発が始まったのだ。 「シェリーの意識が……!」 シェリーを庇ったレオンが身を起こし、顔色を変える。先程のひどい揺れにも最早シェリーは眼を閉じたまま反応しなくなっていた。 絶体絶命かと思われたその時、クレアが懐から緑色の液体を封じ込めたアンプルを取り出す。 「ワクチンがあるわ。これを打てば……」 彼女が通信で言った「やる事」とはこれだった。 アネットの残したGに対する抗体の製法を元にクレアは研究所内を駆け巡り、ワクチンを作り出していたのだ。 486 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 47 32 ID n03vPJF20 暗いトンネルの中を、猛スピードで列車が駆け抜けていく。 「クレア、どうなんだ」 目を閉じたままのシェリーを覗き込んで、焦りの色を見せつつ尋ねるレオンを制し、クレアはシェリーに呼びかけた。 「さあシェリー、起きて。お願い、目を開けるのよ!」 言葉そのものがシェリーに命を与えると信じているかのように、クレアは強い口調で少女に呼びかけた。 一拍の間、その後唐突にクレアの願いが通じた。 「クレア……ここは?」 戸惑って視線を左右にやるシェリーに「やったぞ!」「シェリー……」レオンとクレアは明るい笑顔を見合わせる。 そんな二人に状況を悟ったのか、 「ありがとう……」 シェリーははにかんだような微笑を見せた。 「終わったな」 立ち上がったレオンが息をつくと、「まだよ」その背に向けてクレアはきっぱりと首を振る。 「兄を、探さなきゃ」 レオンは 「そうだな。まだ始まったばかりだ」 頷いて、運転室の扉を開けた。 列車のヘッドライトが照らし出す、来るべき未来に向かって語りかける。 強い決意を秘めた、別れの言葉を。 「さよなら、エイダ」 「お守り、効いたわね」 クレアに言われてシェリーは背中を振り返った。 クレアのベスト、その背中には今正に爆弾を落とさんとする物騒な天使、そして「Made in Heaven」の文字がある。 「これからずっと一緒よ」 クレアは温かく微笑んでウインクを投げ、シェリーは彼女の優しい守り手に抱きついた。 487 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 49 11 ID n03vPJF20 だが、その瞬間。 突如緊急列車は激しい揺れに襲われる。 ビープ音が鳴り響く中、レオンは慌てて運転室を飛び出し、クレアに状況を尋ねるが当惑した様子で首を振るばかりだ。 取り敢えず車内の様子を確かめようとレオンが客室を出ると、コンピュータ音声の緊急放送が入った。 バイオハザード発生の危険があるためこの列車は強制処理モードに入り、爆破されるというのだ。 余りの事に驚く内に、背後でドアがロックされてしまう。車内のクレアにもどうしようもないようだ。 結局前に進むしか取る手がなく、後続の貨物車両へと向かう。 最初の車両には何もない。通り過ぎ、二番目の車両に足を踏み入れた所で天板をブチ抜いて太い鞭が降ってきた。 否、太い鞭と見えたのは長くぬめった奇妙な触手だ。 大慌てで身を翻し、一番目の貨物車両まで駆け戻った所で更に二本の触手が伸びてきて出口のヘリに自らを引っ掛け、 それに引っ張られて巨大な本体が現れた。 赤と緑のグロテスクなイソギンチャクの中央に長い首、 両脇に異様に充血した赤い両眼を埋め込んだとしか形容しようのない怪生物。 それが幾体ものゾンビやその他の化物たちを飲み込み再生進化を繰り返した結果暴走し、 肉体を保つ事が出来なくなったウィリアム=バーキンの哀れな姿だった。 レオンは残された僅かな気力体力、そして武器弾薬の全てを振り絞り、この最後の敵と戦った。 巨大化しすぎた為に敵の動きは鈍く、長い四本の触手角以外脅威らしいものはなかったが、一晩中 (そう、この悪夢のような出来事は正しく悪夢の名の通り、たった一晩の出来事なのだ!) 戦い続けた彼の体は限界と言うのもおこがましいほど限界を通り越してしまっていた。 迫る刻限を示すかのようにじりじりと迫ってくる巨大な肉塊に長い長い夜を断ち切るとどめの一撃が吸い込まれ、 長い首がぐったりと倒れ伏した時には、レオンはもうほとんど貨物車の壁に背を付けんばかりになっていた。 軟体状の体がしゅうしゅうと音を立てながら液状化していく。 レオンは汗まみれの顔を拭い、振り向きもせずに貨物車両を後にした。 アナウンスが爆破装置の作動を告げている。 「各車両は順次、爆破されます。繰り返します……」「……そんな!」 理不尽な現実に抗議の声を上げてもどうにもならない。ドアを叩いてレオンが列車を止めるようわめいている。 「だめよ、運転室もロックされてるわ!」 クレアの絶望的な叫びにレオンは焦りの色を濃くしたが、 背後から響いてきたごぼごぼとした唸り声に気付いて息を呑み、身を翻した。 あの化物は一体何をどうすれば死んでくれるのか。 またぞろ復活した G が背後の車両を一杯に埋め、触手を伸ばすのももどかしいと言わんばかりに ずらりと牙が並んだ丸い口を開き、ぬるぬる迫ってきていた。 「クレア、どうしたの?」 不安そうに問いかけるシェリーに「下がってなさい」ぴしゃりとクレアは言った。 硬い表情に怯えながらもシェリーはこくんと頷いて部屋の端まで走り、運転室のドアに背中を押し付ける。 途端に轟音を上げてドアがひしゃげ、少女は悲鳴を上げて座り込んだ。 拍子に足元の排気口が目に映る。大人は潜れないが、子供になら通れる幅だ。だったら……! 二度目の打撃は怪物からの攻撃を想定して設計されていない貨物列車のドアには荷が重すぎた。 あっさりと吹き飛んだ扉の向こうには牙だらけの肉の塊がみっちりと詰まっている。 「何て事……」思わず低く呟いて、クレアはそこにいる筈の若者の名を呼んだ。 「レオン、どこなの!?」 488 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 51 17 ID n03vPJF20 その叫びはレオンの耳に届かなかった。 もちろん死んだわけではない。これまでの地獄を駆け抜けてきた彼は、こんな所で死んでやるほど諦めがよくない。 彼の耳にあるのはただ轟々たる風の音。 列車の屋根に張り付いたレオンは背後を眺めやり、なおも追いすがろうとする触手達にうんざりとした薄笑いを向けた。 「……最高!」 背中で上がった金属音に、クレアは首を振り向けた。 「シェリー、何を?」慌てて制止しようとするがその時には開いた穴にごそごそと這いこむ後ろ姿が見えるばかりだ。 「電車を止めればいいんでしょ?」 できるもん!とでもいいたげな声にクレアは一瞬動揺するが、他に手立てがあるわけでもなし、 第一こういう時の彼女がガンとして聞かないのはとっくの昔に証明済みだ。 覚悟を決めたクレアは目の前一杯に迫る化物に振り返り、手を差し招いた。 「さあおいで、私が相手よ」 とは言うものの、このままでは一分も持たない間に追い詰められてしまう。 室内のあちこちに走らせたクレアの視線が床の一隅、金網になっている部分に止まる。 それを暫く眺めた後、クレアはタイミングを計るべく、睨むような視線を怪物に向けた。 運転室に入ったシェリーはコンソールの上を見回し、首を傾げていた。 「たくさんスイッチがあるわ。どれかしら?」 しかし彼女が考えても分かるわけがない。 適当な一つを押そうとしたところで間一髪、「シェリー!」天井が開いてレオンが現れた。 少女が顔を輝かせた次の瞬間、 G が列車に新たな一撃を加え、シェリーはよろめいて尻餅をつき、 その下では「もうダメ!」さかさまに列車の床にしがみ付いたクレアが珍しく弱音を吐いている。 「そこのスイッチだ!」 レオンが示す指の先、黄色と黒のエマージェンシーカラーで囲まれた赤いボタンをシェリーが掌でぱちんと叩く。 すると列車は火花を散らしながら緊急減速を始め、甲高い悲鳴の残響を残してほどなく停車した。 「出口だわ……!」 彼方に漏れる光を目にして、クレアは安堵の息を吐く。 シェリーの無事を確認するレオン。間もなくクレアも合流を果たした。 「みんな無事ね」 クレアの言葉に頷くのと同時に、窓ガラスが割れて触手が這い出してくる。 余計な相手の無事に、「しつこい奴だわ!」 舌打ちしたクレアの合図で全員が出口に向かって一斉に駆け出した。 車内から姿を消した獲物たちをまだ探しているのか、運転席に達した触手がフロントガラスを突き破る。 その瞬間。 爆破カウントがゼロを差し、タイムリミットを告げる、長く緒を引く電子音が鳴り響いた。 それに引き伸ばされたかのように G の不気味な瞳孔が細長くなって―――列車が次々に大爆発を起こした。 489 :バイオハザード2:2007/01/09(火) 20 52 52 ID n03vPJF20 「もう大丈夫よね……」 トンネル内をロケット砲さながらに駆け抜けた爆炎の残滓が、夜明けの空に黒々と上がるのを眺めつつ、 クレアは首をこきこき鳴らした。ふと傍らを見下ろして片頬を歪める。 「シェリー、ひどい顔だわ」 言われたほうはけろりとして「クレアだって」と応じ、二人は笑みをかわし合う。 その輪に混じる事もなく、レオンは厳しい表情でやおら立ち上がった。 「さあ……立つんだ」 「どうしたのよ。まだ何かいるの?」 不思議そうにクレアが問うが彼は答えず、「行こう。遊んでる時間はない」とただ促すばかりだ。 「行くって、どこへ?」 訳も分からず立ち上がったクレアが、遥か向こうに並ぶ町並みに向かって歩き出した背中に再度問いかける。 冗談とも本気ともつかぬ口調、しかしその瞳には強い意思を光らせレオンは相棒を振り返った。 「アンブレラをブッ潰すのさ!」
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登録日:2024/06/29 Sat 21 39 10 更新日:2024/07/08 Mon 07 54 50NEW! 所要時間:約 30 分で読めます ▽タグ一覧 2大主人公 Aウイルス クリス・レッドフィールド バイオハザード フルCG レオン・S・ケネディ レベッカ・チェンバース 復讐 悲しき悪役 映画 深見真 清水崇 被害甚大 辻本貴則 『バイオハザード ヴェンデッタ』(Resident Evil Vendetta)は、カプコンの人気サバイバルホラーゲーム『バイオハザードシリーズ』を原案とした全編フルCGの映画第3弾。2017年公開。 本作は「バイオハザード ダムネーション」の直接の続編、時系列的には「バイオハザード6」と「バイオハザード7 レジデント イービル」の間である。 制作陣は前作までとは一新され、監督は辻本貴則、製作総指揮に『呪怨』シリーズに携わった清水崇、脚本に『PSYCHO-PASS』の深見真が携わっている。深見氏は本作ノベライズも担当されている。 本作の見どころは何といっても、あのクリス・レッドフィールドがCG映画初登場。しかも、レオン・S・ケネディとの同時出演である。 ゲーム作品では『6』で既に同時出演はしていたが、ストーリー上で直接顔を合わせたのはあくまでもデモムービーのワンシーンのみで、それ以外は無線越しのやり取りや設定上の文面などで、全編に渡っての共演ではなかった。 本作はその鬱憤を晴らすかの如く、長年の2大主人公が同じ陣営で手を取り合い、背中を合わせて戦うという、長年のファンにとっては胸アツな展開が用意されている。 他にも、『バイオハザード0』で主人公を務めたレベッカ・チェンバースも久々に登場。 なお、元乃木坂46の堀未央奈氏がモブキャラの日本語吹替えを担当している。 演出面も、前半はホラー色が強いが、後半はかなりアクションシーンに力を入れた作りになっている。 ただ、アクションに力を入れすぎて主人公二人が完全に人間をやめていたり、事態の収拾が少々ご都合主義的などの点はないとも言い切れないが、こまけぇことはいいんだよ! また過去作からトライセルやネオアンブレラ等の懐かしいワードが度々出てくる。 これらのことから、同時期に発売されたバイオ7よりもこっちの方がバイオ7してる(バイオ6の続編感がバイオ7より強い)との声もチラホラ(無論、バイオ7が新規・ホラー路線に突き進んだのが間違ってたわけではなく、実際に現在で1000万以上も大ヒットしたことからもいかに人気だった事実であるという事をフォローしておく)。 脚本の深見氏によるノベライズ版は、映画本編では描き切れなかった点も描かれているほか、一部のストーリー展開が違い、特に『6』からの物語の繋がりが強調されている。 2022年にはCG映画シリーズ1作目である『バイオハザード ディジェネレーション』の1年後の出来事を描いた『バイオハザード インフィニット・ダークネス』がNetflixで先行配信された。全4話からなるドラマ方式。 お馴染みのレオンと『ディジェネレーション』から久々の登場となるクレア・レッドフィールドが主役となる。 そして2023年7月7日 ついに・・・ 本作の主人公3人に加え、新たにジル・バレンタインと『インフィニット・ダークネス』から引き続き続投となるクレアが加わった本作の続編にしてシリーズ最大のオールスター作品となる『バイオハザード デスアイランド』が公開された。 キャッチコピーは『最凶のミッション、最強のチーム』であり、まさにザ・レジェンズであると同時に敵があまりにも可哀想である。 【ストーリー】 中国をはじめ、複数の国を巻き込んだバイオハザード6の事件から1年後の2014年。 対バイオテロ組織B.S.A.A.のクリス・レッドフィールドは、B.O.W.も取り扱う武器商人グレン・アリアスの組織に潜入捜査していた部下の救出のため、メキシコ陸軍と共同でアリアスの潜伏先に向かう。しかし、潜伏していたアリアスの”新商品”である『敵味方の識別が可能なゾンビ』に返り討ちにされ、突入部隊はクリスを除いて全滅してしまう。 クリスもアリアスと格闘戦の末に敗れて取り逃がしてしまい、救出するはずだった部下は息子もろともゾンビ化していたという最悪の展開を迎え、辛うじて後続部隊に救出されたクリスは打倒アリアスに執念を燃やすのだった。 それから4か月後、アメリカの各地で死体が突然ゾンビとして復活するという事件が頻発しており、シカゴの大学に勤務するレベッカ・チェンバースはそれが新種のウィルスによるものであると看破し試作ワクチンの生成を行っていた。しかし、ワクチン生成完了後に大学が襲撃を受け、職員の大半がゾンビ化してしまう。 間一髪のところでレベッカは元同僚のクリス率いるB.S.A.A.の小数精鋭部隊シルバーダガーに救われる。 レベッカはクリスに、今回のウィルスの遺伝子情報にかつて欧州で発見された寄生生物プラーガのものが使用されていることを明かし、二人はプラーガがらみの事件に何度も遭遇した現在休暇中の合衆国エージェントであるレオン・S・ケネディに協力を要請する。 【登場人物】 劇場公開時は英語音声のみ。DVD/BD発売時に日本語吹き替えがついた。 英語音声/吹き替え音声で記載する。 ◇主人公 クリス・レッドフィールド 「いつか決断を迫られる―彼らを殺すか、彼らに殺されるか。そういう事に英雄はいない」 声 ケビン・ドーマン/東地宏樹 モーションアクター ルーベン・ラングダン 遂にCG映画初登場となった我らがシリーズ主人公。41歳。対バイオテロ組織B.S.A.A.実働部隊隊長。 時系列的に『6』と『7』の間で、外見や兵装は『6』の中国編での彼に近いが、ゲーム作品ほどのガチムチゴリラではなく、若干筋肉質ながらも手足の長い面長のイケメンと化している。ひょっとして『7』のスリム化への伏線だったのか・・・? それでいて、人外に片足突っ込んだ卓越した戦闘力は健在で、後半では銃剣付きARでの射撃・格闘術を軽快なフットワークで繰り広げる。ゾンビ相手に大立ち回りを繰り広げるが、今作のボスであるアリアスには初戦で圧倒され、部下を皆殺しにされたのを機にリベンジを誓う。 序盤で捜査に協力したメキシコ陸軍部隊がまたしても全滅し、部下も救えなかったことで慟哭するが、それでも立ち直れたのはやはり『6』の頃の経験が活きているからだろうか。むしろ今作では逆に飲んだくれるレオンを連れ出す側となっている。少しはピアーズの苦労が分かったのだろうか・・・ またヘリでのレベッカ含む他隊員達との雑談では今までの彼にはなかった明るくユーモアな側面を映し出される。クレアにもこれぐらいで接してやれよ。 レオンの本格的な活躍は後半からで、本作の副題である『ヴェンデッタ』の意味合いも含め実質クリスが本作の主人公と言える立ち位置となってる。 レオン・S・ケネディ 「最近考える―俺は子供の頃、どんな大人になりたかったのか」 声 マシュー・マーサー/森川智之 モーションアクター ジェイソン・ファント CG映画シリーズ皆勤賞の主人公。37歳。合衆国エージェント組織DSO所属。今作は出番の大半はクリスに比重が置かれているため、実質準主人公の立ち回りで、モノローグでの狂言回し役が多い。 これまで幾度も困難を乗り越えてきたタフガイでもあったが、それでも本編開始前のある事件がきっかけとなりついに心が折れてしまい、中盤にクリス達が見つけた時にはロッキー山脈のロッジで真っ昼間から酒に溺れている始末であった。何としても彼を連れ出そうとするクリスと口論にまで発展するが、遂にキレたレベッカが仲裁に入り一喝されたことで、ようやくクリスと共に冷静になる。 直後、ロッジにかつて自分を裏切った情報屋のパトリシオや、アリアス達の部隊が矢継ぎ早に表れ、大混乱の末にレベッカが攫われてしまう。死に際のパトリシオの懇願や彼の家族の声を聴いたことでようやく戦いを決意し、遂にお披露目となった銃’センチネルナイン’を手に戦場へ向かう。 このように「今まで周りの人間が自身の死神体質のせいで多く死ぬ姿を眼にしてるのになぜ今更ここまで荒れ果ててるのか?」「1年前の『6』でゴリラの如く暴走状態に等しかったクリスを諭す程冷静だったレオンがこの程度で?」と困惑・ツッコまれる本作のレオンだが、所謂ヤケ酒設定は彼の初デビュー作である『バイオハザード2』の時点で存在しており、劇中では描写されないものの、彼の口から語られたある事件が内容的に想像以上の凄惨な出来事であったことが窺い知れる。 本作では『6』でレオンのパートナーを務めたヘレナと同作で登場した同じエージェントのシェリーが登場しないのもまさか・・・ 作中ではトム・クルーズも真っ青な人間をやめたバイクアクションや、ジョン・ウィックみたいな銃裁きで大立ち回りを繰り広げる。そういえば両者とも声優繋がりか・・・。また、冗談でもガチでも他の味方面々含むレオン達の方が街の被害を増大させてるとツッコまれることも。 ノベライズ版では、事件前のレオンとDSOの活躍が補完されているので、興味のある方は是非一読あれ。ただし、映画版といくつか設定が異なる場所がある。 レベッカ・チェンバース 「―でも私が知っているあなた達は、言い争うばかりで世界を見殺しにするような人間じゃない」 声 エリン・カーヒル/小清水亜美 モーションアクター エリン・カーヒル 『0』や舞台版『The STAGE』以降、久々の登場となったキャラクター。かつてS.T.A.R.S.だった頃は18歳の最年少隊員だった彼女も、今では34歳の立派なレディに成長。ある部分も立派に。中盤で披露したウェディングドレス姿にドキドキしてしまった諸君は素直に手を挙げなさい。 レオンと対面する際に着替えた姿は0の頃のコスチュームに近い。 大学教授としてウィルスの研究を行っており、B.S.A.A.にもアドバイザーとして協力している。作中でもウィルスのワクチン生成に成功したり、新型ウィルスの特性を独自に分析し、それらの特性を完璧に言い当てアリアスに感心されるなど、その知識はかなりのもの。 と、ここまでだとさすがは0の主人公なだけあって有能かと思いきや、本作での扱いはハッキリ言ってとてもあのレベッカとは思えないぐらい酷い。一言で言い表すならぶっちゃけほぼピーチ姫状態。また、丸腰とはいえこれまで比較的余裕に相手してきたゾンビ1体ですら怖気づくほど精神面でもあまり強いとは言えない。初代でもハンターに手も足も出ずに怖気づき、ルート次第ではそのまま殺害されたりもしたが、それを踏まえてもかなりの落差である。 これには実際、「この役回りをなぜ旧主人公であったレベッカでやる必要はあったのか?」「主人公・戦闘経験あるのにクリスやレオンのようなまとも活躍がレベッカにはなぜないのか」等、困惑ないし否寄りの声も少なからずあった。 一応彼女の名誉の為にフォローしておくと、言い争うクリスとレオンを厳しい言葉で一喝しつつ立ち直らせた(これにはのちにレベッカは「私って嫌な女よね・・・」と振り返ってた)り、後半とある理由からアリアスに拐われてしまっても、毅然とした態度を崩さなかった。 また序盤でいきなり新型ウィルスに感染してしまったため、完成直後の一つしかない試作ワクチンをぶっつけ本番で自分に投与し、ワクチンのデータを残すという手柄を立てており、それが終盤の反撃に繋がっている。 というわけで、本作の彼女は従来作とは良くも悪くも違った立ち回りをすることとなってしまったのだが、本作の続編『デスアイランド』にてようやくレベッカらしい本格的な活躍を与えられることとなった。 ◇A-GUA社 グレン・アリアス 「失礼な・・・私はビジネスマンだ。欲しいという相手に必要なものをたくさん売っている」 声 ジョン・デミータ/桐本琢哉 表向きは大手飲料水メーカー「A-GUA(アグア)社」設立者で、裏の顔は元軍人という経歴の国際指名手配中の武器商人。なお、ノベライズ版ではグレン・アリアスという名も本名ではなく、本名を知っているのは自分と一部の親族、友人だけとのこと。ジョージ・クルーニーに激似 昔のコネを駆使して、B.O.W.を含むあらゆる商品を提供するとされており、トライセルやネオアンブレラの遺産も取り扱っている。自社の研究施設にて新たなウィルス「A-ウィルス」を生み出し、今回の騒動を引き起こした張本人。 本作の副題である『ヴェンデッタ』とはイタリア語で「復讐」の意味で、彼の犯行動機そのものである。 上質なスーツを着こなした上品なビジネスマン風の立ち振る舞いでありながら、戦闘時は銃武装したあのゴリラクリスを格闘戦で圧倒する程の完璧超人(小説版によると彼自身もA-ウイルスで身体強化をしてるらしい)。 A-ウィルスによる「近年の戦争で生じた非対称性の是正」が目的と語るが・・・ + 「私の時間は、あの瞬間に止まった・・・」 軍人としてCIAの汚れ仕事を請け負い、数々の闇を目にしてきた彼だったが、そんな自分の人生に嫌気が差し、長い時間をかけて自分の過去や名前を捨て去り、武器商人としての道を歩みだす。 そんな中、サラという最愛の女性と出逢い、やがて遂に二人は結婚式を挙げることに。 式にはゴメス親子を含めた友人たち、親族たちが参列し、傍らには愛するサラがいる。まさに幸せの絶頂だった。 そんな矢先にふと空を見上げると、一機の小型無人機がこちらに近づいてくる。 そして無人機からは爆弾が放たれ― 次にアリアスが気がついた時には、結婚式は地獄絵図だった。 式場は火に包まれ、参列者たちは無残にも犠牲となった。 そして愛するサラは、ついさっき交換したばかりの指輪をはめた左腕しか残らなかった。 一瞬にして地獄に叩き落されたアリアスはただ慟哭するしかできなかった。 当時彼は某国との武器の裏取引を行っていたが、手腕が悪質すぎたとしてその国の暗殺リストに載り、結婚式の日に実行されたのだった。 この日を境にアリアスは人が変わり、B.O.W.にも手を出すようになった。 アリアスが語った「非対称性の是正」とは自分が生み出したB.O.W.で大国すら滅ぼし、自分をこのような状況に追いやった世界へ復讐(VENDETTA)することだったのだ。 さらに彼はクリス達と行動していたレベッカを連れ去り、終盤ニューヨークのアジトの高層ビル屋上にてついに激突する。 拳銃の撃ち合いからナイフ、徒手格闘と激しい戦いを繰り広げ、ひび割れたガラス張りの天井の上での格闘の末、遂にクリスはアリアスの不意を突く形で割れたガラスから地上へと投げ落とす。 高層ビルの屋上からコンクリートの地面に投げ落とされた武器商人はついに力尽きた と思われたが・・・? ディエゴ・ゴメス 声 フレッド・タタショア/大友龍三郎 アリアスに付き従う身の丈2メートル超えの大男。どう見てもバットマンのベインにしか見えない 筋肉と明らかにヤバそうな何かで膨れ上がった巨体の各部を、金属のプレートやボルトで補強しており、金属製の仮面を顔面に縫い付けられている。 外見的に『6』に登場したウスタナクに近いが、右腕は健在なので義手を切り替えるギミックアームはない代わりに巨大なミニガンを操る。 彼がこうなったのは、過去にある出来事で重傷を負った際に、アリアスの手によって治療と共に肉体改造を施されたためであり、作中で一瞬登場した過去の写真では、せいぜいアリアスより少し背の高い大柄な体格の普通の人間だった。 ノベライズ版では治療の際にt-ウィルスとA-ウィルスを投与されたのだとか。 声優がキャスティングされているものの、作中ではまともなセリフはなく唸り声しか発さない。なお、大友氏は実写映画6部作ではサイコロステーキ先輩の先駆けとも言えるワン隊長の日本語吹替えも演じていた。 + 「ドン・アリアス。俺はあんたの忠実な用心棒さ。俺はあんたの盾になりたいんだ。」 ノベライズ版では彼の過去が描かれている。 彼はかつてメキシコの麻薬組織の幹部だった。だが内部抗争によって命を狙われた際に、彼の命を救ったのが当時任務で潜入捜査を行っていたアリアスだった。 その後組織から足を洗い、カタギに戻ったディエゴは、命の恩人であるアリアスの友人となった。やがて娘も生まれ、コロナビールとルチャ・リブレを愛する豪快な性格の父親となった。 アリアスの仕事には常にボディガードとして付き従い、服の下にはいつもボディアーマーを身に着けていた。 結婚式の時にも、動けなかったアリアスに咄嗟に覆いかぶさり爆撃から身を守ったが、引き換えに重傷を負い、命を繋ぐためにアリアスによってウィルス投与と肉体改造を受けたのだった。 改造後は爆撃の後遺症もあって声が出せなくなったが、引き換えに先述した携行用に改造したミニガンを軽々と取り扱うほどの怪力を手に入れた。 平時はアジトであるニューヨーク本社社屋の研究施設にて、機械に繋がれた状態で調整されている。その際に、自身に語り掛けるマリアの手を優しく握り返しており、親子としての絆は失われていない事がうかがえる。 終盤に研究施設に突入してきたクリスに襲い掛かり、圧倒的な怪力と耐久力で追い詰めるが、床に転がされた焼夷手榴弾に気づけずに爆発炎上、全身火だるまになり倒れ伏す。この程度でやられるのかよとツッコんではいけない。 このまま撃破されたと思われたが・・・? マリア・ゴメス 「時間よ父さん。幸運を祈って。」 声 クリスティーナ・ヴァレンズエラ/大原さやか アリアスの部下でディエゴの娘。感情の乏しい金髪ロングの美女。ボンデージのような非常にけしからん露出の激しいぴっちりスーツを着用しており、いかなる状況でも表情一つ変えずに、潜入工作や破壊工作を行う。 戦闘シーンは劇中では残念ながら皆無だが、陽動を用いた暗殺術を得意としており、自身の存在を悟られないままシカゴ大学の職員を背後から次々と絞殺し、のちにレベッカもこれをやられた(アリアスから捕らえるように命じられてたので気絶させるに留められた)。ノベライズ版ではシルバーダガーとの戦闘が描かれており、気絶したレベッカを担いだまま、D.C.をムエタイで圧倒していた。 彼女も過去の写真では表情豊かな面を垣間見せており、感情が乏しいのは彼女もまたアリアスによって肉体改造を施されたためであるとされている。感情と引き換えにエロさを手に入れたのか・・・ + 「いよいよ始まるよ、父さん・・・行ってくるね」 彼女もアリアスの結婚式に参列しており、爆撃にて重傷を負い、アリアスに肉体改造を受けた。ただし、こちらはウィルス投与が行われたどうかは言及されていない。 爆撃によって右目を失っており、普段は前髪で隠しているが、作中で髪の隙間からわずかに見える右目周辺は黒ずんでいるのが確認できる。 任務の際は一切の感情を見せない彼女だが、父親であるディエゴに対してだけは、無機質ながらも優し気な声音で接している。 終盤では、B.S.A.A.の介入を察知したアリアスによってテロの予定が早められたため出撃。 他の戦闘員と共にA-GUA社のタンクローリーの護衛任務に就くが、D.C.が操縦するシルバーダガーのオスプレイによってタンクローリーを爆破され、重傷を負って道路に倒れ伏す形で退場 したかに思われたが・・・? ノベライズ版では描写が異なり、バイクで追撃してくるレオンとダミアンをスナイパーライフルで迎撃する。 この際、ボディアーマーを身に付けたダミアンの胴体を銃撃してバイクから叩き落すつもりであったが、タンクローリーの爆破を受けて手元が狂い、ダミアンの頭部を撃ちぬいて殺害している。 ◇シルバーダガー クリスが率いるB.S.A.A.の少数精鋭部隊。部隊章にはオオカミとナイフが描かれている。パンフレットの情報によれば、シルバーダガーは長期的かつ諜報機関的任務遂行のための少数精鋭部隊で、万が一何らかの破壊的な兆候を察知した場合は緊急即応部隊としての対応が許されているなど、かなりの権限が与えられたエリート部隊。 また、設定や本作での立ち回りや部隊章にオオカミが描かれてることから『ヴィレッジ』に登場したハウンドウルフ隊と共通点があるが、関連は不明。 D.C. 「目の前の敵を倒すのは銃弾だが、知恵があればすべての敵を倒せる」 声 アリフ・S・キンチェン/藤井隼 モーションアクター ダンテ・カーヴァー シルバーダガー隊員で短髪の黒人男性。元アメリカ特殊部隊隊員。 陸上競技での優勝経験があり、さらにコンピューターハッキングの知識も有する大卒のインテリという文武両道な男。一方私生活の方では離婚歴があり、別れた妻の話題になると落ち込むのだそう。 あまり戦闘シーンはなく、後半では専らオスプレイのパイロットを務めている。 モーションアクター、ならびにフェイスキャプチャーはあのソフトバンクのCMでお馴染みのダンテ・カーヴァー氏。キャラの経歴の一部はおそらく彼の経歴から取られていると思われる。というか、イニシャル的にフルネームも一緒な可能性も・・・?これはさすがにヨソウガイデス。 ダミアン 「別に?ただ、死ぬまで治らない病もあるだろってね」 声 アーニー・パントジャ/相沢まさき ヒスパニック系のモヒカン風の髪型の若者。D.C.とはアメリカ軍時代からの付き合い。 好戦的な性格でカナダの山奥に自前の狩猟小屋を所有している程だが、一方で神経質で皮肉屋な一面も持つ。 演者の相沢まさき氏は過去に初代リメイクと0でエンリコ・マリーニ役で出演されている。 + ... 終盤のニューヨークの戦いにて、A-GUA社のタンクローリー破壊作戦に従事。レオンが爆破したタンクローリーに気を取られたアリアスの戦闘員を撃破した。 しかし、戦闘員が乗っていたバンの荷台に乗せられていたケルベロスによって首に噛みつかれ、そのまま切断されてしまい死亡。シルバーダガー唯一の戦死者となってしまった。 ノベライズ版では経緯は異なっており、レオンと共にバイクを運転していたが、マリアによって頭部を撃ちぬかれてしまい死亡した。 ナディア 「ねえ、本当なの?特殊部隊から大学教授に転身したって」 声 カリ・ウォールグレン/戸松遥 シルバーダガーの紅一点でドイツ系アメリカ人。元SWAT隊員の狙撃手。 同性愛者で、サンフランシスコでパートナーと同棲しているとの事。 世界中で起こるB.O.W.がらみの事件から義憤に駆られ、B.S.A.A.に志願した。 + ... 最終決戦にて、アメリカ陸軍より貸与されたレールガンを引っ提げて登場。D.C.が操縦するオスプレイの荷台からの狙撃でラスボスに大ダメージを与えた。何気にバイオハザード3の頃からの技術革新を感じさせられる描写とも取れるかもしれない。 その後、逆上してオスプレイに飛び移ってきたラスボスによって胴体を貫かれるという重傷を負ったが、幸運にも致命傷には至らず一命をとりとめている。 ◇その他の登場人物 キャシー・ホワイト 声 カレン・ストラスマン ザック 声 メアリー・エリザベス・マクグリン プロローグにてクリスが救出に向かった、B.S.A.A.の隊員とその息子。キャシーはアリアスの調査のために潜入捜査を行っていたが、素性が割れてしまったために息子共々拉致されてしまった。任務内容から、キャシーは恐らくシルバーダガーの所属だったと推測される。 クリスらが潜伏先の洋館にたどり着いた時には既に手遅れで、二人ともA-ウィルスを投与されたことでゾンビ化しており、突入したメキシコ陸軍部隊を襲った。クリスも、ゾンビ化したザックを前にした時はさすがに堪えたのか、直接銃を撃つことはできずに手榴弾で他のゾンビ共々爆破する形で撃破している。 キャシーはその後アリアスとの戦闘に敗れたクリスにけしかけられる形で登場し、他のゾンビと共にクリスを追い詰めるが、間一髪で到着したメキシコ軍の後続部隊のヘリによって機銃で一掃された。自責の念に駆られたクリスは、キャシーの亡骸を抱いて慟哭するのだった。 なお、ノベライズ版では息子は二人になっている。 アーロン 「それかい?例の狂暴化ウィルスって」 声 ジェイソン・ファント/小林親弘 レベッカの同僚で、同じ大学に勤務するポストドクター。レベッカに好意を抱いており、ノベライズ版ではスマートフォンに彼女の写真を密かに保存しており、なかなかデートに誘えないことを愚痴っている。 そんな気持ちを知ってか知らずか、レベッカにはいいように使われてしまっている。アーロンお前は泣いていい そんな中、潜入してきたマリアによって大学でA-ウィルスを用いたバイオテロが引き起こされてしまい、職員の大半はゾンビ化、アーロンも例外ではなくレベッカに襲い掛かったため、反撃で消火器で頭を何度も叩き潰される形で死亡した。 なお、ゾンビ化した彼がゆっくりと振り返るシーンは、初代バイオハザードにて、初めてゾンビと遭遇した際のムービーの再現。 パトリシオ 「頼む・・・DSOへのコネはあんただけだ・・・!」 声 アレクサンダー・ポーリンズキー/白鳥哲 元麻薬密売人の情報屋。金に汚い性格の小物だが、数年前に結婚して生まれた娘を溺愛しており、レオンにはよく妻と娘の自慢話をする子煩悩な一面もあったようだ。 何とあのロス・イルミナドス教団の元構成員という経歴を持つ。ただし、役割はあくまでも外部との折衝役という末端中の末端であり、プラーガも投与されていない。教祖の性格からして、金に汚い彼は碌に信頼もされていなかった事がうかがえる。 本編前のDSOの任務に情報提供者として関わっていたが、あろうことか捜査情報を敵側に売っており、結果的にDSO側に多数の死傷者を発生させる事態に発展し、レオンからは仲間の仇として恨まれている。そのため、本編でレオンと顔を合わせた途端に罵詈雑言と共に腹パンを浴びせられている。 そんな彼が今作の事件に巻き込まれたきっかけは、アリアスがA-ウィルス制作のためにロス・イルミナドス教団の残党に接触していたため。金の匂いを嗅ぎつけ、かつての古巣によせばいいのに深入りした結果、アリアスらに命を狙われるようになってしまった。彼がかつて裏切ったレオンに泣きついてきたのは、スペインにいる妻と娘の保護を訴えるためだった。 間髪入れずに襲撃してきたディエゴの機銃掃射によって致命傷を負い、レオンにアリアスの情報の入ったスマートフォンを託し、事切れてしまう。さらに追い打ちをかけるようにスマートフォンには彼の妻からの着信が届き、電話越しに彼の妻と娘の声を聴いたことで、レオンは否応なしに戦いに舞い戻るのを決意することに。 ノベライズ版では、自分や家族の命が関わっている状況にも関わらず、自分を締め上げてアリアスの情報を詰問してくるクリスに対し、内心で情報料をどれだけ釣りあげられるか皮算用をし始めるなど、彼の抜け目の無さが強調されており、それを見破っていたレオンにも「そういうのをやめないとダメなんだよ」と完全に見放されていた。また、最期は致命傷を負って動けずにいる所を、室内に踏み込んできたディエゴに踏みつぶされて殺害されるという描写になっている。 サラ グレン・アリアスの妻になるはずだった女性。結婚式当日に爆撃を受け死亡。遺体は左腕しか残らなかった。ノベライズ版では、アリアスはディエゴが身を挺して自分を守った事に対して、「そこはアドリブを効かせてサラを守ってほしかった」と供述していた。 + 「レベッカ・・・彼女がサラだ」 アリアスは、アジトにさらったレベッカに何故かウェディングドレスを着せ、自身もまるで新郎のような純白のタキシードを着て現れる。 二人のいる部屋の壁にはスクリーンで当時の結婚式場の風景が映し出され、テーブルや椅子の数から配置まで完全再現されていた。 席についている参列者達が全て死人であることを除けば。 アリアスは、あの日の犠牲者の遺体を全て保管していたのである。当然、遺体は爆撃によって原形をとどめておらず、腐敗を完全に防ぐことも出来なかったため、A-ウィルスを投与されたうえで、箱詰めにされた状態で席の上に置かれていた。 困惑するレベッカに、アリアスは結婚式当日の写真を見せる。そこに映し出されていたサラはレベッカに瓜二つだった。アリアスがレベッカをさらったのはサラに生き写しのレベッカを使い、あの日の結婚式をやり直すためだったのだ。 アリアスは、同じく冷凍保存していたサラの左腕から結婚指輪を外し、レベッカの指にはめようとするが、レベッカに激しく抵抗されてしまい、咄嗟にレベッカを殴り飛ばしてしまう。 狼狽し、取り乱すアリアスだったが、すぐに名案を思い付いたかのように 「君とサラの腕を取り換えよう。そうすれば君の気も変わるかもしれない」とブッ飛んだ事を言い出す。誰かこいつを止めろ アリアスは全てを失った悲しみから精神に異常を来していた。 A-ウィルスで、かつて愛した人々を蘇らせようと足掻いた結果、常軌を逸した行動に走るようになっていたのである。巻き込まれたレベッカはたまったもんじゃないが 【登場クリーチャー】 ゾンビ 声 ダリン・デ・ポール 今作のメインクリーチャー。『ディジェネレーション』から久々の登場となる。 今作ではA-ウィルスの作用によって体の筋力が増強された結果、バイオハザード6のC-ウィルス系ゾンビのように、走ったり飛び掛かったりできる俊敏性を持つ。 さらに感染力が極めて高く、傷をつけられた途端、わずか数分でゾンビの仲間入りである。当然、主人公勢も例外ではないため、ゾンビに噛まれないような戦いを強いられることに・・・そんなヤバいゾンビに肉弾戦で挑むクリスとレオンの無謀さよ そして最も厄介なのが「敵と味方を区別できる」点。 これまでの作品に登場したB.O.W.の問題点として「制御が難しく、場合によっては味方にすら牙をむく」点が挙げられる。まさに前作『ダムネーション』でもこれは描かれていた。 だが今作のゾンビは、この欠点を遂に克服した、極めて完成度の高い生体兵器といえる。なお『6』のように武器は扱えなくなった模様。 ケルベロス かつてアンブレラが生み出した懐かしの犬型B.O.W.。 t-ウィルスを用いて生み出された生体兵器だが、今作のものはA-ウィルスも投与されて強化されており、ハイウェイを疾走するレオンのバイクに易々と追いつく程の筋力を発揮して他、走行中の乗用車に飛び乗った際は車体が潰れる程の凄まじいパワーを有している。今作のディエゴはt-ウィルスとA-ウィルスを投与された設定があるため、もしかするとそのノウハウをケルベロスに活かしたのかもしれない。 ゲームではいいようにあしらわれるわんこだったが、今作にて、実に完成された生体兵器であることを思い知らされた方もいるかもしれない。 ノベライズ版では、さらに体長が3メートルにまで大型化している。もののけ姫の山犬かよ 「ディエゴ・・・最終手段だ・・・解き放て」 変異アリアス(通称アリエゴ) 激闘の末、高層ビル屋上からコンクリートの地上へ叩き落されたアリアス。しかし、まだ虫の息ながらわずかに意識はあった。 そこへ、全身を焼かれながらも同じく生きていたディエゴが歩み寄る。 アリアスはディエゴに最終手段として力の開放を命じ、応じたディエゴは両腕の手枷を破壊し、顔面に縫い付けられた鉄の仮面を引きはがす。 するとディエゴの全身に止められていたボルトが内側から外れていき、背骨に沿ってバックリ開いた背中からトゲと粘液まみれの触手が飛び出し、瀕死のアリアスを取り込んで融合。 次に屋上に姿を現したその姿は、これまたお馴染みのタイラントに酷似した巨人だった。この状態でもアリアスの意識がはっきり残っており、ちゃんと会話も可能。なお、左胸には抜け殻になったようなディエゴの頭部がG第二形態のように存在するが、屋上にオスプレイが現れた際に反応していることから、一応ディエゴの意識も残っているようだ。 右胸にはタイラントと同じく赤く点滅する心臓のようなコアが存在する。 タフネスも尋常じゃなく、レオンに正面からこれまたお約束通りデザートイーグルによる銃撃を集中的に浴びせられても(その数、マガジン2個と数発分を立て続けに)。突進の勢いを止めない程。 両指先からはお約束のように爪を伸ばすことも出来る。それも瞬時に数十メートル単位の長さまで。いくら何でも無理がある 満身創痍で丸腰のクリスと、駆け付けたレオンを圧倒的戦闘力で苦しめるが、そこへシルバーダガーのオスプレイが駆け付け、ナディアが放ったレールガンによる狙撃を受け、ここでディエゴの頭部を失う。おいおい、貫通と破壊力がエグいせいでこいつらより街ブッ壊してんじゃねえか!というツッコミは禁句。逆上したアリアスは今度はオスプレイに矛先を向け、機体に飛びついて爪でナディアを串刺しにする。 そこへ、レオンが屋上まで乗ってきていたバイクを走らせ、その勢いで屋上から飛び出したバイクをアリアスにぶつけ、バイクのエンジンをデザートイーグルで撃ちぬいて爆破というスタイリッシュすぎる技を見せる。 アリアスは顔面と胸が大きく抉られるほどのダメージを受け落下するが、それでも両手の爪を数十メートルほど伸ばして空中のオスプレイとビルの壁面に突き刺し、宙づり状態でなおも足掻くが、とどめにクリスのグレネードランチャーを露出した右胸の心臓に受け、遂に爆発四散。 肉片と共に、アリアスの結婚指輪が地面に転がるというどこか哀愁漂う末路を迎える。 【用語】 ◇A-ウィルス 今作の事件の発端となった、映画オリジナルの新たなウィルス。正式名称は『アニマリティ・ウィルス』。感染者はまさに獣性(アニマリティ)が剝き出しになったかのように狂暴化するだけでなく、筋力を異常に増強させるという作用もあるようだ。 シカゴの大学でのテロの際は、空調設備に緑色のガスを流すことで大学中に感染させており、職員をゾンビ化させるなどバイオハザード6を思わせるような演出をしている。 さらに、このウィルスは死人にも効果がある。実際、作中には上半身だけのゾンビが出てきたり、既にバラバラで原形を留めていない死体すらゾンビ化している。 弱点は耐熱性で、ガソリン引火程度の熱量でも死滅してしまう程。 当然ながら前例のない未知のウィルスであるため、ウィルスの実態調査とワクチンの開発が急がれていたが、当初からウィルスを研究していたレベッカにより、遂に中盤にて真相が語られる。 + 「さすがはラクーンシティの生き残り・・・そこらの大学教授とは違うようだな」 複数のウィルスの作用によって効果を発揮するという、シリーズでもかなり珍しい特徴を持つ。 1.潜伏型ウィルス。あらかじめ感染させておくためのウィルス。アリアスはA-GUA社の表向きの飲料水メーカーという顔を活かし、自社の飲料水に混入させていた。そのため、単純な感染者の数はかなりの数に上るが、このウィルス単体では発症しないように設定されている。しかし、それでも何らかの条件が重なる等して稀にトリガー無しでそのまま発症する事があり、4か月前から頻発していた「死体が突然ゾンビ化する」事件の真相がこれであった。レベッカは、これらの事件が飲料水の源流である五大湖周辺に集中していたことから気づいた。 2.トリガーウィルス。上記の潜伏型ウィルスを活性化させるためのウィルス。作中では緑色のガスとして描写されている。バイオテロを起こしたい区域にこれを流すことで、空気感染で潜伏型ウィルスに感性している対象を一気にゾンビ化させる。そしてゾンビの感染力も極めて高いため、二次被害も含めて犠牲者はかなりの数に上ると予想される。当然ながら、潜伏型ウィルスに感染していなければ効果がないため、劇中でもトリガーウィルスが散布されても平然としている人間が見られた。 3.不活性型ウィルス。上記のウィルスの効果を抑制する。いわばワクチンである。こちらは白いガスとして描写され、これも空気感染する。何よりの特徴は、ゾンビ化した感染者を元の人間に戻す事ができる(←ココ重要!!)という、シリーズでも類を見ない救済策がある事。胃の内容物とかどうなってるんだろうか・・・ノベライズ版によれば、元は死体だったり、体の損壊が激しいゾンビはそのまま死亡するとの事。 これを用意しておけば、バイオテロの際に想定以上の感染拡大を阻止することが出来るため、被害区域の調整まで出来てしまうというある意味反則的な代物。 また、この不活性型ウィルスは敵味方識別装置としての役割も担っており、アリアスらはこれを投与しているためにゾンビに襲われることはない。A-ウィルスの制作に際してロス・イルミナドス教団の協力があったことから、ここにプラーガの遺伝子が利用されたためと思われる。 強化型A-ウィルス。終盤に登場。 これはテロに使用するためのものではなく、既に試作ワクチンを投与したために免疫力が上がっているレベッカをゾンビ化させるためだけにレベッカの血液から作り出した物。A-ウィルスの毒性が強まった結果、空気感染が行えなくなった為、注射による投与が必要となる。アリアスの計算では投与から30分でゾンビ化するとされ、最終決戦時は彼女がゾンビ化するまでのタイムリミットが加わったことで緊張感が増している。 強化型とされてるが、これまでのタイプとどう違うのか効果は分からず終いとなってるが、おそらく強化型C-ウイルスのように不死性が高まると思われる。 ◇試作ワクチン レベッカが大学の研究設備で制作していたワクチン。完成と同時に試薬とそのデータが自動的に保存されている。完成直後にバイオテロが勃発し、レベッカ自身も発症してしまったが、出来上がったワクチンをぶっつけ本番で自分に投与することで難を逃れた。 その後、仲違いするレオンとクリスを仲裁する際に、自分の血液を注射器で抜き、サンプルとして提出。これを元に急ピッチで関係各所でワクチンの精製が行われ、最終決戦に臨むシルバーダガーの面々に投与された。 ただし、これはA-ウィルスの発症を抑える効果しかなく、敵味方識別装置としての機能を持たないため、主人公たちはワクチン投与後も普通にゾンビに襲われる。アリアスにも不完全と称されている。 ◇A-GUA社 アリアスが隠れ蓑にする大手飲料水メーカー。作中冒頭の大学のシーンでも「A-GUA-G」とラベルの貼られたペットボトルが登場しており、レベッカを含めた職員が常飲している描写がある。 ニューヨークに本社の高層ビルがあり、終盤のバイオテロの際はここからトリガーウィルスを満載したA-GUA社のタンクローリーを複数各地に送り込んでいる。 本社社屋は最終決戦の舞台となった。 ◇B.S.A.A. 国連直轄の対バイオテロ組織。クリスとシルバーダガーが所属する。 今回はメインキャラ以外のB.S.A.A.は出てこないが、終盤のニューヨークのテロではSWATととの共同で莫大な感染者への対応に追われていたため、シルバーダガーへのバックアップはハンヴィーとバイクがそれぞれ1台ずつのみだった。 ノベライズ版ではバイクは2台で、それぞれレオンとダミアンが乗っていた。 なお、バイクはイタリアのドゥカティ社が販売している『X ディアベル』で、今作にはタイアップとして登場している。パンフレットによれば、終盤、アリアスへの攻撃として爆破してしまうことに関して辻本監督はヒヤヒヤしていたそうだが、ドゥカティ社はノリノリでOKしてくれたそうな。 ◇DSO レオンが所属する合衆国大統領直属のエージェント組織。 今作にはレオンと死体袋に入った同僚しか出てこないため影が薄い。ノベライズ版では活躍がかなり補完されている。 中盤レオンが語ったところでは、爆破テロ事件の犯人のアジトにSWATとともに突入した際、捜査情報が流出していたためにアジトが爆発し、レオンの同僚が大勢死亡したとの事。映画のプロローグで遺体安置所にレオンが訪れていたのはこの為。 + ノベライズ版では ノベライズ版でのターゲットはアメリカ上院議員スティーブン・エアー。かつて、トールオークスでおきたバイオテロ事件の際に、テロ組織側に情報を流していた男である。 いわば、バイオハザード6のレオン編の後日談である。レオンを含めたDSOエージェント15人とドローン2機でエアーの乗るスポーツカーを追跡していたが、突如として包囲したスポーツカーが爆発し、エアーとDSOの同僚12人が犠牲になってしまい、真相は闇に葬られてしまった。トールオークスのテロは首謀者のディレック・C・シモンズと今回のエアーを含め、多くの政府関係者が関わっていると目されており、真相が明るみに出るのを恐れた何者かがエアーを口封じしたと推測されている。 【舞台】 ◇洋館 メキシコ、ケレタロ州の山奥にある寂れた洋館。アリアスの潜伏先の有力候補としてピックアップされており、拉致されたキャシーを追ってクリスとメキシコ陸軍部隊「GAFE」が突入した。初代バイオハザードに原点回帰したような雰囲気で、序盤のホラースポット。 内部にアリアスが配置したゾンビやトラップの数々によって、突入部隊は壊滅してしまう。製作総指揮の清水崇繋がりか、呪怨の伽椰子っぽい見た目のゾンビや、実写版バイオの人体切断トラップをリスペクトしたようなピアノ線トラップが印象的。 ◇シカゴの大学 レベッカが勤務する大学。一見内装は古めかしいが全自動ワクチン生成装置などの最新の機材が完備されており、非常時には窓が防護扉で隔離されるなど徹底している。 潜入したマリアによって、レベッカ以外の建物内の職員はゾンビ化してしまい、後に突入してきたBSAAによって鎮圧された。なお、ノベライズ版によれば学生は長期休暇で出払っていたため、被害は少なく抑えられたとの事。 レベッカの尽力もあって、今回のウィルスのワクチン開発が最も進んでいた場所でもあり、既に成果をWHOをはじめとした関係各所に報告していたため、アリアスらによってテロの標的として選ばれた。際どいタイミングで試作ワクチンが完成したのは本当に幸運だったといえるかもしれない。 ◇ニューヨーク パトリシオが遺した情報により明らかとなった、アリアスのバイオテロの対象となった舞台。何気にシリーズで初めて実在の都市・地名が舞台となった。 本来の計画では、朝の通勤ラッシュの時間帯を予定していたが、パトリシオの情報がクリスらに渡ったことを察知したアリアスが、B.S.A.A.の介入を見越して予定を早め、日没前に実行されることとなった。 A-GUA社本社から発進したタンクローリー数台をニューヨーク各地に配備し、大量のトリガーウィルスを散布することで大規模なパンデミックを引き起こした。 市内は大混乱に陥り、B.S.A.A.も感染者への対応で手一杯になる程であった。 最終決戦時は日没後に行われ、事件解決後は発見された不活性型ウィルスのボンベを積んだオスプレイで翌日の朝まで空中散布が行われた。 【登場火器】 ◇M4 米軍大好きコルトM4A1の近代化モデル。 クリスを始めとするメキシコ特殊部隊やシルバーダガーのメイン火器。アクセサリーとしてACOGサイト・フォアグリップ・フラッシュライトを装備。 終盤、クリスがアリアスの拠点を襲撃した際はフォアグリップの代わりに銃剣とM203グレネードランチャーを装備した万能火器と化し、前者はゾンビ集団との白兵戦に用いられ、後者はラスボスにとどめを刺す際に用いられた。 『6』に登場したアサルトライフルBC(グレラン装備)とRN(銃剣装備)をミックスしたような重武装なので重量も相当あるはずなのだが、これをクリスは手足の如く軽々と扱う。さすがはゴリラ ◇M93R ベレッタ製の3点バーストタイプのマシンピストル。 クリスのサイドアーム。『コードベロニカ』や『5』にも登場しており、そちらでもクリスも扱えたが、(前者はクレアの初期入手ハンドガンとして、後者はある条件を果たした特典武器としての入手だったため)彼の初期装備としてメインで扱ったのは本作が初だったりする。 ◇センチネルナイン シグザウエルP226をモデルとし、フラッシュハイダーや拡張マガジン等でカスタマイズされたDSOの標準装備となるオリジナルモデル。 レオンのメインアーム。実は『6』の時点で設定は存在してたのだが、大人の諸事情により登場ならずに終えてしまったのだが、本作でようやくデビューすることとなる。 ◇デザートイーグル 50AE弾を用いるIWI製の大口径拳銃にしてマグナムの代表格の1つ。名称としてはバイオハザード的にはライトニングホークが適切か。 レオンのセカンドアームとして登場しており、センチネルナインでは威力不足と判断したからか、ラスボス戦ではこちらに持ち替えた。 やはり反動が凄まじいのか、連射時は百発百中とはいかず、ところどころ外したりもする。『6』の時はあれだけ軽々と使いこなしてたのに・・・ ◇グロック18 みんな大好きグロックシリーズのマシンピストルタイプ。 アリアスのメインアームとして登場。終盤、M93Rに持ち替えたクリスと激しいじゃれ合い銃撃戦を繰り広げ、そこから白兵戦となった際にはクリスと奪い合った末に弾切れとなって御用となった。 ◇MP5K みんな大好きH&K MP5の派生モデル。 劇中ではアリアスの私兵達が装備。 ◇レールガン オリジナルの重火器。スナイパーライフルのような狙撃仕様のようだが、バイオハザード3(RE 3)に登場したレールガンの小型版と思えばいい。 ラスボス戦時にナディアが使用。小型であるにも関わらず威力は凄まじく、なんと高層ビル3軒を貫通・倒壊させるほどの破壊力を持つ。 これに耐えるアリエゴも大概だが、街中でこんな物をブッ放すナディアもナディアでなんで悪役よりも街の被害を甚大化させてるんだと 追記・修正は、復讐の連鎖を止められる方がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ゾンビの群れをガンカタじみた動きで制圧するレオンとクリスのシーンはバイオシリーズの集大成だと思う。 -- 名無しさん (2024-06-29 22 26 25) クリスとおっさんの敵が互いに至近距離で寝転がってゴロゴロしながらシュールな射撃戦やってた記憶がある。 -- 名無しさん (2024-06-29 22 33 02) レベッカの再登場は嬉しかったな。レオンも以前のクリスも終わらない戦いを続けてたら精神摩耗して何かがきっかけで心が折れるだろう。後年のFREEDOMのキラもそうだったし -- 名無しさん (2024-06-29 22 48 25) BOWの完成形作ってるじゃねーかこいつ -- 名無しさん (2024-06-29 23 41 44) レベッカを死なせる案も作ったが開発者さんに没られたとどこかで聞いたと思う -- 名無しさん (2024-06-30 00 58 25) ゾンビから戻れるのはご都合感あるけどウイルス兵器として考えれば正しいのかな -- 名無しさん (2024-06-30 01 38 47) アンブレラは見習うべきだった -- 名無しさん (2024-06-30 01 40 53) 偶然だが、今回のAウイルスで遺伝子の塩基構成の四文字が揃ったんだな。一体これが何かの伏線になるのか… -- 名無しさん (2024-06-30 02 17 57) ワクチンかけたら人間に戻るのはちょっと...てかTウィルスって脳みそを壊死させるからワクチンかけても植物状態になるだけな気が -- 名無しさん (2024-06-30 18 40 12) ゾンビウィルスのワクチンで人に戻った人々を描いたCUREDって映画があるけど、Aウィルスに感染して回復した人らもその映画の人たちみたいな扱い受けてそう、そしてそれが怒りとなって暴発して事件がってので一本作品やれそう、まぁジャンル変わるからやらないかな -- 名無しさん (2024-06-30 19 07 21) ↑5 実はドラマCDの「マコバヴィレッジの惨劇」でも(一時的ではあるが)人間に戻るゾンビが出てたみたい -- 名無しさん (2024-07-01 09 56 03) 前作のダムネーションがバイオの番外編としては傑作だっただけにちょっとエンタメに寄りすぎ感はある。クソデカケルベロスとのカーチェイスパートでデビルメイクライみたいなアクションしてるレオンさんで笑っちゃったわ。 -- 名無しさん (2024-07-01 16 45 57) 6といい一般人もゾンビ世界との日常が隣り合わせすぎて中々にカオスなバイオ界。ワクチン散布でみんな元に戻って一件落着みたいな流れでエンディング入ったけど、ゾンビ化して身内を襲った人々の心境考えると・・・ -- 名無しさん (2024-07-01 17 03 40) バイオテロやの被害者の救済を目的としたテラセイブでも、一時的にゾンビ化した人達の心のケアは不可能なのでは… -- 名無しさん (2024-07-01 18 15 23) バイオ4が村人メイクライなら、こっちがゾンビメイクライだな -- 名無しさん (2024-07-01 21 26 47) 名前 コメント
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登録日:2015/02/16 Mon 10 19 38 その更新日:2024/06/29 Sat 21 50 30NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 2012年 カオス キャットファイト タイラント ダムネーション バイオハザード フルCG プラーガ リッカー 学生運動 映画 東スラブ共和国 格差社会 漁夫の利 『バイオハザード ダムネーション』(Resident Evil Damnation)は、カプコンの人気サバイバルホラーゲーム『バイオハザードシリーズ』を原案とした全編フルCGの映画第2弾。 本作は「バイオハザード ディジェネレーション」の直接の続編、時系列的には「バイオハザード5」と「バイオハザード6」の間(リベレーションズ2と同時系列)であり、6に繋がる重要なストーリーでもある。 前作はその圧巻な映像美とゲームを全編ムービー化した印象で楽しめる無難な方向だったが、本作は旧ソ連圏国家に纏わる貧富の格差や政治問題などに利用されるバイオテロを題材としており、現実問題にバイオ世界が入り交じり、なかなか考えさせられるストーリーが特徴である。 勿論、レオンがクリーチャーと戦うアクションや緊迫感もあり、バイオハザードらしさも薄れてない。 5年後にはクリス・レッドフィールドが主役となる続編の『バイオハザード ヴェンデッタ』が公開された。 【ストーリー】 1990年に崩壊したソビエト連邦から独立した主権国家である東スラブ共和国にて、政府に反旗を翻した反政府勢力が「独立派」と名乗りゲリラ戦を開始。同国は今や内戦の地と化していた。 やがて日増しに過激化した独立派は国際法で使用が禁じられている生物兵器であるB.O.W.を実戦投入。 B.O.W.による被害を恐れた米国は大統領直属エージェントであるレオン・S・ケネディに現地へと単独潜入させる。 しかし、レオンが現地に到着した直後、政府事情により米国は東スラブからの撤退を決定。 レオンにも退去命令が出るが、B.O.W.の手がかりを追う彼は命令を無視して戦場へ身を投じるのであった…… 【登場人物】 レオン・S・ケネディ 米国大統領直属のエージェント。前作に引き続き主人公。 休暇中に呼び出される形で東スラブへと向かわされた挙句に現場へと到着した途端にいきなり撤退を命じられるが、東スラブの反政府勢力が使用したと思われるB.O.W.を野放しにするわけにはいかず、命令を無視して少しの間だけアメリカ人を辞めて単独で潜入する。 昨今にしては珍しく、6同様に真面目な面が強調されており、プラーガを利用しようとした人間に対してプラーガは人の尊厳や大義も全て打ち壊してしまうとして手放すように諭したりする等、オリジナル版バイオハザード2で1人で先走って無茶をするエイダを叱責した頃を彷彿とさせる。 エイダ・ウォン レオンと因縁を持つ女スパイ。 スーツ(ミニスカ)に身を包んでるが、相変わらずフックショットを使ったトリッキーさは健在で、とあるキャラとのアクロバティックな肉弾戦も必見。 本作では国連の対バイオテロ組織「BSAA」から派遣された特別調査官と偽って、東スラブ共和国に潜入するが…… アレクサンドル(サーシャ)・コザチェンコ CV:勇者王 反政府勢力の主要メンバー。仲間からは「相棒(バディ)」と呼ばれている。 詳細は項目参照。 JD 反政府勢力のメンバーの一人であり、バディの幼馴染。本名は不明。 アメリカを嫌っているが、映画や音楽、ファーストフードの影響ですっかりアメリカかぶれになっている。 後半でガナードにプラーガを寄生されてケファロというよりイソギンチャクのようなガナードと化してしまい、 最期はレオンに「お前にアメリカを見せてやりたかった」とやむなく射殺されて生涯を終えた。 小心者ではあるものの、よそ者であるレオンをアメリカ人でありながらも信頼できると判断すれば解放する等、物分かりは良い方である。 また、死に際にバディに「(国の)独立なんてどうでもよく、みんなで一緒に仲良く過ごしたかった。」と打ち明けており、バディもJDの死に酷く落ち込んでたことからもいかに大切な親友であったことが窺える。 ドワーフのメカニックではない。 イワン・ジュダノビッチ 反政府勢力を支援している長老議会の指導者。 メンバーからは「長老(アタマン)」と呼ばれている。 自身に支配種プラーガを寄生させることで、あらかじめ従属種プラーガを植え付けたリッカーを操ることができる。 大統領府を襲撃する作戦を画策するが、老齢であるのに加え投与したプラーガの影響で序盤から体力が弱っており、登場してすぐに死亡フラグを立ててしまう。 最期はバディに自身を射殺させる形で死亡した。 スベトラーナ・ベリコバ 東スラブ共和国の大統領。 旧ソビエトの崩壊に伴い様々なビジネスに手を染め、大富豪(オリガルヒ)となる。 その後、莫大な資金力で政界に進出して、現在は女性初の大統領にまで上り詰めた。 しかし、裏では反政府勢力にプラーガを流出させており、国内の内戦を意図的に悪化させていた。 実質今作の黒幕。詳細は項目参照。 【主なクリーチャー】 ◆ガナード プラーガに寄生された人間。 4にも同名の敵が登場したが、プラーガが寄生する際に口から体内に入るという方法をとっている為、4のガナードよりもむしろ5のマジニに近い。 本作では下記のことから武器を一切扱わず、言葉も発しない。つまり空耳のオンパレードはカットされた。 ◆プラーガ 寄生した生物を乗っ取り、操ることが出来る寄生生物。 従属種と支配種が両方登場しているが、本作ではロス・イルミナドス教団でさえ今まで不可能とされた支配種の培養に成功している。 前述のとおり、スベトラーナ・ベリコバが流出させた。 今回登場するガナードは、集団行動こそとれるものの、言語能力は低下しその動きはゾンビと大差なく、4や5の時のようなキレのある動きは出来ていない。また、赤く充血した目や青白く変色した肌といったように見た目の変化も著しい。 支配種に関しても一応自我を保てるものの、一定時間が経つと発作に襲われて肉体が不安定となり、最終的には従属種と同じように知能を失ってしまう。 作中にも「出来損ないのプラーガ」というセリフがあるため、今回流出したプラーガは粗悪品である可能性がある。 ◆リッカー T-ウイルスに感染した人間がゾンビ化を経て変異したクリーチャー。 本来は制御出来ないため、兵器としての利用は困難なのだが、今回は相変わらず視力は退化してるものの、プラーガを寄生させることによって制御と集団行動を可能にした。 更には身体能力や知能も僅かながら上昇し、下記のタイラントとの戦闘では攻撃役・拘束役・囮役とそれぞれ分かれ、絶大なコンピレーションを見せつけてくれる。 また、対人戦でもなかなかの脅威さを誇り、大統領府の部隊を壊滅させたうえに地下施設でも特殊部隊(近衛兵?)を相手に囮役の1体以外の損害を出すことなくこれも壊滅させてる。 ◆タイラント T-ウイルスで作られた生物兵器の最高傑作。 命令を理解し、遂行する知能の高さと、並の銃器では殺すどころか止めることすら困難な強靭な肉体を持っているなど、至れり尽くせり。 また、一定以上のダメージを受けるとリミッターが解除され、スーパー化して暴走状態となる。 今回登場した個体はT-103型と酷似してるが、ラクーンシティやシーナ島に現れた個体よりも明らかにでかく、5メートルはある。 知能も更に高くなっているらしく、あのタイラントキラーで名高いシリーズ最強武器・ロケットランチャーから放たれた砲弾を掴んで投げ返すという荒業を披露した。 しかもそれが3体(5体?)出現した。なんという無理ゲー。 クライマックスでは、サーシャ率いるリッカーの集団と、T-ウイルスクリーチャー同士による死闘を繰り広げた。 なお、前作のディジェネレーションと同様、映像特典のギャグ映像が収録されている。 追記・修正は、上からの撤退命令を無視して東スラブ共和国に潜入してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] リッカーに可愛さを見出してしまう映画。そして戦車最強や!ロケランなんかいらんかったんや! -- 名無しさん (2015-02-16 11 16 57) 近作のタイラントは歴代最強。詳細資料が少なすぎる。ついでにでかい。 -- 名無しさん (2015-02-16 14 24 18) 某上院議員といい、今作の大統領といい、戦う政治家ってのはどうしてカッコよく見えるんだろう。 -- 名無しさん (2015-02-16 18 07 20) これ大統領が壮大なブーメラン受けてるんだよな。自分も結局大国に利用されてテロを大義名分の正義の武力介入されて資源の権益を米露にとられましたというまさに井の中の蛙だったわ。 -- 名無しさん (2015-02-16 19 26 04) スベさん強すぎ レオンとエイダ圧倒するとか……… -- 名無しさん (2015-02-16 20 37 35) ↑5あと少しでタイラントにひっくり返されそうになってたやん -- 名無しさん (2015-02-16 21 05 45) プラーガとB.O.Wの合わせ技がいいアイデアだったな、というかサーシャはやろうと思えばプラーガの力を開放できたんだろうか -- 名無しさん (2015-02-17 00 27 48) これ見た第一感想は大国汚い。 -- 名無しさん (2015-02-18 18 01 27) ↑2廉価版追跡者ってところか -- 名無しさん (2015-02-18 22 40 07) A-10兄貴〉タイラント -- 名無しさん (2015-02-20 15 25 53) この作品で一番問題なのは大国に翻弄される小国の立場や弾圧される人々よりも、人間に「制御」されたB.O.W達が殺しあう所だと思う。今後のバイオ世界の戦争のモデルケースの一例が示されている -- 名無しさん (2015-12-06 19 38 05) ↑下手したら汚いポケモンバトルになったりして(笑) -- 名無しさん (2015-12-06 19 45 39) ↑2 B.O.Wファイト国際条約第1条! 頭部を破壊されたものは失格となる! -- 名無しさん (2016-06-22 09 26 14) というか今まで知能の低さから運用されなかったBOWがプラーガのおかげで制御できるようになったのがすごい。 -- 名無しさん (2017-03-13 09 22 19) プラーガって、そういう意味では利用価値の高い代物だね。これさえあれば、知性はある程度妥協しても構わない訳だし。 -- 名無しさん (2017-07-26 22 31 02) プラーガとネメシスさんの素材になった寄生生物を一緒の体に入れたらどうなるのか知りたい -- 名無しさん (2018-09-23 15 46 40) 特に作中でも資料でも指摘されないが、リッカーに含まれてるT-ウィルスの影響をプラーガは受けてないんだよね。そうすると抵抗力、支配力という点ではプラーガ>T-ウィルスということになる。 -- 名無しさん (2018-09-23 16 03 31) プラーガは自身の肉体はそのままに、宿主の神経に作用して宿主を変異させるから -- 名無しさん (2019-01-03 03 54 41) 体表部分さえカバーできればウイルスを体内に入れず、感染を免れるんじゃないかな -- 名無しさん (2019-01-03 03 55 28) タイラントがひたすら超強敵として描写されてたが、その後航空兵器に瞬殺されるシーンで世の無常を感じたよ。戦車相手もちょっと有利くらいの感じだったし、BOWはあくまで閉所用の拠点兵器なんだなって。 -- 名無しさん (2021-08-21 13 24 07) 対戦車兵器を使わないとまともに倒せない歩兵サイズの敵、不正規戦レベルの戦場なら地獄から来た死神でしかないが、戦場レベルで見ると「孤立した戦車1両」程度の危険性だからな… -- 名無しさん (2022-01-25 15 27 22) スーパー化しても知能低下してなさそうな戦いっぷり、手も爪だけになっていないからロケラン掴みなんて芸当も可能で、おまけにスーパー化してもなお心臓の露出がない弱点克服仕様で・・・擬態効果だけ切り捨てたにしては改良され過ぎでは… -- 名無しさん (2022-08-13 21 10 55) レオンや米露の介入が無かったら将来的に東スラブが第二第三のロス・イルミナドスになってたのかも -- 名無しさん (2023-03-15 13 31 09) 名前 コメント
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バイオハザード2 概要 プロローグ 特徴及び評価点 賛否両論点 問題点 総評 オリジナル版以外のバージョンについて 余談 その後の展開 バイオハザード2 デュアルショックバージョン 概要(デュアルショック) 変更点・追加要素 評価点(デュアルショック) 問題点(デュアルショック) 総評(デュアルショック) バイオハザード2 【ばいおはざーど つー】 ジャンル サバイバルホラー 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 プレイステーションWindows 95/98Windows 2000/XPドリームキャストニンテンドウ64 メディア 【PS】CD-ROM 2枚【Win 95/98】CD-ROM 2枚【Win 2000/XP】DVD-ROM 1枚【DC】GD-ROM 3枚【N64】512MbitROMカートリッジ 発売・開発元 カプコン 発売日 【PS】1998年1月21日【Win 95/98】1999年2月19日【Win 2000/XP】2006年2月17日【DC】1999年12月22日【N64】2000年1月28日 定価 【PS】7,140円【Win 95/98】6,090円【Win 2000/XP】1,980円【DC】5,040円【N64】8,190円 配信 ゲームアーカイブス2007年12月26日/600円 判定 良作 バイオハザードシリーズ 概要 『バイオハザード』シリーズのセカンドタイトル。基本的なゲームシステムは前作を踏襲しつつ、多数の敵に襲われるという「数の恐怖」を追求する方向にシフト。 2人の主人公によるザッピングシステムや、クリア後のエクストラゲームなど、続編らしい新要素も多数追加されている。 プロローグ アメリカ中西部、広大な森林地帯に囲まれた小さな街「ラクーンシティー」。大手一社の薬品産業に支えられ、普段はほとんど人の訪れることのない、静かなこの街が奇妙な猟奇事件で取り沙汰されて2ヶ月…街は今、新たな惨劇の舞台へと変わろうとしていた。ラクーンシティーに向けて夕日に染まったハイウェイを走る一台の車があった。レオン・S・ケネディー。 ラクーン市警に新しく配属が決まった新米警官だ。配属初日を派手な遅刻で飾ることになりそうだが、市警察からは何の音沙汰も無い。というより、何度となく交信を試みているのだが、まったくつながらないのだ。「まあいい」レオンは呑気に構え、愛車を走らせる。同じ頃、クレア・レッドフィールドは、音信の途絶えた兄の消息を追っていた。ラクーン市警に身を置く兄からの連絡がなくなって2ヶ月…。兄の身に何が起こったのか? 未だ解明されないあの猟奇事件と何か関係があるのか?異様な胸騒ぎを感じながら彼女はラクーンシティーを目指してバイクを飛ばす。圧倒的な恐怖と絶望の支配する世界が待つことを二人はまだ知らない…。(取扱説明書より) 特徴及び評価点 ザッピングシステム 本作には「表シナリオ」と「裏シナリオ」が存在し、「レオン表」「レオン裏」「クレア表」「クレア裏」の4種類のシナリオが用意されている。 カプコンが発売前から売りにしていた新要素であり、この手のゲームとしては破格のボリュームを誇る。 「レオン表」と「クレア裏」で1つ、「クレア表」と「レオン裏」で1つの、2つのストーリーが存在する。 最初は表シナリオしか選べず、クリアすると対応する裏シナリオがプレイ可能となる。「レオン(クレア)が行動していたとき、クレア(レオン)は何をしていたのか」という視点を味わえる。 これは本作の基本的なストーリーである「表」と、それに対応した「裏」が存在するためであり、レオンが「表」を進行するとクレアはその「裏」を体験することになる。逆も然り。 すなわち両者はレオンとクレアのどちらが「表」「裏」のどちらを体験したかで分岐するパラレルワールドとなっている。公式ガイドブックの開発スタッフのインタビューによると、正史ストーリーは定めていないとのこと。 ただし、シナリオ設定上以降のシリーズでは基本的にクレア表、レオン裏が基準になったシナリオが組まれている(*1)。 表シナリオと裏シナリオではストーリーの他にも、登場する敵の種類やアイテムの配置などが大幅に異なるため、新鮮な気持ちで楽しめる。勿論、同じ「表」「裏」でもレオンとクレアとで細かなストーリーも異なるため、紛れもなく4種類のシナリオが用意されている事になる。 表シナリオにて一旦エンディングを迎え、仕切り直しと言う形になる事でボリュームが増しながらも中弛みせずにプレイできる点も評価できる。 何より裏シナリオのクライマックスでは表シナリオのエンディングの続きが描かれ、ラスボスとの本当の決着や主人公達の脱出の様子など、物語の真の結末を見届ける事になる。ここまで到達して初めて本作はエンディングを迎えたと言えるだろう。 表シナリオで取った行動が対応する裏シナリオに影響を及ぼすことがあり、これらをザッピングと呼ぶ。これにより裏シナリオへの影響を考慮した戦略が必要となる。 ザッピングポイントの例としては、表シナリオで武器庫のアイテムを回収してしまうと裏シナリオではそのアイテムが無かったり、表シナリオでゲスト登録をしておかないと裏シナリオでゲスト登録をしても入れない部屋があったりする。 主人公能力の平均化 前作では主人公によって体力などの性能が異なっていたが、本作では差異が全く無く、専用武器・アイテムやストーリーなどで差別化されている。 これにより、初心者でも自分の好みで主人公を選択でき、ストーリー展開の違いが際立つようになった。 難易度の低化 前作と比べて難易度が抑えられてプレイしやすくなった。 本作の敵は出現数こそ増加しているものの、個々の敵の弱体化が図られ、特に攻撃面で下方修正がなされた。 前作のハンターのように、まだ残り体力が多いのにもかかわらず即死するような攻撃を繰り出す凶悪な敵は、ボスを除けば皆無。本作にも似たものとしてリッカーのジャンプひっかき攻撃があるが、主人公の体力が少ないほどダメージが下がるように調整されているほか、繰り出すまでの隙が大きく、ハンターほどの脅威は無い。 ゾンビの噛みつきに関しても簡単に振りほどけるようになったうえ、一度振りほどくと周りを巻き込んで倒れるので追い打ちを喰らいにくく、振り切りやすくなった。また、前作よりも攻撃範囲が狭くなり、捕まりにくくなった。 ただ、前作は敵の対処法さえわかれば難易度が大幅に低下する部分もあり、一概に易しくなったとは言えない。もっともこれは前作が極端すぎたのであり、ゲームバランスの面では今作のほうが優れていると言える。 低難易度版であるイージーモードが標準搭載された(*2)。敵の体力が低く、大量に弾薬を所持した状態でゲームが始まるため、序盤の難関である市街地を切り抜けやすくなっている。 敵の増加 技術的な面の改善により同時に多数の敵を表示できるようになったため、前作とは異なり多くの敵に襲われるシチュエーションが増えた。 前作では控えめだったショットガンの威力が上がり、敵の同時出現数が増えたため多数の敵をなぎ倒す爽快感も生まれた。 ただし、ショットガンでゾンビを撃った場合、下半身のみ吹っ飛び上半身が這いずり襲ってくるというデメリットも追加された。(*3)この仕様は『3』『CODE Veronica』にも引き継がれている。 演出およびシナリオの強化 体力によって主人公の移動モーションが変化し、腹部を抑えたり足を引きずったりする。移動速度も低下し、瀕死状態では通常時の50%にまで落ちる。 ステータス画面を開かなくてもHPの減り具合が解るようになり、同時にライフの減少による危機感や緊張感を味わえるようになった。 敵の登場やビックリ系演出が凝っており、多くのプレイヤーに恐怖を与えることに成功している。 ゲーム開始から複数で襲ってくるゾンビの集団、木の板で打ち付けられた窓を破って襲うゾンビの腕、目の前でゾンビ化する警官、Gの各形態の登場シーン、タイラントの壁破り、天井から落ちてくるリッカーなど。 前作では表現力の問題からCGムービーは一部モンスターの描写などの限定的な部分でしか使われなかった(オープニングやエンディングは実写映像)が、本作では表現力が向上し全編CGで表現されている。 当時のゲームのCG映像としては非常に高いクオリティで、OPやバイオハザード発生の真実など重要シーンが映画のような臨場感あふれる演出で映像化されている。 通常のゲーム画面の映像も質が向上。前作では3種類しかいなかったゾンビが、女性型をはじめとして種類が多様化し、市街地などの背景も非常に描きこまれている。 前述通りザッピングで大ボリュームを誇るシナリオは、後述する問題点もあるが前作以上に気合の入ったストーリー展開がされている。 ゴシックホラー・低予算映画風だった前作に対し、本作はいうなればハリウッドの大作映画風のシチュエーションや演出が展開。エイダを庇い負傷するレオンやクレア表におけるシェリーの危機、ある登場人物の最期など、ドラマチックな展開が強く表現されている。 本作では脚本家として『スケバン刑事』やスーパー戦隊、メタルヒーローシリーズなどで知られる杉村升氏を起用。狂気に駆られる科学者の有様や家族の愛情に葛藤する人物模様など、氏の作風が色濃く出ている。 人物は生き生きと個性的に描かれ、キャラクター人気は非常に高い。 新人警察官としての正義感に溢れるレオンに女子大生ながら兄譲りの正義感で困難に立ち向かうクレアと、主人公は二人とも魅力的。 パートナーも前作で名前だけ登場した謎の美女エイダ・ウォンと、両親がアンブレラの科学者であるために孤独な暮らしを強いられてきた少女シェリー・バーキンという、個性的な人物像で描かれている。 表編序盤で主人公を助けるもあっさり死んでしまうガンショップの店主ケンドや、本来はレオンの先輩となるはずだった警察官マービン、対外的に優秀な警察署長に見せかけて実は凶悪な本性を秘めたブライアン・アイアンズ、シェリーの母にして作中最大の敵「G」(ウィリアム)の妻である狂気の科学者アネットなど、敵役やサブキャラクターも強烈な印象を残している。特にケンドとマービンは本作での出番の少なさに反して、後のシリーズで本作と同じ時期を扱う際に意外な掘り下げも行われている。 エクストラゲームの追加 特定の条件を満たす事により、2種類の隠しシナリオをプレイできる。 「The 4th Survivor」は、Gウィルス奪取のためにアンブレラに雇われた傭兵の一人「ハンク」を操作してゴールを目指す。 ハンクが「4人目の生存者」であることは公式設定であり、後の作品でもゲストキャラクターとして操作できたり、作中の文書に登場したりする。 マスクを着けており、クリア後のランク画面でも素顔は見えない。(*4) 「The 豆腐 Survivor」は、豆腐を操作してゴールを目指す。冗談や比喩ではなく、本当に豆腐(*5)。 「4th(フォース)」と「とーふ」を掛けたダジャレが由来。シリーズを通しても珍しいお笑いシナリオだが、その分出現させるのは少々面倒。 ルートや敵の配置はハンクと同様だが、武器がナイフのみでライフは高く設定された代わりに回復アイテムも僅かのため難易度は非常に高い。 移動中の効果音、ダメージボイス、絶命時の声などが非常に特徴的。ライフの減少に応じて体色は赤くなってゆく。 凶暴な敵が跋扈する警察署内を関西弁で喋る豆腐が駆け抜ける姿は、非常にシュール。クリア後のランク画面も必見。 ちなみに、独特な関西弁のボイスは開発スタッフによるもの。「ほな、さいなら~(*6)」 後の作品で「トーフサバイバー」としてまさかの復活。そちらでは敵としての登場で、ゾンビ全てがリアルな豆腐に変化。火の中から焼き豆腐となって登場したりと、やけに演出が凝っている。 多彩な隠し要素 前述のエクストラゲーム以外にも、多くの隠し要素や小ネタが存在する。 シリーズ定番の隠し武器は3種類。その内の1つはシリーズでは珍しいガトリングガンである。 隠しコスチュームも健在。それを手に入れる経緯や場所は前作や『3』のストーリーとも結びつけられている。 警察署内に前作の登場人物達が使用していた部屋があるのだが、ある人物の机を50回調べると隠し写真が手に入る。その人物の意外な好み?が分かる。 この写真のネタはその場限りかと思いきや、後のシリーズにて拾われるというまさかの再登場を果たした。 主人公を画面側に向けて発砲させると、まれに画面に穴が開く演出がされることがある。 爆発系武器などでは見られないほか、固定カメラ視点の位置関係の問題もあるため、狙って見ることは意外と難しい(攻撃範囲の広いショットガンなら幾分発生させやすい)。見ることができたらラッキー? 賛否両論点 ホラー性の減少 ハリウッドホラー映画に見られるビックリ系の演出にやや偏っており、前作にあった雰囲気重視の恐怖感が感じられる場面は少ない。 前作の舞台が気味の悪い館だったのに対し、今作では武器や生存者が存在しそうな警察署であるためそれなりに安心感がある。 ただ、『1』とは舞台そのものが異なる上に同様の演出に執着してしまうと「進歩がない」とも受け取られるので、こういった変更は妥当だったとも言える。 スタッフのインタビューによると警察署をゾンビだらけにすることで誰にも頼れず、救援は来ない状況であるという絶望感を演出する意図があったと語っている。 ホラー演出に関しても、怖いというよりやたらと音の大きいBGMやSEで驚かしているに過ぎない点もある。 ゾンビの数が大幅に増加したことを、数の恐怖というよりも、恐怖の安売りと受け止めたユーザーも少なくない。 ただ、ホラー作品はジャンル問わず、大概慣れとの戦いになるものであり、特に本シリーズに限ったことではないだろう。方向性はともかく、演出の質自体はハード性能に伴ってこの後も向上してゆく。 実際、完全に開き直って(?)アクションに重きを置いた(*7)作品が『4』であり、それまでの殻を破った名作として評価されている。 また、ハードの進化やクリーチャーの設定で恐怖を演出する描写は『バイオハザード リベレーションズ』等に受け継がれている。 キャラクターの格差 前作ほどではないがやはりキャラクター間の格差はある。 レオンはショットガン、マグナムともに使いやすく、主要武器をカスタムによって強化できるので戦闘面でも有利。(*8)パートナーのエイダもある程度の戦闘力がありシナリオも比較的簡単。 一方、クレアはボウガンが使いづらく、必然的にハンドガンとグレネードランチャーを駆使して戦う必要がある。 そのハンドガンとグレネードランチャーにしても、ハンドガンはレオンより装弾数が少なく、グレネードランチャーは射程が短く弾速が遅いという欠点を抱えている。 シェリーは庇護対象ということもあって戦闘力は皆無。走るスピードも遅く、引き離してしまうと座り込んでしまうので移動スピードの調整も必要。表シナリオでは、ワクチン作りのイベントで回り道を強いられるのでやや難易度が高くなる。 その一方、シェリーはどんなにダメージを負っても全くモーションが変化しない。Dangerだろうがピンピンしている。ゲーム的な障害を避けるためであろうが不自然さは否めない。 そもそもシェリーはゾンビからの噛みつきを受けず吐瀉物による攻撃しか喰らわない、ゲーム的にもストーリー的にも殺傷能力の高い敵とはそもそも遭遇しないなど、子供故に他の大人キャラとは差別化されている。…と思いきや、最初のシェリー操作パートではゾンビ犬の中を突っ切る事になり、12歳の普通の少女がゾンビ犬に噛まれてドバドバ血を吹き出し、重傷を負おうが平然と走るという異様な光景を見る事になる。配慮しているのかしていないのか判断に困る扱いである。G-ウイルスを植え付けられる前から再生力を持っていたのか。 後年の『DC』では「ゾンビに掴まれたら早く助けないとそのまま噛み殺される」、『RE 2』では「操作パートではクリーチャーではなく人間から追われる」などと不自然さが出ないように作られている(*9)。 ハードな難易度設定 あくまで「前作よりは簡単」というだけで、単体でみた場合の難易度はかなり高い。 前述の通り、敵は概ね弱体化しているものの、全体の出現数や同時出現数はかなり増加。また、中ボスに相当する新たな強敵も追加されている。にもかかわらず弾薬数はほとんど増えていないため、弾数管理はよりシビアに。 前作の敵は今作より強かったものの、強力な武器で一撃撃破していけば安全に攻略できた。が、出現数が増えた今作ではそんなことをすれば当然弾薬が足りなくなるため、どの武器を使うか考えながら攻略しなければならない。 さらに敵の種類も増え、まだ武器が揃わない序盤から中級のザコ敵が登場したりするため、武器の選択に関してはより難しくなっている。 回復アイテムに至っては、前作よりも手に入りにくくなっている。特に序盤が苦しい。 つまり「倒す必要のない敵は放置する」ということを前作以上に意識しなければならなくなっているが、初心者にはラジコン操作という壁が立ち塞がる。 しかしながら、前作ではゲーム開始時にある程度操作を練習する余裕があったが、今作ではいきなり複数のゾンビに囲まれた状況からスタートする。操作確認もままならないままゾンビの餌食となったプレイヤーは数知れない。 序盤のシビアさを乗り越えられるようになると、中盤以降はむしろ余剰弾薬が出てくるほどゆとりが生まれるようになる。 ツッコミどころが多いシナリオや設定 今作の設定だけを考慮してもラクーンシティは本編開始の数日前から既に壊滅的状況に陥っており、当然外部にも(ゾンビやクリーチャー云々は別にしても)何らかの形で情報や立ち入りに関する警告は伝わっていたと考えるのが自然なはずである。 にも拘らず、どちらの主人公もその事を全く知らないままラクーンシティに到着、ゾンビに襲撃されていた。 レオンに関しては公式設定(*10)上、ラクーンシティについて調べられる状態ではなかったと解釈できなくもないが、クレアに関してはムービーを見る限りラクーンシティの惨状を全く知らないまま兄を探しに来ていた。 そして後の『アウトブレイク』では軍によって市全域が厳重に封鎖される様子がしっかり描写されている。 リメイク版である『バイオハザード RE 2』では設定が変更され(*11)、違和感が軽減されている。 今作も銃火器が多数登場するが、前作は二人とも特殊部隊の隊員という位置づけだったために重火器に慣れていても不思議でなかったところで、今作の主人公である二人も普通に銃器を扱えてしまうのは違和感がある。 レオンは警察官ではあるが、ゲーム開始時点が着任日の新人警官である。にも拘わらずショットガンやマグナムや火炎放射器などを難なく扱えるほどの技量がある。 一応、ショットガンを撃つときに腰だめの姿勢で撃ってしまうので反動が大きいなど前作のクリス達ほど扱いが上手くないような描写はされているが、初期装備がマニアックな拳銃だったり銃器のパーツを容易に組み替えられてしまうなどガンマニア的な設定を匂わせたりもするので、どっちつかずな印象がある。 ちなみに公式ガイドブックではその銃器の扱いの慣れっぷりと、初日から重役出勤というレベルじゃない大遅刻にも拘わらず妙に落ち着いていることから「実戦慣れしている」「ミドルネームのSはSWATのSだ(*12)」などとジョークが飛ばされていた。 クレアは「女子大生」という戦闘とは無縁の一般人である。にもかかわらず、ハンドガンはともかくグレネードランチャーの様な重火器まで普通に使いこなしている。 一応、攻略本等では「クリスが手ほどきした」と推測されているが、いくら元軍人の特殊部隊所属とは言え「法律上、一般人には扱えないはずの火器の使い方を教えていいのか?と言うかそもそも教えられるのか(*13)?」「一般人に無縁の兵器関連の使用方法を教えるのは守秘義務違反じゃないのか?」というツッコミどころが出てくる。 そもそもグレネードランチャーやデザートイーグルなどの警察官が使用しないタイプの銃器が警察署に保管されているか?という点についても公式攻略本が考察という形でフォローしているが、どうみても無理がある(*14)。 ちなみに公式ビジュアルなどでは『1』のクリス同様に 堂々と肩にコンバットナイフを装備するという卓越したファッションセンス で、これも攻略本ではクリスの影響とされている。 普段着なのか、アレは クレアの服装自体も軽装ながらこう言った危険地帯での活動を予期したような格好であり、ちょっと兄の勤務先を訪ねるにしては妙に備えが利いている(*15)。警官のレオンと並んでもあまり違和感が無いほどで、女子大生の普段着としてもライダーススーツとしてもかなり異質。そのためか、後の『DC』ではカジュアル寄りにアレンジされ、『RE 2』に至っては全く違う服装になっている。 また、キーピック技術をどうやって身に着けたのか(*16)も不明。しかもゲーム上のグラフィックではリメイク版『1』で登場するような本格的なものではなく、 どう見てもただの曲げた安全ピンと針金 である。 「ゲームの設定」といえばそれまでだが、「フィクション」とはいえ現代世界を舞台にした話である分、リアリティの観点から言えば地味に目立つ点だろう。 前置きも入手イベントもないのにクレアに通信機を渡すレオン、ザッピングの関係で何度も火事になる屋上など細かいツッコミどころも多い。 同じラクーンシティを題材にした作品で、民間人が主人公なのに銃火器をぶっ放せる『OUTBREAK』を見る限り、早い段階から設定やシナリオの統合性よりもゲームとしての面白さやユーザーフレンドリーを重視する方向でゲームデザインを突き詰めていく事にしていた、と考えられなくもないが…。 絶体絶命の極限状態にもかかわらず、キャラクターがやたらと単独行動をしたがるのもネタにされやすい。民間人のクレアを一人にする警察官レオンや、化け物だらけの警察署を「一人でも平気」と駆け抜ける少女シェリー(*17)などはよく突っ込まれる。 公式ガイドブックにおいても 上述したようなツッコミどころをネタにするような記述が散見される (後述)ため、細かい整合性をすっ飛ばして楽しむのはある程度公式の意図している内容とも捉えられる。 問題点 ザッピングシステムの甘さ 一方が他方のシナリオに絡むことが少なく、途中で再会しても少々会話するだけ。『バイオハザード0』のように「協力して脱出を目指す」というコンセプトで作られた作品ではないためとも言えるが、それにしても若干不自然。 表シナリオと裏シナリオで、ストーリーに細かな矛盾が散在している。 両方のキャラでまったく同じ仕掛けを解かなければならないという場面も多々ある。 アイテムのザッピングポイントが非常に少なく、その場所以外では片方が入手したはずの弾薬をもう一方が同じ場所で入手できるため、違和感がある。ザッピングする部分は殆ど寄り道イベントに近く、攻略にほとんど影響しない点も残念。 尤も、アイテム面のザッピングポイントが多すぎると初心者は表編で拾いすぎて余らせた挙句、裏編では苦戦したり最悪詰んでしまうことも考えられ、ザッピングイベントを増やしすぎると違うイベントを見るために何度もプレイする必要が出てくると言った問題もあるので調整されたとも言える。 終盤の舞台である研究所では、表と裏の両方で条件を満たしてようやく入ることのできる部屋があるのだが、そこで入手できるのは終盤では微妙な武器であるサブマシンガン(入手済の場合はその弾)のみ。 他には、何故か転がる兵士の死体(場所的にムービーのそれとは恐らく関係ない)や内部から破られた大きなカプセル(中身は行方不明)等やたらと意味深だが特に掘り下げはない。 わざわざ専用BGMまで用意された事実上本編内最後の要素が勿体ぶった割には…。 飛ばせないイベントシーン 各シーンでのイベントはCGムービーと本編準拠のポリゴンキャラの演技によるリアルタイムムービーに分かれるが、後者は全てスキップ不可。 また会話は全てフルボイスなので、たいてい数分の間が発生し、何度もプレイしているとイベントでテンポを削がれ易い。 これは前作にもあったが、時間制限カウントの表示がやや不親切でムービー中もカウントが進む(*18)。 隠し要素解禁を目指してプレイ時間とセーブ回数を節約したい場合、ムービー中に小休止をするという手はある。 一応、GC版のみイベントスキップ機能が追加されている。 隠し条件の出現条件 ロケットランチャーとコスチュームチェンジを除いて全て裏シナリオでしか条件を満たせないので、コンプリートを目指す場合は表シナリオが消化試合と化してしまう。 また「The 豆腐 Survivor」に関しては上記の通り、かなり面倒な…というより事前情報無しだとほぼ解らず、かつ偶然発生させるのも困難な条件(*19)であり、コンプリートに関してはシリーズでもかなり面倒な部類となる。 アナザーシナリオに関しては、本編と別のデータとして保存しなくてはならない点も地味に痛い。 のちの作品では隠し要素が簡略化されたり、本編と独立したミニゲームで条件が満たせるようになるなどして作業感が軽減され、ミニゲーム等はタイトル画面からのメニュー選択でプレイできるように配慮された。 やはり面倒な謎解き 攻略本などの情報源に頼らないと解き方が解りづらいものが大半を占めている。 特に警察署に関しては謎解きが多いので行ったり来たりが多い、そして警察署以降はそういった要素が無くなってやや戦闘面が重視されるようになるので(ここまで進めるなら大抵装備なども整うので)プレイが楽になっていくなど、難易度の緩急がイマイチである。 謎解き要素の演出の非現実性 前作は郊外にひっそりと建つ謎の洋館が舞台であるためまだ納得できる範疇だが、本作では一般市街の施設である警察署の中にトラップや隠し扉が仕掛けられている。謎解き要素は欠かせないとはいえ、リアリティの観点からするとやはり違和感がある。 一応、建物が警察署らしくない理由として「元美術館を署長の趣味で改装した」、やたらとややこしい仕掛けについては「署長が下水道を通じてアンブレラの施設に出入りしており、カモフラージュも兼ねている」と言った設定で後にフォローはされたが。一方、署内にトイレが存在しないことに対するフォローはされなかった(『RE 2』では設置された)。 この違和感は続編『3』で舞台が街全体に広がるとますます強まり、市役所やガソリンスタンドや変電所など町中あらゆるところにややこしいパズルが組み込まれるというおかしな事態になっている(こちらは何のフォローもない)。一部はスタッフからもツッコまれつつ「これが『バイオ』らしさ」と言われていた始末。 総評 前作から正当進化を遂げた続編。ゲームシステムを発展させつつ不評だった部分に調整を施し、多彩なシナリオやおまけ要素といった新要素も追加された。 数の恐怖を追求したことで前作独特のホラーテイストが幾らか薄れた部分はあるが、演出面でカバーしており、前評判に違わぬ完成度の高い作品と言える。 シリーズのゲームシステムは本作をもって完成されたとみることもできる。 グラフィックや、アクション面でのシステムが難ありであったり、リメイク版においても難易度が上がってしまった第1作よりも、難易度が比較的抑えられプレイしやすい本作をシリーズの入門編としてプレイしてみるのもよいだろう。 オリジナル版以外のバージョンについて 『デュアルショックバージョン』 無印版をベースにアナログコントローラーの振動機能の追加及び変更・追加要素を加えたアッパーバージョン。 詳細は下記を参照。 Windows版 後述の『DSVer.』をベースに、グラフィックの高解像度化、開発資料などを閲覧できる「ギャラリー」モードの追加、移動中の演出スキップが可能となっている。 裏編のスタッフロールで作中のムービーが挿入されている。これはドリームキャスト版、ゲームキューブ版でも同様。 ドリームキャスト版 『CODE Veronica』の体験版とBGM12曲が収録されたスペシャルディスク付きの「Value Plus」として発売された。 Windows版をベースに、最凶最悪の難易度「Nightmare」を追加している。 自動照準が働かず、弾薬の入手量が減少し、敵の攻撃力・耐久力が急上昇。ゾンビ戦ですら「こっちは5回噛みつかれたら死ぬ、向こうはハンドガンを10発以上耐える」という有様である。 国内オリジナル版と比べた場合、ゾンビやゾンビ犬に対するハンドガンのクリティカル判定(低確率で即死)が唯一の上方修正と言える。 ただし、体力fineから即死させられるようなケースは少なく、敵の行動パターンもほぼ変わっていないなど、やり込めばクリアできるように調整されている。 弾薬無限技もコマンドは違うが使用可能であり、クリア条件で解放されていたミニゲームが全て初めからプレイ可能になっている。 ニンテンドウ64版 操作法の変更 従来のラジコン式の操作と、『メタルギアソリッド』のような直感的な方式(スティックを倒した方向に移動する)のいずれかに切り替えられる。 ゲームキューブ版 タイトルコールの変更 初代のリメイク作品と同じボイスに変更された。これは次作『3』でも同様。 暴力描写の表示切り替え機能 敵やプレイヤーキャラの血の色を赤・緑・青の内いずれかに変更可能。ゲームオーバー画面の「YOU DIED」の文字にも反映される。 身体欠損/出血描写の激しさを「HIGH(通常の設定)」、「MIDIUM(欠損描写なし)」、「LOW(敵が死んだ時の血だまりを除いた、一切の出血描写カット)」の3段階で切り替えることが可能。 その他変更点 隠しコスチュームの変更が行われた。 EXファイルの追加。これは『2』以降の作品に登場した一部のファイルを、ある場所で閲覧できるというもの。中には、当時開発中だった『0』の内容を匂わせるものもある。 他にも、ボウガンの仕様変更などの細かい調整点あり。 余談 グレネード弾の仕様 本作のグレネード弾は『1』とは違い、発射された弾が5つに拡散した後、それぞれ爆発するという性質を持つ。 硫酸弾や火炎弾に比べると射程が短いが、大型の敵や密集した敵に対しては有効な攻撃手段となる。 グレネード弾にこのような仕様があるのは本作と『ガンサバイバー』『コードベロニカ』のみで、他作品ではほとんど単発仕様となっている。 グレネード弾に相当する弾の名称も「榴弾」「炸裂弾」など作品によって異なる(本作は「ベアリング弾」)。 ちなみに「硫酸弾」なる弾種は実際には存在しないが、「榴散弾」は存在し、本作のグレネード弾に似た性質を持つ。「硫酸弾」の着想は「榴散弾」の変換ミスから得たという説がある。 アイアンズ署長 本作で初登場したR.P.D署長の「ブライアン・アイアンズ」だが、実は前作のキャラ選択画面にあった警察の身分証明書の中に、崩れて読みにくいが「Brian Irons」のサインがすでに見られる。 また、SS版の初代に特典として付属したハードカバー本『BIO HAZARD -The True Story Behind BIO HAZARD-』に掲載された書下ろし小説の中にも登場しているため、設定の段階ではすでに存在していた模様である。 ただし、こちらでは「アイアンズ」ではなく「アイアン」となっており、『2』本編での設定に基づいた描写などは存在しない。 没になった『バイオハザード1.5』 かつて『2』として開発されていた幻の作品。「ゾンビに支配されたビルの最上階から脱出する!」というシナリオであり、『2』のクレア・レッドフィールドに該当する女主人公エルザ・ウォーカーやオリジナルクリーチャーマンスパイダー、近代的な造りになっているラクーン警察署など本作独自の要素があった。 男性主人公はレオンだがパートナーとしてマービンが最後まで付き添う。警察署はシャッターを降ろせるようになっていたなど、のちの『OUTBREAK』に受け継がれる要素もあった。 最初期の段階のレオンは現在とかなり違う風貌をしていた。現在の所謂イケメンといった感じではなく、短髪で精悍な顔つきをしているという様なワイルドな印象を与えるキャラクターとなっていた。 スタッフ曰く、ボツになった理由は「これが『バイオ2』だ!と胸を張って言える内容に及ばなかった。」ため。また、プロデューサーの三上真司氏は「辞表を用意してまで開発中止を訴えた」との事。 ディレクターを担当していたのは『2』と同じくのちに『デビルメイクライ』や『大神』を作る神谷英樹氏だが、氏は「あまり『1.5』の話はして欲しくない」との事。 現在でも開発再開を望む根強いファンが居るが、開発者が言うには「既にマスターデータなどは破棄されている」「『1.5』のために考えられたアイデアは後の『バイオハザード』シリーズの中で活かされているため、今更作り直す意味はない」との事である。 実際霊長類クリーチャーや「ピアーズ・ニヴァンス」という名前などいくつかの要素は続編に継承されている。また、『1.5』のデータは『鬼武者』シリーズに流用されているらしい。 『4』も途中で一旦作り直され、そこから『デビクラ』が生まれた。作り直されると名作が生まれるのは、ちょっとしたジンクス? 「バイオハザード1.5」というタイトルは「あくまで現在そう呼ばれている」というだけの通称。ただしカプコンのスタッフ・関係者もインタビューなどでこの呼び方を用いた事がある。 あの『月刊コロコロコミック』でも『2』として紹介されていたりする。また、『月刊コロコロ』のゲーム人気ランキングに本作が入っていたりする(*20)。 初代の『デュアルショックバージョン』の付属ディスクなどでPVを見る事が可能。 当初の女主人公であるエルザはクレアとして生まれ変わった関係上、後のシリーズにも登場することは無かったのだが、『RE 2』ではエルザの衣装がクレアのコスチュームとして登場している。 攻略本について 本作においても前作同様にカプコン公式の出版で『公式ガイドブック』が発売されている。 前作のパーフェクトガイド同様にファミ通責任編集で、やはりモンスターや武器の設定やシナリオ展開、ディレクターへのゲーム内容についての質問が細かく記載された充実した内容に仕上がっており、評価が高い。 一方で執筆スタッフは変わっているためか、前述したようにシナリオのツッコミどころ等に対するネタ的な記述は非常に多く、事件簿的だった前作のパーフェクトガイドとは毛色が異なっている。 例を挙げるとレオンのラクーンシティ到着を「ケタ外れの遅刻」、クレアのピッキング技能を「女子大生らしからぬ技能」と称する、表裏で通してシナリオを見た時のアネットの情緒不安定さへのツッコミなど。 後述するDUAL SHOCK Ver.の発売時には、攻略本も紙面構成をほぼ刷新した上で新規発売されたのだが、そちらは「ホラー映画」をテーマに構成されており、キャラクター紹介が「キャスト紹介」になっていたりと別方向に遊び心が現れたものとなっている。 扉絵は「古い洋画ポスター風の油彩画で描かれた、ゾンビが次なる犠牲者に手を伸ばす様子(次の扉絵では犠牲者がゾンビの手に加わっている)」というものなのだが、ラストの扉絵でゾンビたちが手を伸ばしている相手が「持ち歌『スリラー』の衣装を着たマイケル・ジャクソン(*21)」というオチが付いている。 YOU DIED 今作のゲームオーバー画面は前作と違って主人公の死体は映らず背景は真っ暗だが、主人公が殺される音や断末魔の悲鳴が聞こえるようになっている。死亡時のフェードアウトも早めなので主人公の死の瞬間を見る事は基本的に無く、前作よりは表現が緩和されているようにも見える。 しかし元々はその主人公が殺される様子が画面に映し出されるはずであった。死亡時の叫び声も、画面に血が飛び散る演出と共に上がっていた。その実装を見送り、バックを隠して音だけとしたのが製品版である。つまり本来は前作よりも過激になるはずだった。 そして北米版では隠されること無くしっかりと映し出され、ゾンビの餌食になる、夥しい出血と共に倒れる、爪で貫かれるなどの痛ましい最期が克明に描かれる。一部の敵に殺された時は頭部が無くなる(*22)。 シェリーに関してはこう言った残虐な殺害方法はされなくなっており、死亡時にも叫び声を上げる事もない。…が、通常プレイでは聞けないものの断末魔の叫び自体は存在し、ネットに出回っている改造プレイでシェリーが惨殺されるシーンを映した動画ではいずれもその叫び声が上がっている。つまり当初は製品版で流すつもりで収録していたのである…。 次回作ではこの演出は無くなったが、海外版の方がより過激な残酷描写が盛り込まれるのがシリーズの恒例となっていく。 あまりリアルではないローポリ時代は残酷さ、グロテスクさがそこまで鮮明ではなかったが、グラフィックの進化によって残酷描写がはっきりとリアルに映し出せるようになっていった事により、それに伴う規制も変わっていった。 Vジャンプでの扱い 前作も発売前から発売後に至るまで、妙に力を入れてプッシュされていた作品の新作ということもあってか、本作も前作並か、あるいはそれ以上ともいえるレベルで特集等が組まれていた。前作同様にVジャンプフェスティバルにおいてカプコンの新作代表として発表されたり(ちなみに所謂「1.5」といわれる最初期の状態のもの。レオンが現在とはかなり違う容姿をしていたり、女性主人公がエルザの頃)、発売前〜発売後まで熱心に情報を提供していく等、前作同様にVジャンプの読者の年齢層からすればかなりホラー要素の強い作品にもかかわらず、である。 しかもかなり開発が初期の段階から情報を提供してくれていたため、上述の規制がかかる前の死亡シーン(ゾンビの餌食になるところ)を大々的に取り上げくれるなど、かなり過激な部分も取り扱っていた。一応苦手な人に配慮して、見たくない人や苦手な人は飛ばして読んでねといった風に警告はしてくれてはいたが、怖いもの見たさで苦手なのについ見てしまい、精神にダメージを受けた読者もかなり出たのではないかと思われる。 逆に製品版では死亡シーンの演出は上述の様に規制がかかっているので、Vジャンプの事前情報のみでプレイを始めた人はゲームオーバー時に「?」と思った方もいるのではないかと思われる。 その後の展開 レオンは『4』、クレアは『コードベロニカ』で再び主人公として抜擢される。 レオンは元々常人離れしていたサバイバル能力に加えて特殊訓練を受けた結果、『4』ではアクション映画も真っ青の超人エージェントとなっている。それを皮切りに主人公達の超人化が加速し、レオン自身も更に超人化する事に。 他にも『ダークサイド・クロニクルズ』では本作の熾烈な戦いをクロニクルズシリーズのシステムで追体験でき、『4』以前のエージェント時代のレオンを見ることができる。 その後の『6』にも主人公の一人として登場した他、CG映画『ディジェネレーション』『ダムネーション』『ヴェンデッタ』でも毎度のように主役を務め、『1』のクリスに並ぶ本シリーズのメイン主人公へと成長していく。 作品を重ねるごとに超人染みていくことがネタにされるレオンだが、上記の通り女子大生らしからぬ技能のクレアも負けず劣らずの怪物化をしている。 『CODE Veronica』では「兄を探してアンブレラのヨーロッパ支部の建物に潜入して捕らえられた」というまるでスパイのような設定で、オープニングムービーで「ビルの外に滞空するヘリからの機関銃の掃射からダッシュで逃げ切り非常階段に向って思いっきりダイブして転がり落ちるも無傷で無事」「両手を挙げて降参する振りをして銃を落としてからすかさずかがんでキャッチし、追手の背後のガスタンクを撃ち抜いて爆風を利用して一掃」というアクション映画俳優張りのスタントプレイを見せてくれたりするあたり、やはりどこか女子大生離れしている。ただ、本編中はそこまで大袈裟なスタントプレイは無く、巨大な斧で1回ぶった切られたぐらいでは死なない生命力などは見せるものの、ストーリー後半の役回りなどを見てもどちらかと言えばヒーローである兄に救出されるヒロインのような扱いとなっている。 『DC』では、クレアがゾンビをナイフ投げで仕留めるシーンや、本作に沿うなら本来開かないはずの扉を蹴り破って進むシーンがあり、シリーズファンの誰しもが一度は心の中で思ったであろう行動を実現してくれた。あの兄あってのこの妹か。 その後も『リベレーションズ2』で主人公の一人として再登場したり、漫画『ヘヴンリーアイランド』にも登場。三十路を過ぎても変わらぬ戦闘・サバイバル能力の高さを見せるが、人外化し過ぎたクリスやレオンや本当の意味で人外になってしまったシェリーに比べるとまだ人間をやめていない範疇に収まっている。 『ディジェネレーション』ではレオンとのタッグが復活したものの途中で重傷を負って離脱し、ゲストキャラに活躍を譲っている。 本作のリザルト画面が「その後…」的な事だと思われたが、後作で無かった事にされてしまっている。所謂イメージ画像である。 画像では、レオンはその後に警察に戻り、クレアはシェリーとバイク旅に出ている様に描かれている。しかし後作で語られる設定では、本作のエンディング後はクレアは兄を探すために単身出発し、銃創を負ったレオンと衰弱したシェリーは合衆国の保護を受ける形で分かれている。 レオンはその後はシェリーの安全の保証と引き換えに合衆国エージェントとなり、クレアはバイオテロの被害者救済を目的とするNGO団体に入る。しかしシェリーの方はその後は政府による長い保護(軟禁)生活を送った末にエージェントとなり、もちろんバイク旅など到底できる余裕は無かった。 一応、クレアは軟禁中のシェリーに面会に行ったり、シェリーがエージェントになった後も交流は続いていることは語られる。だが、いずれにせよ本作リザルト画面のような光景は実現し得ない(*23)。 杉村升氏は本作の功績を買われて、本シリーズは勿論『鬼武者』『ディノクライシス2』など、後のカプコン作品でもフラグシップのメンバーと共に脚本家として起用され、氏が没する2005年まで関係は続いた。 氏は『1.5』が没になった折に岡本吉起氏に呼ばれて採用されることになり、エルザに代わる主人公の考案や狂気じみた署長の人物像など本作の重要な設定の変革を行っている。ディレクターの神谷英樹氏も「杉村氏は『1.5』を見て最初からのやり直しを自分に進言し、その言葉にそうする勇気をもらった」と述懐している。 前述の警察署にある無茶な仕掛けについても、神谷氏がリアリティの観点からツッコミを入れたのに対し「美術館を改装した設定にすれば何でもできるだろ」と返したのは杉村氏だったとのこと。 一方、ザッピングを発案したのは神谷氏の方で、これについては杉村氏は「シナリオの矛盾が避けられないから」と反対を表明していたとのこと。結果的に本作の特徴として強い印象を残しつつも、杉村氏の危惧した問題点も表出することになっている(このためかリメイク版では廃止されている)。 年齢的にスタッフとは親子ほどの差があるにも拘わらずゲーム業界の未来に理解を示しており(*24)、面倒見もよくてスタッフから慕われていたことを複数のスタッフが証言している。 2019年1月25日にPS4/One/PCで前述の『RE 2』が発売された。 『7』のために開発されたRE ENGINEを使用したフォトリアルなグラフィックとなり、視点も固定カメラから『4』以降の主流であるビハインドビューTPS形式へと変化している。 ファンからは概ね好評だが、フェイスモデルの起用やクリーチャーの設定(デザイン含む)変更&リストラなど気になる点も。 バイオハザード2 デュアルショックバージョン 対応機種 プレイステーションニンテンドーゲームキューブ 高解像度で見る 裏を見る メディア 【PS】CD-ROM 2枚 【GC】GC専用光ディスク 1枚 発売日 【PS】1998年8月6日【GC】2003年1月23日 定価 5,040円 判定 良作 概要(デュアルショック) 『ディレクターズカット』と同様のアッパーバージョンである。以後『DSVer.』と表記する。 タイトルのとおりデュアルショックに対応した以外にも、変更点・追加要素が存在する。 変更点・追加要素 「The 4th Survivor」「The 豆腐 Survivor」はプレイ中にタイムが表示されるようになった。 ミニゲーム「EXTREME BATTLE」の追加 研究所から警察署に向かい散逸した対ウイルス用の爆弾を回収するという内容。本編に登場するレオン、クレア、エイダに加え、クリスが使用可能。 アイテムや爆弾の位置がランダムで変化する(法則性はある)ため固定の攻略が通じないのが最大の特徴であり、セーブできる回数も限られるなど、難易度は高くやりごたえがある。 特に最高レベルの「LV.3」の難易度は強烈。多くの敵の攻撃力が通常の5倍になっていたり、強敵タイラントや表プレイのラスボスがそこかしこに出てきたりするので、LV.2をクリアできたからといって軽い気持ちで挑むとひどい目に遭う。 難易度の追加 北米版準拠の難易度(自動照準無し、敵の配置変更、敵の攻撃力・耐久力上昇etc.)でプレイできる「U.S.A.バージョン」が追加。 オリジナル版のEASYモードをベースに、初期装備が無限サブマシンガンに変更され、他2種の隠し武器がアイテムボックスに用意された「ROOKIEモード」が追加。 さらに、すべての武器の弾数が無限になる隠しコマンドが用意されている。このコマンド入力はやり方さえ知っていればいつでも使え、再度コマンドを入力すると解除することも可能。 後にも先にも隠しコマンドによる弾数無限はこの作品だけである。ちなみに、このコマンドを使用すると、ナイフにまで∞マークが付く。 同様の隠しコマンドはオリジナル版から存在しているが、効果が異なり(北米版のように武器を構えても敵をサーチしなくなる)、難易度を上げる縛りのようなものであった。『DSVer.』では上記U.S.A.バージョンの存在もあり元々の効果は削除されている。 無限マークの付いたナイフは一種の設定ミスだと思われるが、後のリメイク版『RE 2』ではナイフに耐久値が設定されたことにより、条件を満たせば無限ナイフが使えるようになるというネタが存在する。 評価点(デュアルショック) より幅広い難易度を提示した。 『1』と比較して易しめになった『2』ではあるが、この時期のバイオハザードシリーズのラジコン操作のハードルは高かった。 ROOKIEモードの実装によって敵に対しては隠し武器を装備して構えて撃つという操作さえ出来ればほぼ対処でき、移動や謎解きに集中できるようになった。 弾数無限コマンドはコマンド使用によるデメリットも一切無いため、隠し武器に頼らない場合の初心者でも簡単にプレイを楽しめるようになった。 一方で上級者向けにはU.S.A.バージョンやEXTREME BATTLEが用意され、オリジナルの『2』をプレイしていても楽しめる要素がある。 問題点(デュアルショック) オリジナル版の問題点が改善された場所は特に存在しないこと。 せめてイベントシーンのスキップ機能ぐらいは搭載してもらいたかった点である。 総評(デュアルショック) オリジナル版以上に幅広い難易度に対応した作品。現在のバイオシリーズとは操作体系が異なるものの、シリーズ入門編としては有力な選択肢だろう。
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バイオハザード5 機種:PS3,360 作曲者:鈴木幸太、奥河英樹、成田暁彦、小渕世子 編曲者:鋒山亘 発売元:カプコン 発売年:2009 概要 「バイオハザード」シリーズ第5作目。 音楽はアフリカを舞台としてるだけあってアフリカンパーカッションを取り入れた楽曲や、 鋒山亘氏によるオーケストレーションされた楽曲が魅力。 だがサントラはなぜか一部の肝心な楽曲がオーケストラVerではなく、打ち込み音源のデジタルVerで収録されているのが残念。 サントラでデジタルVerだった曲は、360の数量限定版の特典サントラにオーケストラVer.が収録されている。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Disc1 Title Movie 奥河英樹 Opening -Chris s Arrival- 鈴木幸太 Item Box 鈴木幸太 New Fear 奥河英樹 Magic Act 奥河英樹 The Butcher 鈴木幸太 The Town 奥河英樹 First Encounter 鈴木幸太 Majini I 小渕世子鈴木幸太 Hospitality 奥河英樹 Majini II 奥河英樹 Game Over 成田暁彦 Damsel in Distress 鈴木幸太 Majini III 奥河英樹 A Piece of the Puzzle 奥河英樹 Unidentified Threat 鈴木幸太 An Emergency 鈴木幸太 ウロボロス戦、ウロボロス・ムコノ戦デジタルVerを収録 The Storage Facility 鈴木幸太 Result 鈴木幸太 The Ripper 奥河英樹 Executioner 成田暁彦 The Crisis ~Reinforcements Arrive 小渕世子鈴木幸太 Voice of The Darkness 奥河英樹 Terror from Above 奥河英樹 Flying Nightmare 奥河英樹 ポポカリム戦 Pursuer and The Pursued 奥河英樹 Shaking off The Majini 奥河英樹 Grand Resurgence 成田暁彦 Burning with Anger 成田暁彦 ンデス戦 Delta Team s Distress ~New Decision 成田暁彦 Shadows of the Past 鈴木幸太 Eerie Stillness 奥河英樹 Majini IV 奥河英樹 Disc2 Majini V 成田暁彦 Unite but 奥河英樹 Too Late 奥河英樹 Get out! 鈴木幸太 Majini s Trap I 鈴木幸太 The Patrol Boat 成田暁彦 Evil Mutation 成田暁彦 アーヴィング戦 A New Clue 鈴木幸太 Ancient Noise 鈴木幸太 Majini VI 奥河英樹 Majini s Trap II 鈴木幸太 Excella and Wesker 鈴木幸太 Underground Garden 奥河英樹 The Claw 鈴木幸太 Huge Facility ~And then 成田暁彦 Gigantic Attack 成田暁彦 U-8戦 The Enigma 鈴木幸太 Majini VII 鈴木幸太 Haze of Horror 成田暁彦 リーパー戦 UROBOROS 鈴木幸太 The Mask 鈴木幸太 Two on Two 鈴木幸太 ウェスカー&ジル戦 Old Friends, New Enemies 成田暁彦 Sad but true 成田暁彦 ジル戦 Trust 成田暁彦 The Tanker 奥河英樹 Disc3 Majini VIII 成田暁彦 Shot or Death 鈴木幸太 A New Nightmare Begins 鈴木幸太 Fragment of Fears 鈴木幸太 The Sign 鈴木幸太 A Big Despair 鈴木幸太 ウロボロス・アヘリ戦デジタルVerを収録 Message 奥河英樹 Majini IX -in flames- 成田暁彦 Rematch 鈴木幸太 Wind of Madness 鈴木幸太 ウェスカー戦デジタルVerを収録 2009年193位 The Vulnerability 鈴木幸太 Sky-high Skirmish 鈴木幸太 The Final Curtain 鈴木幸太 Deep Ambition 鈴木幸太 ウェスカー最終戦デジタルVerを収録 Striker 成田暁彦 Homeward Bound! 鈴木幸太 Pray -Theme Song- 鈴木幸太 スタッフロール(前半)歌:Oulimata Niang 2009年193位 Plan of Uroboros 鈴木幸太 スタッフロール(後半)デジタルVerを収録 Menu 鈴木幸太 Viewer 鈴木幸太 Colors 鈴木幸太 Assault Fire 成田暁彦 Dreamy Loops 鈴木幸太 On the Bass 鈴木幸太 Rust in summer 2008 成田暁彦 KILLERS 成田暁彦 Do you challenge Again? 成田暁彦 サウンドトラック バイオハザード5 オリジナル・サウンドトラック バイオハザード5 Deluxe Edition 360の数量限定版。特典サントラが付属。
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バイオハザード 当スレでは中々の人気を誇るゲーム。 始めは数多くいた仲間たちがゾンビ化していく中、その恐怖を乗り越える事が できるであろうか。いや、無い。 ゾンビの所属チーム・・・・・敵対勢力、スペツナズ 人間の所属チーム・・・・・海兵隊フォースリーコン、SAS ゾンビ 勝利条件:制限時間以内に人間を滅ぼせ。 ルール:使用武器、パークは限定。 最初のゾンビのみスモーク使用可。残り1分を切ったらスタン、フラッシュ解禁。 タグを「ONI」にしてください メイン武器 ハンドガン ナイフ フラグ 特殊手榴弾 UAV 空爆 ヘリコプター 武器 × × ○ × ○※ × × × ※特殊フラグが使えるのは最初のゾンビだけです。 C4 特殊手榴弾3 RPG-7 クレイモア フラグ3 弾薬帯 爆弾処理班 パーク1 ○ ○ × × × ○ × ※スモークを使うときは弾薬帯を。レベルが足りなかったらC4を。 動力を止めろ ジャガーノート 巧妙な手口 ダブルタップ オーバーキル UAVジャマー ソニックブーム パーク2 × ○ × × × × × ※侮ってはいけない、ゾンビは堅い。 体調絶好調 昇順安定 ラストスタンド 殉教 ディープインパクト 鉄の肺 デッドサイレンス 盗聴 パーク3 ○ ○ ○ × ○ ○ × × ※無難に体調がオススメ。 ヒント:1番難しいのが始めの1人をやるまで。2人も倒せばだいぶ状況が変わります。 スモークをどんどん放りましょう。孤立した敵を狙うといいかも。 残り1分でスタン・フラッシュが使えます。それまでには残り3人くらいには…! 人間 勝利条件:制限時間を生き延びろ。 ルール:すべての武器、パーク使用可。 空爆、ヘリも使用可能。あらゆる手を尽くして迫り来るゾンビをなぎ払え。 ゾンビにやられたら、チーム変更でゾンビチームに。 メイン武器 ハンドガン ナイフ フラグ 特殊手榴弾 UAV 空爆 ヘリコプター 武器 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※すべて使用可。 C4 特殊手榴弾3 RPG-7 クレイモア フラグ3 弾薬帯 爆弾処理班 パーク1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※すべて使用可。 動力を止めろ ジャガーノート 巧妙な手口 ダブルタップ オーバーキル UAVジャマー ソニックブーム パーク2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※すべて使用可。 体調絶好調 昇順安定 ラストスタンド 殉教 ディープインパクト 鉄の肺 デッドサイレンス 盗聴 パーク3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※すべて使用可。 ヒント:とにかくやられない事。1人死んだら2人分の差が縮まります。 仕様変更により若干堅くなっております。お気をつけください。 だからって2.3人のゾンビを10分間いじめ続けると泣きますよ。 ホストの方へ 以下ゲーム設定の変更点です。 ゲームモード:チームデスマッチ スコア制限:無限 観戦中:自由
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作品データ タグ: 2020年代 アイテム化 イベント固め ゲーム バイオハザード ホラー 女性 戦闘で敗北 石灰化 破壊あり 粉々 解除不可能 ジャンル ゲーム 種類 石灰化 性別 女 バイオハザードシリーズ バイオハザード ヴィレッジ バイオハザード7 内容 前作から引き続き、特異菌の敵達は倒した際に身体が石灰化し崩れ去る演出がある。 その中でもドミトレクス夫人の三姉妹は最後まで人型を保ったまま、捨て台詞を言いながら石灰化していく。 また、三姉妹と夫人は倒した時にそれぞれ「令嬢のトルソー」「夫人の結晶像」なるアイテムをドロップし色々想像させてくれます。 画像・動画 タグ: 2020年代 アイテム化 イベント固め ゲーム バイオハザード ホラー 女性 戦闘で敗北 石灰化 破壊あり 粉々 解除不可能 リンク バイオハザードシリーズ バイオハザード ヴィレッジ バイオハザード7 批評・コメント 名前 コメント
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登録日:2010/09/13 Mon 04 26 43 更新日:2024/05/17 Fri 16 19 03NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 2002年 サイコロステーキ ソニー・ピクチャーズ ノーパンで撮影 バイオハザード バーロー ポロリもあるよ ポール・W・S・アンダーソン ミラ・ジョヴォヴィッチ 実写版バイオ 映画 最強の敵はレーザートラップ 洋画 無理ゲー 鏡の国のアリス この項目では実写版バイオハザードシリーズの第1作目にあたる同名の映画について記述する。 公開日は2002年8月31日(北米は2002年3月15日) 上映時間は100分 原作ゲームが洋館を舞台としたストーリーだったのに対し、映画版はTウィルスやアンブレラ社等の設定のみを利用した新しいストーリーとなっている。 これ以降も多数のシリーズが製作されていく映画バイオハザードシリーズだが、ゾンビ系ホラーとして見るとこの作品や次回作が色濃く描かれているのが特徴。 ◆あらすじ アメリカ中西部にある都市ラクーンシティの地下にある巨大複合企業アンブレラの研究施設「ハイブ」で研究中のTウィルスが漏れ、バイオハザードが発生したため研究所にいた所員は全員死亡した。 アンブレラ社は事故の原因の究明、制御コンピューター「レッドクイーン」をシャットダウンするために特殊部隊を派遣する。 同じ頃、ラクーンシティ郊外にある洋館では記憶喪失に陥った女性アリスが目覚めようとしていた…… ◆登場人物 ○アリス・アバーナシー(ミラ・ジョヴォヴィッチ) 主人公。24歳。 洋館のバスルームで記憶喪失の状態で倒れていた女性。 状況すら掴めていない状態で突如現れたアンブレラの特殊部隊に地下研究所ハイブに連れていかれる。 異様に身体能力が高く、壁を使い三角飛び蹴りを行ったことも。 別の世界ではバイオテロを引き起こしていた。 ○マット・アディソン(エリック・メビウス) ラクーン警察に配属されたばかりの警官(自称)。 洋館の中にいたがアンブレラ特殊部隊にアリスと共にハイブへ連れていかれる。 ○スペンサー・パークス(ジェームズ・ピュアフォイ) 洋館とハイブを繋ぐ列車の中に倒れていた男。 彼も記憶喪失であり事態がわからぬままハイブへ連れていかれる。 ○ジェームス・P・シェイド(コリン・サーモン) アンブレラの特殊部隊の隊長である黒人男性。 一番活躍しそうな感じだったが、レーザートラップでサイコロステーキとなってしまう。 ○レイン・オカンポ(ミシェル・ロドリゲス) アンブレラの特殊部隊の隊員。 気が強く、男勝りな性格。 地上波吹き替え版では某バーローが演じた。 ○チャド・カプラン(マーティン・クルーズ) アンブレラの特殊部隊の隊員。 コンピューター関係のプロでレッドクイーンをシャットダウンさせる。 ○J.D.サリナス(パスクェール・アリアルディ) アンブレラの特殊部隊の隊員。 レインと仲が良い。 ○リサ・アディソン(ハイケ・マカッシュ) ハイブに勤務している女性。 マットの妹であり、序盤で発生したバイオハザードに巻き込まれてしまい…… ○レッドクイーン(ミカエラ・ディッカー) アンブレラが開発した人工知能。 ラクーンシティ地下にある研究施設ハイブの全てを制御している。 Tウィルス感染者を外に出さないために施設内を完全にロックしていたが、アンブレラの特殊部隊にシャットダウンされたため、ゾンビを解放してしまう。 ホログラムでは幼女の姿をしているが、これはレッドクイーンを開発したプログラマーの娘をモデルにしたためである。 ホワイトクイーンと呼ばれる妹もいる。 地上波吹き替え版の中身はくぎゅうである ◆登場クリーチャー ○ゾンビ ハロンガスで死亡したハイブ職員がTウィルスに感染してゾンビ化した姿。 新鮮な肉を求めて狭い施設内を所狭しと徘徊している。 ○ケルベロス ハイブにて実験用に飼育されていたドーベルマンがTウィルスに感染してゾンビ化したもの。ゾンビと比べ運動能力が高い。 ○リッカー ゲームではゾンビからの突然変異だったが、今作ではアンブレラが開発した一種の生物兵器という設定になっている。 長い舌と爪が武器で、新鮮なDNAを摂取することでさらに強力な姿に変異する。 小説版では頭に鉛玉ブチこまれてもしばらくすれば排出→修復しちゃう正真正銘のバケモノ。 ◆登場武器 ○ベレッタM92FS アイノックス(ステンレス)モデル。 警備員の死体からアリスが拝借し、ゾンビ犬を倒す。 ○スプリングフィールドM1911A1 名銃ガバメントのスプリングフィールド社製モデル。隊長、レインらのサイドアームで、ベレッタと同じくステンレスモデル。 ○H&K MP5K 隊員達のメインアーム。K、つまり「クルツ」とはドイツ語で「短い」の意。その名の通り、MP5シリーズで最小のモデル。 ○H&K G36K 隊長、J.D.のメインアーム。 MP5と同じH K社製のアサルトライフル。 隊長は銃身下部にグレネードランチャーを装備。 ◆シリーズ一覧 バイオハザード バイオハザードⅡ アポカリプス バイオハザードⅢ バイオハザードⅣ アフターライフ バイオハザードⅤ リトリビューション バイオハザード ザ・ファイナル ◆備考 本作のTV放映の際は高確率で 衛生隊員の首切断 サイコロステーキ アリスの陰部 が編集でカットされる。 特にサイコロステーキのシーンは構成上カットできないシーンであり、その都合で不自然に画面の一部分にアップするため違和感が強い。 本作は「鏡の国のアリス」のオマージュが各所にある。 主人公の名前(アリス) ハイブへの入口である洋館の名前が「鏡の館」 徐々に異質な世界に順応していく 鏡の国の女王の名前が「レッドクイーン」 なお、本作とゲーム本編ではストーリーの直接的なつながりは無いが、 印象的なレーザーの仕掛けはゲーム本編に逆輸入され、『バイオハザード4』では類似のレーザートラップが、『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』にはほぼ同じ部屋が登場する。 また、ゲーム本編にてアンブレラのメインコンピュータ名がレッドクイーンなのも映画版からの逆輸入であり、『アンブレラ・クロニクルズ』でその名前が出てくる。 2022年にはリブートにあたる映画『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が公開された(北米は2021年)。 追記・修正はバイオハザードから生還してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] これが原因でバイオハザードがアクション重視になって変になったイメージ -- 名無しさん (2013-09-05 08 15 14) いや、この頃まではアウトブレイクとかあったからそこまでじゃないんじゃない?PS版でガンサバイバーも出てたから前々からアクションへの路線変更は考えてたかもね -- 名無しさん (2013-09-05 12 38 32) 確かエンジェルビーツでもレーザートラップで松下五段が犠牲になったよな -- 名無しさん (2013-09-11 18 35 33) 監督は(1~2まで)どえらくこのゲームにはまりまくってアリス役のオーディションでも「このゲームやったことがあるか」基準で選んだり、スタッフがこのゲームをやっていないとクリアするまでスタッフをカンヅメにしてゲームの内容を叩き込んだそうなのだが。 -- 名無しさん (2013-12-01 09 49 53) アメリカで「バイオで好きなモンスターは?」とアンケートとったら「1位ゾンビ 2位ケルベロス 3位リッカー」タイラントもガン無視!これだからアメリカはよう! -- 名無しさん (2013-12-01 10 05 19) 1は面白いから見とくべき、2以降はB級映画だけども -- 名無しさん (2013-12-01 10 30 40) アリスがベッドから転がり落ちるシーンをスローで再生したらアリスの陰毛が見えた(笑) -- 名無しさん (2014-05-12 00 48 50) 原作云々はともかく、B級ホラーとしてはいい出来だよな。ただ繰り返しゴールデンでやってるせいか、近年の子供たちのトラウマ映画になってそうw -- 名無しさん (2014-08-11 08 31 21) アリスがものすごいアクションするよ!ゾンビの怖さよりもかっこいいアクションのほうが目立つから大丈夫!と言われロードショー観てみたら冒頭のエレベーターに首挟まれたシーンで軽やかにチャンネルを変えました。アクションシーンにさえ辿り着けなかったよ -- 名無しさん (2014-08-11 08 52 21) このシリーズは前作で生還した人が次作で死ぬからいつも悪い意味で裏切られて軽く鬱になる。 -- 名無しさん (2014-10-29 00 47 04) 濡れ場は興奮しないんだよぁ…… -- 名無しさん (2014-11-06 17 01 57) マットが気の毒で・・・・。 -- 名無しさん (2014-11-06 17 31 52) ヤラシイ話カプコンはどんだけ利益を得たんだろうか? -- 名無しさん (2014-11-06 17 33 11) バーロー扱い悪いね……本作といいⅤといい -- 名無しさん (2014-11-06 18 12 53) もともと監督がバイオのファンでカプコンに頼み込んで映画化にこぎつけスタッフにもバイオの世界を理解させるためにカンヅメにしてゲームをクリアまでさせてから製作に挑んだのにどうしてこうなった? -- 名無しさん (2014-11-06 22 16 39) ゾンビよりもレーザーの方がトラウマ物だった。 -- 名無しさん (2014-11-07 22 35 31) 原作やってないからか普通におもしろかったなぁ。原作ファンの人からはやっぱり不人気なの? -- 名無しさん (2014-11-18 19 16 56) トリビアの泉でミラが番宣を兼ねて出演してたけど何故よりによってオナラに関するトリビアなのか。 -- 名無しさん (2014-11-18 19 30 06) 実写バイオ1の映画はほんと完成度高かったのにどうしてああなった。 2はまだいいとしても3からはもうない -- 名無しさん (2015-04-09 13 33 51) てかゲームやってて、マジニとゾンビを混同するってどういうことなの -- 名無しさん (2015-04-10 00 54 43) ↑6そんだけのファンなのになんで1のラスボスをリッカーにしたw リッカー好きなのかw -- 名無しさん (2015-04-10 01 51 41) ↑まぁ、ぶっちゃけタイラントって登場する時期が装備の揃った終盤がほとんどだから、縛りプレイでもしない限り弱いし -- 名無しさん (2015-04-10 01 56 36) 原作をやってない人にはおすすめできる作品だな、B級映画としては悪くない。 -- 名無しさん (2015-05-11 04 19 40) ジョボヴッチが私物化した印象がある -- 名無しさん (2015-09-23 19 22 22) DMCは元はバイオだった物が途中で別物になった結果出来上がった物と聞いたけど。 もしDMCがバイオのスピンオフのままだったらこんな感じだったのかなと思っている。 -- 名無しさん (2016-04-23 00 25 20) JD -- 名無しさん (2016-06-21 13 36 10) レーザーもアレだけどJDが殺されるシーンが一番ホラーじゃないかな。途中送信してゴメン -- 名無しさん (2016-06-21 13 37 09) 1はまだホラー映画の体を成していたからストーリーが完全にオリジナルであることを除けば不満はないな。サイコロステーキとか見所のあるシーンも多いし。明らかに変な方向に進みだしたのは3からかな。 -- 名無しさん (2016-07-19 23 42 56) レッドクイーンなんだが、完結作では中の人がミラの娘なのがワロタw -- 名無しさん (2017-01-05 23 12 43) 結局ソードマスターヤマト形式で完結してしまったな -- 名無しさん (2017-01-05 23 40 24) 2以降から振り返ってみると、こんな安っぽい感じだったっけ!?ってなる -- 名無しさん (2018-05-16 11 06 50) 小説版じゃなかなか感情豊かなリッカーさん -- 名無しさん (2019-10-06 22 11 08) ラスボスがタイラントじゃなくてリッカーなのは、非人型のシルエットでゾンビと差別化しやすいからじゃないかなと -- 名無しさん (2021-03-10 00 49 30) 後付けでウイルス流出は計算づくって事になったけど1の時点だとT‐ウイルスはアンブレラですらまだまだ研究中だった(だからわざわざスペンスがスパイとして現物を奪いに来た)からハンターとかタイラントみたいな高度なBOWはそもそも時期的に完成してなかったんじゃね?この映画のリッカーは生物兵器と言ってもただ単にゾンビに突然変異を起こさせただけみたいだしそういう意味ではゲームとそんなに変わらない気がする。 -- 名無しさん (2021-10-05 23 44 29) ゾンビと戦う系映画ではこの作品ほどお茶の間で流しやすものはない -- 名無しさん (2021-12-21 16 25 06) サイコロステーキのシーン、バラバラになるところまで地上波で見たことあるんだよなぁ。昔は編集の基準が違ったのだろうか。 -- 名無しさん (2022-02-13 09 22 50) WtRC見て思ったけど「やっぱこっちのバイオって(少なくとも最初の方は)凄かったんだなあ」と再確認。 -- 名無しさん (2022-05-16 18 30 37) 名前 コメント
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バイオハザード4 【ばいおはざーど ふぉー】 ジャンル サバイバルホラー 対応機種 ニンテンドーゲームキューブプレイステーション2WiiWindows 2000/XPプレイステーション3Xbox 360プレイステーション4Xbox OneNintendo Switch(*1)Meta Quest(*2) 発売・開発元 カプコン 発売日 【GC】2005年1月27日【PS2】2005年12月1日【Wii】2007年5月31日【Win】2007年6月7日【PS3/360】2011年9月8日【Steam】2014年2月27日【PS4/One】2016年8月30日【Switch】2019年5月23日【Quest 2】2021年10月21日 定価(税込) 【GC】8,190円【PS2】7,140円【Wii】5,040円【Win】6,090円【PS3/360】4,490円【Steam】1,990円【PS4/One】2,800円【Switch】3,300円【Quest 2】3,990円 プレイ人数 1人 レーティング CERO 18歳以上対象(*3) 判定 良作 ポイント シリーズナンバリング4作目初のフルモデルチェンジ数多くのハードへの移植 バイオハザードシリーズ 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植 余談 その後の展開 概要 カプコンの看板シリーズの1つ『バイオハザード』シリーズのナンバリング第4作。 主人公は『バイオハザード2』の主人公の1人であるレオン・S・ケネディ。 「フルモデルチェンジ」を謳っており、ゲームシステムが一新されている。 その為、これまでのシリーズ作品とは一線を画す作品に仕上がっている。 ストーリー 合衆国のエージェント、レオン・S・ケネディは、奇怪な事態に遭遇していた。誘拐された大統領の娘アシュリーを探すため、単身訪れたヨーロッパのさびれた村。その村で突如、正気とは思えぬ…というより、人とは思えぬ群衆に襲われたのである。案内役の地元警官と別れ、聞き込みに立ち寄った一軒の民家。主らしい男にアシュリーの写真を見せるも、まともな反応は返ってこなかった。言葉が通じているのかどうかも疑わしい様子である。仕方ない…肩をすくめたレオンが立ち去ろうとしたその時、襲撃は始まった。(公式サイトより) 特徴・評価点 カメラシステムの変更 従来のカメラシステムは、カメラが主人公に追随せず沢山の固定カメラを主人公の移動に従い切り替えるという、いわゆる固定カメラ切替方式だった。 これはカメラを追随させるには背景も3Dオブジェクトとして表現する必要があり、当時は背景の3D化と美しさを両立させるのが不可能だったことによる。 これに伴い移動方向の混乱を防ぐために、「↑キーは”画面上に進む”ではなく常に"主人公の前に進む"」というラジコン操作が採用された。 これらは伝統的なゲームシステムであり、「先が見えない」「思い通りに動かせない」という独特の恐怖を生んでいたが、「主人公に見えるはずのものがプレイヤーに見えない(*4)」「初心者にはラジコン操作がとっつきにくい」という問題もはらんでいた。 この問題を解決すべく、本作ではカメラが常に主人公の背後に回るビハインドカメラ方式が採用されている。このシステム上、一般的な表現のジャンルでいえばTPSに近い。 これにより、方向キーの↑はプレイヤーにとっても主人公にとっても前となり、初心者にも取っ付きやすい、直観的な操作が可能になった。 プレイヤーと主人公の死角が一致したことで、敵の視認に関する理不尽さがなくなった。また、先制攻撃の機会も増えた。 例外としてNORMAL以上の難易度における中盤のアシュリー操作パート中のみ、従来の固定カメラになる。 なお、カメラ方式は変わったものの、移動操作は過去作と同じく「向きを変えてから前進する」ラジコン操作が採用されている。 多くのTPSではありふれた動作である平行移動(いわゆるカニ歩き)は出来ず、照準操作との兼ね合いで、移動しながらの攻撃もできない(後述)。このあたりの制約は過去作から引き継いでいる。 主人公のアクションの大幅追加 主人公が可能なアクションが大きく拡充されており、アクション可能時には「開ける」「拾う」「飛び越える」などのボタン入力が指示される。 低い塀や段差を乗り越えられるようになった。他にも窓ガラスを体当たりで割って建物に入ったり、落とし穴を飛び越えたりと、従来作とは全く異なるプレイ感覚をもたらしている。 様々なオブジェクトを破壊できるようになった。 『バイオハザード3』で採用された攻撃オブジェクトが続投。ドラム缶やオイルランプなどを上手く利用すれば、戦闘を有利に進められる。 木箱やタルからアイテムを入手できる他、松明と言った照明器具も破壊可能。 従来作と異なり、大きなエリア移動を除いて扉を開ける際の読み込みや演出は発生しない。その代わり同じマップ内なら自分で扉を開いて進むことになる。 扉を開ける際は手でゆっくりと開けたり、逆に蹴りで勢いよく開けて近くの敵にダメージを与えこともできる。一部の南京錠が付いている扉も蹴りや攻撃で強引に開けたり、木でできた扉なら銃撃や爆発で破壊することも可能。 敵も扉を開けたり窓を破壊して侵入してくるため、棚などの移動可能なオブジェクトで塞いだり、架けてある梯子を落としたりできる。 ヘッドショットなどで怯んだ敵に対し、蹴りや投げ技等の体術を繰り出す事が可能となった。 特に蹴りは攻撃範囲が広く、敵に囲まれた状態から脱するのにも有用。 ちなみに前述の障害物を乗り越える時や体術を繰り出している時等のアクション中は、仕様上全身無敵状態になる。上級プレイヤーの中にはこれを利用して敵の攻撃を避ける人もいる。 坂道などの高低差や間合いによっては、一部の体術が当たらないことがある。 副次的効果として、これまでのシリーズでありがちだった「どれが拾えるアイテムか、動かせるオブジェクトか、移動できるのかできないのかよくわからない」ということが起こりにくくなった。 キーアイテムはやや大げさ目にキラキラ光ったりすることで、キーアイテムが背景に埋没しないよう工夫されている。 攻撃方法の変更 正面・上向き・下向きの3種撃ちしかできなかった従来作と違い、レーザーサイトによる緻密なエイミングを楽しめる。 頭を撃ってひるませる、足を撃って転ばせる、武器を狙い落とす(*5)、敵の投擲物を弾くなど。 敵によっては弱点部位を狙わないとダメージが通らないことがあり、敵の個性や戦術の幅が広がっている。 ナイフが常時装備されており、メニュー画面で武器を切り替えることなくボタン1つで構えることができる。これにより、銃とナイフのコンビネーションで敵に対抗できる。 「銃でひるませ、蹴って転倒させ、ナイフで追い討ち」というのが基本コンボである。弾の節約としても重要。 本来のナイフの意義だった「銃弾を使い果たした時」に「アイテムボックスに預けたせいで持ってない」という問題点もこれで解決している。 従来作に比べてナイフの威力が高く(初期装備の無改造ハンドガンの1.2倍)、様々な場面で用いることになる。ボス敵の中にはナイフを駆使した方が戦いやすい相手もいる。 木箱や樽もナイフで破壊することで弾薬が節約できる。 武器・アイテム周りのシステム変更 銃のメインカテゴリは6種類。 弾薬を入手しやすく体術の起点となるハンドガン、雑魚の集団をなぎ倒したりチェーンソー男をダウンさせやすいショットガン、スコープで遠方を狙撃できるライフル、体術狙いと弾幕による足止めを兼任できるマシンピストル、圧倒的なDPSを誇るマグナム、時限炸薬弾を敵や地形に刺せるマインスロアー。このように明確な個性が与えられており、複数同時に持ち歩くメリットも大きい。もちろん、シリーズ恒例の隠し武器も用意されている。 カテゴリによってはいくつか種類がある。例えばショットガン系なら序盤で拾える「ショットガン」と、遠距離での威力減衰が少ない「ライオットガン」と、コンパクトで装弾数・拡散域に優れる「ショットガン(セミオート)」の全3種。 新たに投擲武器も登場。 爆発が広範囲に及ぶ手榴弾、直接ダメージはないもののある状態になった敵を即死させることができ体術の起点にもなる閃光手榴弾、一定時間燃焼するので足止めに使いやすく特定の敵に大ダメージを与える焼夷手榴弾、主に回復アイテムとして使う卵(白・茶・金)が存在する。 金によってアイテムの売買と武器を改造する方式が導入された。これらは道中に出現する「武器商人」とのやりとりで行う。 敵を倒すと金やアイテムをドロップする。これによって、イベント以外の敵との戦闘は必要最低限に抑えるのが基本だった従来作とは違い、弾を使ってしまっても有用なアイテムをドロップしてくれる可能性があるので、積極的に戦闘することが可能となった。 事実、本作は「敵を倒しながら進むゲーム」であって、タイムアタックや弾薬の節約でない限り、基本は登場する敵全員と戦闘することになる。 弾薬のドロップは所持量によって自動調整が行われ、少ないとよく落とすようになる。高難易度でなければ、弾切れの心配はほとんどない。弾薬が減ってくると焦燥感に駆られるが、しかし実際はそのくらいの程よい緊張感を与えつつ適度に弾を補充させるという絶妙なバランスになっている。 狙撃が必要な場所は大抵ライフルの弾が固定配置されているため、弾がなくて詰むということもほぼなくなっている。 道中に落ちている武器は手榴弾系以外はほとんどなく、大半は武器商人から購入することになる。また、全回復アイテムとしてお馴染みの救急スプレーを購入したり、道中で見つけたお宝を換金することも可能。 なんと今作では、ほぼ一撃必殺武器のロケットランチャーも普通に買える上に、ゲーム中盤で1個拾う機会がある。1発限りの使い捨てだが、1周目でも複数買える程度の安さで在庫切れもなく(*6)、サイズの大きさから持ち運びにくいことを踏まえると、ボスなどの難所を強引に突破するための救済措置と考えるべきだろう(*7)。 各武器に「威力」「装弾数」などのパラメータが用意されており、好きな順に強化できる。全パラメータを最大まで強化すると、ボーナスとしてさらに1段階改造(限定仕様)が可能になる。その効果は威力や装弾数の大幅アップ、距離減衰の緩和、追尾弾など武器毎に異なる。 アタッシュケースの中にアイテムを収納していく方式になり、従来のように大きさに関わらず決まった数のアイテムしか持てないということがなくなった。 旧作でも「大型火器は2ブロック消費」というのがあったが、ブロック数が基本8ブロック(最小6・最大10)なのでただ単に煩わしいだけの仕様だった。今作のアタッシュケースは最小でも6×10マスで、基本のハンドガンが2×3マス、大型火器の例として無印ショットガンが2×8マス、弾薬や回復は1×2(2×1)マスなので、アイテムボックスがないことを差し引いてもかなり余裕がある。 アイテムごとに大きさが決まっており、自分でパズルのようにうまく並び替えて効率的にスペースを使う必要がある。 武器商人からより大きいアタッシュケースを購入することで、より多くのアイテムを持ち運べるようになる。 キーアイテムや宝石などの換金専用アイテムは別の場所にストックされるため、ケースを圧迫することは無い。 これまでのように武器とキーアイテムのどちらを選ぶのか、という場面がないので頭を悩ます必要がなくなっている。 換金用のアイテムはマップのどこかに隠されていることが多く、天井に引っかかっているものや鳥の巣を銃で撃ち落として入手できるものもあるなど、探索・収集要素としての面白さもある。 特定の換金用アイテムを組み合わせることで、より価値の高い豪華なアイテムにすることもできる。そうして完成させた豪華な装飾品を売って大金に換えていくのは快感。 商人からお宝の在り処を記した地図を買えば、マップ上に★マークで表示されるようになる。稼ぎたいなら必須と言える。 敵の変更 シリーズの看板であったゾンビが一切登場しない。本作の主な敵は寄生生物「プラーガ」に侵された人間「ガナード」である。 ゾンビと違いある程度の知能が残っており、集団で襲いかかってきたり、武器を扱う者が居る。 包丁・斧・鎌といった簡単な武器から、チェーンソー、ロケットランチャー、ガトリングガンといった強力な武器まで、使用武器は幅広い。 途中から、頭を破壊した際に内部のプラーガが露出する事がある。 こうなると余計に弾薬が必要になる他、プラーガ自身の攻撃力も侮れず、中にはこの状態になると即死攻撃を行ってくる個体も存在するため、油断できない。 ひるませるためのヘッドショットが原因でプラーガが出てしまう場合も多く、また、ナイフによる追い打ちでも出現し得る。効率的な戦い方にはプラーガ出現のリスクも伴うというジレンマがプレイヤーを悩ませる(*8)。 ガナード以外の敵も寄生生物を宿したものがほとんどで、従来作とは一線を画している。プレイヤーは明確な"悪意"を持った敵に襲われることになる。 何より、襲い来る敵の数が多い。集団的悪意と表されるように、ガナード達は大人数でレオンを潰すべく襲い掛かってくる上、連携を取ったり四方八方から息つく間も無く襲われる事も多いため、思わずプレイヤーもレオンと一緒に「なけるぜ…」と言いたくなる程の激しい戦いになる。 襲い来る敵を皆返り討ちにしていると、一周における敵の総撃破数は1000体に迫る。 集団戦法を駆使する上に数の暴力で攻めてくるので、とにかく油断ならない。 包囲、待ち伏せ、挟み撃ちは当たり前。前方に注視しているとすぐに背後や側面から攻撃されるし、(無限湧きではないにしても)倒すほど複数ある出現ポイントから増援が来る。 遠距離攻撃を行う敵も多い。上述したロケットランチャーやガトリングガンを使う個体は少ないが、ボウガンやダイナマイトは当たり前のように使用され、これらが様々な方向から飛んでくるのは日常茶飯事。斧や鎌も平然と投擲してくる(*9)ので、近距離タイプだからと言って距離を取っても油断はできない。 それでいて耐久力も人間はおろかゾンビすら超えるほど強靭であり、ランクや改造にもよるがハンドガンだけで倒すとなると1体だけでもそれなりの弾薬を使ってしまう。至近距離からのショットガンでも一発ではなかなか死なない。 そのため、どこを狙うか、何の武器をどう使うかと言った戦法が重要になってくる。 一方で汎用雑魚であるガナードには弱点も多く、戦闘の面白さを引き立てている。 ゾンビと違って痛覚があるので、頭部を撃つ → 大きくよろける(ここから強力な体術にも繋げられる)、腕を撃つ → 武器を落とす、足を撃つ → 転ぶなど、様々な反応を示す(*10)。また体術で周りのガナードを巻き込めば、簡単によろけさせたり吹っ飛ばしてダウンさせることができる。 設定上は「ガナードの知能は人間のまま」なのだが、実際は理性をなくしているためか(適度なレベルで)おバカな行動をとることもある。 敵の飛び道具等は相応に予告動作が長かったり、攻撃前に特徴的な声を発するので対応しやすい。 梯子を登ってくる敵は無防備なので、上から銃撃したり梯子を蹴り倒して落とすことができ、簡単にハメられる。敵は悲鳴を挙げながら落下するので、敵の間抜けな様がコントのようで笑いを誘う。 チェーンソー男など強力な個体を除けば、昇降中の敵はナイフ一発で簡単に転落するため、梯子の上に陣取って登ってくる敵を切り落とすのは、時間は掛かるものの弾薬やハーブの節約の面では有効な戦法である。 敵に一瞬だけ接近して大振りの攻撃を誘い、敵が大きな隙を晒したところで頭を撃ち抜くというテクニックがあり、高難度の敵でも簡単に引っかかってくれるので接近戦でも対処しやすく、一定の爽快感を味わいやすい。 上記の通りガナードのAIは人間ほど賢くはないが、この性質は設定的にも無理のないものとなっている。 大半が嘗ては善良な人間だったという点はゾンビと同じ。スタッフロールの背景には、平穏な村が教団の齎す寄生体によって侵蝕されていき、ただ平和に暮らしていた人々が凶悪なガナードに変えられていく様が複数の絵で生々しく映し出される。 流出したウィルスで変異してしまったゾンビに対して、村人達は悪党によって騙されて変異させられたものであり、その成り立ちはゾンビ以上に遣る瀬無い。城以降に登場する邪教徒や戦闘員は自ら寄生体を受け入れているため、同情の余地など無いが。 良好なレベルデザイン 敵はある程度の知能を持ち、武器や集団戦法や地の利を駆使し、生命力も強靭。しかもこちらは庇護対象も守らなければならない。 このような圧倒的絶望の四面楚歌の中にありながらプレイヤー側の取れる戦法も豊富で、戦い方次第でこれらを豪快に突破していけるゲームデザインとなっている。 前述した通り、ゲームスタイルの一新によって従来は「頼りないけれど頼るしかない場面があるので活用せざるを得ない」という位置づけにあったナイフとハンドガンが雑魚敵から一部のボスにまでさ充分に対応可能な序盤から終盤まで使える万能武器となり、戦闘に新しい地平が開かれた。 基本的に武器はシナリオ後半に入手可能になるものほど取り回しが良くなっていくので進行に合わせて乗り換えていけばいいのだが、途中の武器にも見た目の良さや威力など独自の長所があり、改造によって真価が発揮できるので好みで選んでもなんとかなる程度のバランスであり、総合的に見れば武器選択の自由度は高め。 戦闘方法はプレイスタイルで千差万別であり、バトルが主体になったため気づきにくいが「絶対に倒さなければならない敵」は極僅かなので旧来のように大半の敵を無視して進むことも出来る。無論、方々からの攻撃を掻い潜る立ち回りは要求されるが。 『3』から続投した爆発オブジェクトの他にも地形やステージギミックを使って有利に立ち回れる場面が多く、知識や立ち回りが問われるようになっている。 煩雑なステージも存在するが、大体のステージは面白い構成になっている。 ゲームプレイはチャプター形式となり、各チャプターの終了毎にセーブするか質問される。 セーブに必要だった消費アイテム「インクリボン」は削除され、セーブは無限に実行可能となり、回数はクリア時のゲーム評価にも一切影響しない。 ポーズメニューに「コンティニュー」「リスタート」が追加され、死亡時でも直前にロードを挟むエリア移動からすぐやり直せる他、プレイに失敗した場合でもリスタートすれば同様にエリア移動ポイントから何度でもやり直しが利く。 主人公レオンのカッコよさ 『2』から6年が経ち27歳となったレオンは、やや皮肉屋で、なおかつ非常に優れた身体能力と戦闘技術を持つ一流のエージェントへと成長を遂げており、プレイヤーはそんなシリーズ屈指のイケメンであるレオンのカッコいい活躍を体感できる。 敵の頭を狙い撃ち、スタイリッシュに蹴り飛ばし、時には敵の攻撃を華麗に飛び退いて避けるといった、一連のアクションの流れがカッコいい。プレイヤーがゲームに慣れて上達するほど、このようなカッコいい戦い方が可能になり、気持ち良くゲームを進めていける。 プレイヤーのテクニック次第で、敵が投げてきた飛び道具を銃やナイフで弾いたり、敵のダイナマイトを撃って爆発させるといった、よりプロのエージェントらしさを味わう戦い方も可能。 その身体能力を活かして、敵の仕掛ける大岩やトゲ天井といったトラップの数々をインディ・ジョーンズばりに切り抜けていく場面も多い。 精神面でも逞しく、そしてふてぶてしく成長しており、どんな状況でも軽口を叩いたり敵に啖呵を切る姿は、正にアクション映画のヒーローの如し。 その一方で、仲間が殺された時は怒りを滾らせて仇討ちを誓うなど、熱い面も健在。 今作はオブジェクトを調べた際のメッセージが操作キャラの口調になっており、随所でレオンの心情が窺えて従来よりも感情移入しやすい。 時には「こんな所で飯を食うなよ」「掃除ぐらいしろよ」など、笑いを誘うツッコミもあったりする。 これは移植版で追加されたシナリオにおけるエイダも同様。「ダメな主婦ね…」「肌がガサつきそう」「何これ!?気持ち悪い…」など、普段からは想像し難い意外な一面が覗けたりもする。 ヒロインのアシュリーを救出しつつ敵組織を壊滅させるべく戦うというヒロイックな展開や、同じ『2』からの続投組であるエイダとの微妙な関係なども、レオンの魅力を引き立てている。 『3』においてジルが、『CV』においてクリス、クレアのレッドフィールド兄妹が再び主人公として起用される中、レオンのみ『3』のエピローグで少し触れられた程度で音沙汰の無い期間が続いていた。『GAIDEN』があったじゃんとか野暮なことは言わないでおいてあげよう。 そして本作『4』において、満を持して主人公としてより魅力的なキャラクターとなって再登場を果たしたことに、多くのシリーズファンを歓喜させることとなった。 おまけモード「THE MERCENARIES」 本編をクリアするとプレイ可能になる、戦闘重視のミニゲーム。通称マーセ。『3』にも同名のおまけモードが存在したが、今作ではほぼ別物のシステムに一新された。 一つのマップにて、制限時間内に多くの敵と戦い、スコアを稼ぐというルール。 マップ構造は基本的に広めで起伏に富んでおり、進行ルートの自由度が高め。あちこちに各種アイテムや制限時間を延ばすアイテムが配置されており、それらを上手く利用することが重要。 各ステージで好成績を収めると、このモード限定の新たなキャラが使用可能になったり、本編でおまけ武器が購入可能になる。 最終的に全5キャラ(レオン・エイダ・クラウザー・ハンク・ウェスカー)と、全4ステージから選択可能。 キャラによって装備や体術などの性能が大きく異なり、本編ではバランスブレイカーとなるような強力な技も使用出来、キャラの魅力を高めている。また、ハンクは今作の本編には登場しない、このモード限定のキャラとなっている(*11)。 ステージ4「ウォーターワールド」は本編に登場しない、このモード限定のマップ。専用のボス敵「巨大チェーンソー男」も存在する。 連続で敵を倒すことでコンボ数が加算され獲得スコアにボーナスが入る他、特定のアイテムを取得すると一定時間獲得スコアアップのボーナスタイムに突入できる。 本作の特徴の1つである戦闘を存分に楽しめるモードであり非常に好評。中毒性が高く、本編よりもこちらをメインで遊ぶ人も少なくない。 ただ生き残るだけでもそれなりに歯応えがあるので、初心者はクリアを目指すだけでも楽しめる。 腕前や戦略次第でスコアをどんどん伸ばせるので、上達が実感しやすく非常にやり込み甲斐があり、多くのプレイヤーを熱中させた。 このモードは後のシリーズのいくつかにも引き継がれ、またこのモードだけを独立させた『バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D』も発売されている。 この他にも、エイダを操作してミッション達成を目指すミニゲーム「ADA THE SPY」が収録。PS2版以降にはエイダ視点で本編の裏側を描いたサイドストーリー「the another order」が追加されている。 前者は「THE MERCENARIES」同様に本編と関係無く、いかにもミニゲームと言った内容。限られた装備で任務達成を目指すという形で、寧ろ『3』の「THE MERCENARIES」を彷彿させる。 後者は全5チャプターのショートシナリオで、後付けながら本編の補完も担うものでボリュームもそれなりにある。本編では華麗に立ち回っていたエイダだが、裏ではかなり苦労していた模様。また、チャプター間に流れる「エイダズレポート」には次回作への伏線も僅かながら盛り込まれている。 その他の特徴 ムービー中や戦闘中にボタン入力の指示が突然出される「QTE(クイックタイムイベント)」システムがある。 ボタン入力に成功すると敵の攻撃を回避できたりする。 HPの表示が従来の心電図からゲージ制に変更され、常に画面上に表示されるようになった。 これによりHP残量をいつでも一目で把握できるようになった。 また、従来のグリーンハーブ、レッドハーブに加えてHP最大値を増加させるイエローハーブが登場。他に比べて希少だが、HPを増やせばそれだけ生存率が高まるため、なるべく回収したい。 緑・赤・黄の3色を調合したハーブは全回復+最大HP増加という高性能に加えて高額で売れる。HPが上限に達しても使い道はある。 今回は毒のステータス異常が無いため、ブルーハーブは登場しない。 武器の残弾数もHPとともに常に表示されるようになり、任意のタイミングでリロードすることが可能になった。 逆にステータス画面でのリロードは不可能になった。これにより常にリロードタイミングを意識した立ち回りが求められる。 リロード時間も武器改造により縮めることが可能となり、システムとの釣り合いを図る意味でも変更されることとなった。 庇護対象のキャラクター「アシュリー」が同行することがある。 アシュリーもHPゲージが存在し、当然敵の攻撃も当たる。彼女が死亡したり、敵の手でマップ外に連れ去られた場合もゲームオーバーになる(*12)。 あるマップではアシュリー自身を操作して進む。当然、武器も体術も使えないので敵からは逃げるしかないが、テーブルの下をくぐって追跡をかわしたり、随所にあるランプを投げつけて撃退するといった行動が可能。 プレイヤーの実力に応じてゲームの難易度を自動調整する機能(いわゆるゲームランク)が搭載されている。 ミスをしないで進むとゲームランクが上がり敵の耐久力、プレイヤーへのダメージ、敵の戦意、後述のQTEの難しさが上昇していく。 最高難易度「PROFESSIONAL」では、このゲームランクが最高に固定される。ノーマルモードをパーフェクトにプレイした場合のゲームランクは最高難易度と同じだが、アーマー(防弾服)が買えない、終盤でヘリの援護がほとんどないなどの違いもある。逆に最低難易度「AMATEUR」はゲームランクの初期値が最低で、上がり辛く下がりやすい。 この仕様のおかげで下手な人でもある程度楽に進められ、また最高難易度もノーマルの最高ランクとほぼ変わらないためTPS初心者でもノーマルから入りやすく突破しやすいという丁度いいバランスになっている。さらに上級者にとって、様々な縛りプレイの余地があるのも素晴らしい。 手動で銃の照準を合わせる仕様の追加に伴い命中率が計上されるようになり、各チャプターの終了時とゲーム制覇時に総計命中率が表示される他、倒した敵とゲームオーバー回数も同様に記録されるようになった。ちなみにいくら外そうがペナルティはない。 これを逆手に取って、逆の意味で困難な「命中率0%プレイ」をニューゲームで成し遂げたプレイヤーもいる。必然的に火器を直接命中させることは出来ないので100%程ではないがやりこみとしては難度が高い。 後続作では命中率、死亡数、撃破数が全てスコアや報酬に影響を与えるので自由度が低下し、こうしたプレイは推奨されなくなってしまった。 レオンの持っている通信機を通じてアメリカ政府側のバックアップキャラや敵の幹部と会話する要素が採用された。 『メタルギア』シリーズの通信に近いが、シナリオ進行に応じて強制的に挿入されるのみであり、こちらからの自発的は通信はできない。 ここでのやり取りはレオンの不敵でアイロニカルな性格が遺憾なく発揮されており、名シーンがいくつも生まれている。 クリア後の追加要素 ゲームクリア後は、獲得した装備・資金を引き継いでの周回プレイができるようなる。シリーズとしては初の要素。 ショップに新たな装備が追加される他、品揃え・改造のラインナップも維持されるため、2周目も新鮮な気持ちで遊べる。 一度クリアすると先述の「THE MERCENARIES」の他、シリーズお馴染みのコスチュームチェンジも解禁される。 PS2版以降ではコスチューム2が追加されており、しかもアシュリーのそれがまさかの「フルプレートアーマー」である。 ありとあらゆる一切のダメージを無効化(*13)し、さらに「アシュリーを担いだ敵が重みで倒れてしまう」という効果が付くため、わざと捕まるように仕向けて囮役として利用できるようになるなど、可憐な容姿が台無しという点を除けば至れり尽くせりである。 性能だけではなく、受け止める度にレオンが腰を痛める、アシュリー操作時のメニュー画面でいちいちポーズを決める、など見た目通りのネタ的な面もある。 賛否両論点 ホラー性の縮小・減少 クリーチャー造形は良好で、少なくとも初見ではホラーゲーとしての醍醐味を味わえる。恐怖心を煽るような演出も少なくない。 特に即死攻撃を仕掛けてくるチェーンソー男、およびチェーンソー姉妹は序盤から登場するので、こちらの装備の不十分さもあいまって過去作品のクリーチャーとは別種の恐怖を与えてくる。 ただし、敵に柔軟に対抗できるアクションや武器が多いため、慣れるとアクション性ばかりが突出し、ホラー性が削がれてしまう。 例えば終盤に出現するクリーチャー「リヘナラドール」は、BGM・演出・デザインのいずれも充分にホラーゲーとしての水準を満たしているが、唯一かつ極めて有効な対処法が直後に見つかるので、折角の恐怖演出が全く長続きしない。 初遭遇時は倒すのが非常に難しい状態で3体ほどの襲撃を切り抜けねばならずかなり怖いが、対処法さえ手に入れば遠距離から一方的に倒せる上、倒すと高額の資金を確定でドロップする。初見以降は完全にボーナス扱いである。 強いて言うならライフルの残弾が僅かな場合や、狙撃が苦手な人なら外せないというプレッシャー(*14)から苦手意識を感じる程度。知っていれば対策としてライフルの残弾を温存しておくはずなので本当に怖いのは初見のみである。 強化版の「アイアンメイデン」もより醜悪な外見や初遭遇時の演出、攻撃方法は恐怖演出としていい塩梅なのだが、弱点はリヘナラドールと同じでしかも登場時には上記の対処法が入手済みなので、接近さえしなければ怖い相手ではない。 敵が従来作に比べてかなり多く配置されており、必然的に戦闘の回数が大幅に増えている点も、アクション性が突出する要因の1つである。 過去作とはゲームの雰囲気とシステムが大幅に変化している事もホラー性を削ぐ一因である。具体的には敵を倒すと金やアイテムが手に入ったり、素性不明の商人が武器を売ってくれたりといった面が当てはまる。 「朽ち果てたゾンビの群れをかき分け、崩壊した街から非力な生存者と道具をやりくりして脱出」という孤独な戦いだった『2』とは違い、「悪の組織である教団を懲らしめつつ攫われた身内の人間を助けるため自らアジトに乗り込む」というある種前向きな目的があるのも大きい。 実際は見込んでいた支援も早々に絶たれ、アシュリー以外の味方も次々死亡していく中での任務遂行という充分孤独な戦いなのだが…。 やはり武器商人の潤沢なバックアップと、旧知の仲であるエイダの存在。何よりレオン1人でも充分強いという点が孤独感の軽減に貢献しているからだと言える。 ゲームとして見れば納得も行くだろうが、「サバイバル」ホラーとしてのリアリティは過去作以上に薄まった印象が否めず、そもそもホラーゲーとして作っているのか?と思わせる演出・ギミックも多い。 刃状のペンデュラムの間を潜り抜ける、トロッコに乗って坑道を突っ切る、スタイリッシュにレーザーを避けると言った到底ホラーゲーとは呼べないシーンもちらほら。特に「歩き出した巨大サラザール像から逃げる」シーンなどはホラーどころか完全にギャグである。 見ての通り、これらは従来シリーズにはほぼ無かった「趣向を凝らしたギミック」であり、恐ろしい殺人トラップと言うよりは、それを突破する様子を受け手が楽しむためのエンターテイメント的な余興の意味合いが強い。ホラーとして必要なのかとかなり意見が分かれそうなところではある。 発売当時は一部でジャンル名「アクションゲーム」と紹介されていたりなど、元よりホラーと見做されていない節すらあった。最初のGC版パッケージ裏の煽り文句も「大統領の娘を救い出せ!?」というホラーらしからぬものである(*15)。 シリーズ恒例のゾンビが登場しない スタッフの「ゾンビは絶対に走らせない」という理念により、本作のガナードが考案されたとのこと。従来の「歩くゾンビ」が本作の戦闘システムに合わないことは間違いない。『3』の時点で走るゾンビがいたのには目を瞑ろう。 本作ではゾンビに代わって、「普通の人間に近い敵が殺意むき出しに襲ってくる」という新たな恐怖性を推しているのだが、敵の人間らしい動きが前面に押し出された。 これにより、これまでの「非人間的なクリーチャー相手に立ち回るホラーゲーム」としての要素はかなり薄れてしまっている。「もうバイオハザードじゃない」「名前を変えれば気持ちの整理がついたのに」という意見も出た。 また別の意見として、次回作以降は敵の高性能化が進み、最終的にはFPS/TPSのような銃撃の応酬がメインとなっていったため、そのターニングポイントとして本作を嫌う層も存在する。 身も蓋もないことを言ってしまえば、このガナードが新たな恐怖性に貢献しているか、と問われれば正直頷けないものがある。 恐怖性も感じられなくはないが、それも本当に最初だけ。出現頻度が非常に高い上に空耳が多い(どちらも後述)ためネタ扱いされることもしばしば。 もっとも、これはこれで本作を象徴する存在として愛されているので、一概に問題点と呼べるものではないが…。 キャンプメニュー関連 ナイフ以外の武器は従来のようにメニュー画面を開いて切り替える必要があり、やや面倒。 本作は多種多様なアイテムをまとめて所持できる上、手榴弾系のサブウェポンも強力なので、戦闘中にメニューを開いて武器を切り替えるべき場面は多い。特に「THE MERCENARIES」では顕著。 ただし、メニューを開いている間はゲームの時間が止まっているので余裕を持って落ち着いて武器を選んだり回復することができ、敵の眼前でも瞬時に武器を切り替えられたりなど、初見のプレイヤーには優しい仕様でもある。 今作の煩雑なアイテム管理のシステムはリアルタイム進行との相性が悪いことに加え当時のハードの性能的な事情もあり、リアルタイム性を犠牲にするのは致し方ない面もあるだろう。 VR版では片手武器・両手武器・回復アイテム・手榴弾の4カテゴリを同時に装備する方式に変更されている。 アシュリーについて 庇護対象であるアシュリーには設定上当然だが戦闘能力が絶無に等しく、何かと足枷になりやすい。 「敵から離れろ」といった臨機応変な号令は出せないので、敵に襲われにくい地形やコンテナの中で待たせるとよい。しかし、前者はレオンが戦っている最中でも「どこに行くの、レオン!?」と頻繁に叫ぶため、とあるソニックシリーズの作品でのサポートキャラ並みに少々鬱陶しく感じることもある。 体力の初期値/最大値がレオンの半分となっており、敵の近接攻撃1回で瀕死になりやすい。 標準的なガナードはアシュリーを担いで連れ去ろうとするため、レオンへの攻撃の巻き添えにさえ注意すれば基本は攻撃されない。しかし、それ以外の敵は平然とアシュリーを殺傷しようとするものも多い。 また、レオンの攻撃は体力に関係なく一律即死。ハンドガンやナイフを手足に当てただけでも死んでしまう。敵に担がれたアシュリーを助けようとしてうっかり当てようものなら即任務失敗である(*16)。 なお、『RE 4』では、彼女に銃弾の標準が強制的に合わない様に改善されているが、破片手榴弾などの他の武器で彼女を巻き込んでしまうと死亡させてしまうリスクの改善はされていない。 レオンの射線に入ったり、敵に近寄られるとしゃがんでしまう。このため、慣れないうちは敵に囲まれた状況を脱しにくい。 もっとも、この仕様は上述した「アシュリーがいきなり射線に飛び込んでくる → うっかり誤射 → ゲームオーバー」の防止に繋がっている。また、待機指示を出していない状態ならばレオンの前方にいない限りは自動で背後に移動するので誤射の心配はあまりない。 古城にある「水の広間」ではレオンが一階の敵を捌きつつ、2階でクランクを回すアシュリーを護衛しなければならない。的確な狙撃と状況判断を求められるので苦戦しがち。 梯子を上る事はできても基本的に降りられないので、いちいちレオンが下で受け止めなければならず面倒。しかし「なぜアシュリーは梯子を降りられないのか?」については一切理由付けがない。AIの技術が発達してないからであろうか? レオンは着地可能な場所ならどんな高さからでも飛び降りられるがアシュリーはそうも行かないので受け止める必要がある。それは分かるが、「レオンは降りる時に梯子なんか必要ないから使わない」→「レオンが梯子を使わないからアシュリーも使わない。でも高所から飛び降りられない」→「よって、梯子があってもレオンが受け止めなければならない」というのは些か疑問である。 なお、アシュリーパートで直接操作する際は昇降ともに可能なので、システム的に実装できなかった訳では当然無い(*17)。 なお、『RE 4』でのアシュリーはちゃんと自力で降りるので、その辺りでの矛盾は解消されている。 またアシュリー本人の問題ではないが、ルイスや主人公であるレオンからすらもセクハラ発言を受けていると取り得るシーンもある。 先述のように本作のレオンのキャラ人気は非常に高く、女性人気をも獲得している程なので、若い女性プレイヤーはもしかしたら気になる点かもしれない(本作の本来のターゲット層ではないが)。 もっとも、ハリウッド映画的ノリとしてはよくあるジョークだし、現在ほど性に過敏な時代ではなかった頃の作品としてはさほど珍しくもない程度。アシュリー自身も真に受けず軽く流している。しかし後のVR版では修正されており、『RE 4』でもこれらのセリフが削除されている。 本作の特徴でもある庇護対象なのだが、実際のところは同行するシーンはそれほどない。 チャプター2-1のラストで合流し、しばらく行動を共にするのだが、3-1のラストでまた捕まってしまう。3-4でのアシュリー操作パートを経て合流するが、次の4-1の途中で早くも捕まる。 そして、次に合流するのは5-1のラストとかなり後。ところが次の5-2のラストではまたしても捕まる。あとはラスボス直前で救出するので、一緒に進むステージはほぼ皆無も同然(*18)。 見ての通り、最初以外は合流しても次のステージですぐに捕まっている。いくらなんでも簡単に奪い返され過ぎである。このワンパターンさは後述するシナリオの問題にも繋がっている。 いない方が自由に戦えるという点も確かにあるが、本作の特徴の1つとして前面に出した割にはややおざなりな印象も否めない。単純に後半のアシュリーの出番の無さ、影の薄さという問題も。 ただし、ホラー物にありがちな「味方を罵ったり、ヒステリーを起こして事態を悪化させる」といった不快な行動はほとんどない(*19)。 ストーリー中ではヒロイン役をきちんとこなしており、容姿も童顔且つ上述のようなセクハラ発言を受けるだけのプロポーションの持ち主であり、キャラ人気は高い。 ゲームとしては基本的にレオンの後を付いてくるだけなので、ありがちな「2人分の操作が複雑」や「AIが馬鹿で、勝手に動いて死んだりアイテムを使う」的なイライラはない。 また、戦闘能力を持たないという設定は最後までしっかり守っており、同じ女子大生でも重火器の扱いに長けてクリーチャーを倒して回る某妹のようなツッコミ所もない。敵の凶器攻撃には多少耐えるけど。 アシュリーはアメリカ合衆国大統領の娘であり、大学にも通っているので相応に賢い。それは分かるのだが、なんとゲーム終盤で自信満々にブルドーザーを操縦するシーンがある。 乗り込む際には「Leave to me Leon (私にまかせて!レオン)」と言い放つ上に、実際の操作も淀みなく、排土板で障害物を破壊してみせる。 しかも前述のセリフが、よりにもよって「見ててみぃレオン!」という空耳に聞こえてしまうので、なおさらネタにされやすい。 この違和感を解消するためか、『RE 4』では工業系の大学に通っている設定が追加されている。 問題点 カメラに関する操作性 前述のように、本作は従来の「固定カメラ切替方式」から「ビハインドカメラ方式」…つまりTPSに変更されているのだが、これに若干の問題がある。 一般的なTPSは「左スティックで移動、右スティックでカメラ移動及びエイム」である。しかし、本作は「左スティックで移動及びエイム、右スティックでカメラ移動」となっており、基本的に変更不可(*20)。つまり右スティックでのエイムができず、一般的なTPSに慣れたプレイヤーだと少々やり辛い。 TPS経験者には違和感のある仕様といえるが、本作からこの様なジャンルのゲームに初めて触れる様な人や過去作の経験者であれば「こういうものなのだろう」と受け入れることが出来るくらいの問題ともいえるが。 この操作方法のため、移動しながらの攻撃は不可能。いちいち立ち止まって攻撃するのは旧作の特徴に則っているのかもしれないが、アクション性が大きく向上している分、気になる点である。 なお、過去作と違って照準の自動補正はない。細かな弱点を突かないと厳しいゲームデザインもあり、むしろアクション面でのハードルはかなり高くなっている。 この辺りは他にTPSのプレイ経験があるかどうかで大きく見方が変わってしまい、TPSのように緻密さが要求される操作性にするとこれまでのプレイヤーがついて行けなくなる可能性も捨てきれない。 結果的にはFPSにとらわれず独自のプレイフィールをもたらし、落ち着いて射撃できるという利点も存在する。 「走る」が右スティック付近のボタンに固定されており、ダッシュ中はカメラ操作が困難になるのも不便。 本作は当初GC独占供給と発表されており、「ボタンの少ないGCコントローラに合わせた操作性」との見方もある。 VR版では現代のFPS/TPSや、他のVRゲームに準拠したスティック操作に変更されている。 人によっては3D酔いを起こす場合がある。「前作までは全部クリアしたが、今作は最初の村で断念した」という人も。 物陰にアイテムが隠されている場合も多い。アイテムの位置を知らない初心者ほど、上下左右に視点を動かして探すので酔いやすくなる。 中盤のアシュリー操作パートでは、視点が『CV』のような半固定カメラになり、これ自体はファンサービスとして機能している。 しかし操作感が通常のTPS視点と変わらないため、従来のラジコン操作と比べて旋回性能が低く、もっさりしていてかなり操作しづらい。カメラワーク的にも敵の位置が捕捉しにくいため、画面に映っていない敵にいきなり掴まれてしまうことも。 なお、海外版ではこのアシュリー操作パートでもTPS視点にされている(*21)。無論こちらの方が操作はしやすい。 QTEに対する不満 ムービー中に多く見られる強制発生のQTEは、基本的に「成功=生存/失敗=死亡」となっている上、入力候補の全押しが通用しない(*22)ために落ち着いてムービーを見ることができず、入力のシビアさも相まって初見殺しと化している。 1つのムービーで何度も発生したり、連打の後に他のボタンの同時押しを要求されるなど、悪い意味で隙が無い。特に、難易度プロの落石やクラウザーとの初遭遇ムービーは極めてシビア。タイミングが合わない人は何十回も死に続ける。 落石は連打 → 他のボタン同時押しの例で、しかもかなりの連打を要する。これが序盤から登場するため、冗談抜きにここで詰まるユーザーもいた。 クラウザーとの初遭遇ムービーはかなり長いうえにスキップできない(*23)ので、途中で失敗=死ぬとまた見直す羽目になる(*24)。 本来のゲーム性と関係ない部分で行き詰まっては何度もリトライさせられるなど、ストレスを感じる方が多いのでかなり批判された。QTEに関する議論や掲示板でも、「悪いQTEの代表例」として『4』『5』『6』の3作が挙げられる場合が多い。 カプコンも流石にまずいと感じたのか、Wii版(リモコン有)のQTEは難易度が低くなっており(*25)、PS4/One/Win版は入力候補の全押しが通用する。VR版では全てコントローラーを振るか、特定の方向に動かすとなっている。 「ムービー中のQTEは失敗=即死」で「全押しが通用しない」ので極めて評価が低いが、「戦闘中のQTEは成功=回避(失敗や無視でも即死ではない)」で「全押しや連打が可能」なので、むしろ大幅に有利になる場合もあり、高い評価を与える人もいる。 この2種類のQTEの違いが混乱を招く場合もある、「あれ? 全押し通用するのか!」からの「全押し通用しない死」は多くの人が陥っただろう。 回避アクション中は無敵だが、終了後の位置関係や攻撃判定の持続時間によっては被弾する事がある(ヴェルデューゴのシッポ攻撃など)。 これ以外に戦闘中のQTEは「入力表示中に攻撃できない」という現象を高確率で引き起こす(特にクラウザー戦で起きやすい)。 今作のボスはマグナムなどの高火力武器で怯むこともあるので、「敵の攻撃を潰せる状況で、なぜか発砲できずに被弾」という現象は理不尽。 「ムービー中のQTE」とも「戦闘中のQTE」とも異なるものに、「戦闘中の体術」がある。体術は発動条件があり(頭を撃って近づけば回し蹴り、膝をつかせて近づけばベリィなど)、プレイヤーの意志で発動できて爽快感があるので、とても評価は高い。 ステージの問題 本作は1周あたりのボリュームがあり、バリエーションに富んだ敵やステージが用意されているので、数周は飽きずに楽しめる。 しかし、それでも一本道感が強いために退屈だったり面倒臭く感じる場面も少なくない。 特に中盤の古城のステージはその長さに加えて、テンポが悪くやれることが少ないアシュリー操作パートの存在もあって中だるみしやすい。大量のガナードに襲われるパニックホラー的なインパクトもあり、「序盤の村が一番楽しかった」と語るユーザーも多い。 例を挙げると古城の終盤から孤島全体にかけて、「仕掛けを作動させる → 敵が出現し、仕掛けを解除される → 敵を倒し、仕掛けを再度作動させる → さらに敵が出現する」といったパターンが多く見受けられる。 さらに、仕掛けの半分近くが連打系統で面倒。パートナーに任せても結局は敵との長い戦闘と同じことの繰り返し。なぜこのような手順を踏む必要があるのだろうか。 他にも孤島は仕掛けがカードキー一辺倒で捻りがなく、かなり不評である。 敵クリーチャーの配置が極端にガナードに偏っている。 旧作でもゾンビが圧倒的に多く登場していたが、中盤以降はハンター・リッカー・ドレインディモス・エリミネーターと言った「高HPと素早さを両立した中堅クラスの雑魚」の配置が増えていた。 しかし、今作は終始ガナード尽くし(*26)であり、時々「集団中ボスのような扱いで他クリーチャーがまとめて出現」というパターンの繰り返し。 また、劇中のファイルにある「プラーガを植え付けられたもの同士は意志疎通できる」という設定が敵配置に活かされていない(*27)。エルヒガンテに至ってはムービー中で味方のガナードも御構い無しに叩き潰す始末で、プラーガの支配がほとんど意味をなしていない。 ただし、エルヒガンテや設定上のガラドール(*28)に限らず、プラーガが寄生しているからといって完璧に連携が取れる訳ではない。意思疎通できると言ってもそれで知能の低下や狂暴化を補えるほどではないようである。 ガナード以外ではコルミロス・アルマデューラ・ガラドールなどが存在するが、どちらも出番は3回程度で、カラスやヘビにすら劣っている。 リヘナラドール系とノビスタドールは出現数が多いが、後者に関しては出現数が多いだけで、登場機会自体はやはり3回程度しかない。 だんだんとホラーではなく戦争モノになる流れ。 最初は顔色悪い村人 → プラーガ露出と薄気味悪い要素からクリーチャーモノヘ上手く変化するが、古城 → 孤島となるにつれて敵のビジュアルが傭兵のような武装兵になり固定砲台のガトリングや大砲、ロケットランチャーなどで武装し始める。ついには携行式のガトリング砲で武装した敵なども出現し、機銃や爆撃の音が鳴り響く戦場と化してしまう。 こうなると『バイオハザード』よりランボーや他の戦争映画の様に見えてくる。思い出した様に中ボス戦やプラーガ露出を入れてくるが、近代兵器を振り回してくる敵にもはやクリーチャーを相手にしている感じはない。 要するに「敵が武器を持つガナードに偏っている → 終盤だから強い敵を出す → 戦闘向けの兵士タイプがぞろぞろ出てくる」というのがこの原因であり、孤島エリアでも「旧作B.O.W.っぽいリヘナラドールやアイアンメイデン登場」などといった場面は普通にホラーとして評判は悪くない。 設定上、ここでプラーガの研究が行われていた手術室や実験室があるので、ここで製造されていたはずのガナード以外のクリーチャーがメインで出てくるようにすれば幾分印象も変わっていたかもしれない。 孤島以降に出現する戦闘員は、宗教団体の私設部隊なので重火器が扱えないという設定。しかし邪教徒を含め、何故かロケランとガトリング砲台を扱う個体がいる。 また、ゲーム開始が昼間で明るく、途中から夜になるが前半に集中し、中半は「照明明るい城内」後半は「敵要塞」と暗がりが少なく、そしてまた明るい外に出る。 次回作ほど真昼間ではないが、前3作の様な「薄暗い不気味な場面」や「夜の不気味さ」が少ない。特に城内は赤い絨毯やシャンデリアなど、どちらかというと「華やか」な場面が多い。 前作のリメイク版『バイオハザード』や『バイオハザード コード ベロニカ』が「暗すぎてアイテムが見えない」とよく指摘されたが、確かに明るくなりそういった問題点は解消されたものの「人が生活する明るさ」のレベルである。 ゾンビではないガナードの「普通に暮らしている寄生された人達」の演出もあるだろうが次回作を含め、明るい方へ偏っている(*29)。 シナリオの完成度 アクション映画的な演出や息つく間もない連戦の数々でプレイしている最中はあまり気にならないかもしれないが、見回してみると本作のシナリオはシリーズ中でもかなり薄くツッコミ所も多い。 + ネタバレにつき折り畳み レオン達をどうしたいのか謎の敵陣営。 序盤でレオンを気絶させて監禁し、プラーガの卵を植え付けるのだが、その直後にガナードが大斧でレオンを殺しに来る。レオンを洗脳して味方にしたいのか、それとも始末したいのかはっきりしない。 「レオンと共に監禁されているルイスを処刑しに来た」という見方もあるが、この時点ではルイスから重要な情報を引き出せていないため、やはり不自然さが残る。 その後の調べで、監禁はサドラーの命令を受けた村長によるものと判明し、さらに進んだところでレオンは村長に拘束される。しかし、村長は「同族になったようだが目障りになるようなら容赦しない」という旨の発言をした後、レオンを解放してその場を去る。捕獲するつもりはないのかと思いきや、そのすぐ後に「脱走したレオンとルイスを捕獲せよ」という村長からの指令文が見つかる。 アシュリーは教団の企みにとって欠かせない存在であり、死なせると利用価値を失ってしまうので「殺さずに奪い返せ」という命令が下っているはずなのだが、村長もサラザールもその他のいろんな敵も、アシュリーを殺す気でいるとしか思えない行動をとっている。 村長はアシュリーを連れて逃げるレオンに対して、知性が低くまともに制御できないエルヒガンテを放ってくる。進行ルートによっては遭遇しないものの、エルヒガンテはアシュリーに対しても見境なく攻撃するだけであり、明らかな人選ミスと言わざるを得ない。サラザールはアシュリーを殺そうとしたり(*30)、捕らえて儀式を行おうとしたりと行動が支離滅裂。2人ともサドラーの命令に従っているのだろうか?(*31) 標準的なガナードは、レオンを見かけると攻撃し、アシュリーを見かけると捕まえようとする。これ自体は問題ないのだが、レオンへの攻撃にアシュリーが巻き込まれる可能性があり、体力次第では死亡してしまう。 そしてガナードは様々な武器を使う。たとえば手斧・鎌・フレイル・スタンロッド・チェーンソー・ボウガン・ダイナマイト、投石器など。どれもたいへん危ない。とくにダイナマイトや投石器は大雑把な範囲攻撃であり、アシュリーを巻き込む可能性を考えると迂闊に使用すべきでない(*32)。にもかかわらずアシュリーがそばにいても平気で使ってくる。 サドラーと初めて対峙したとき、邪教徒ガナードがアシュリーを連れたレオンに対してボウガンを放ってくる。間一髪で避けられるのだが、紙一重でアシュリーに当たりかねなかった。レオンよりもアシュリーに当たりそうだったほどに。 ガナードが車やトラックに乗ってレオンとアシュリーめがけて突っ込んでくるという場面がいくつかある。うまく対応できなかった場合、レオンだけでなくアシュリーも死んでしまう。 物語後半ではブルドーザーで移動する場面があるのだが、運転席にいるのがアシュリーだけであるにもかかわらず、なぜか正面からトラックが突っ込んでくる。また、この場面のガナードはアシュリーを捕獲しようとせず、手持ちの武器で迷うことなく攻撃してくる。 これらの行動でアシュリーが死んでしまえば当然のことながら計画は失敗。合衆国からの恨みだけが残る。人質という抑止力を失ってしまえば、名前も活動地点も割れている教団に未来はない。まさに百害あって一利なし。いったい何を考えているのか本当に理解不能。 余談だが、約2年前にもカプコンは生け捕りにしなければならない主人公を敵が明確に殺そうとするゲームを出している。もはや割り切っていたのだろうか? サラザールが差し向けるボス「ヴェルデューゴ」の1体は戦闘前にレオンの退路を断つ。もう1体とは直接戦わないものの、レオンがサラザールに刺したナイフを引き抜き投げ返す等、知性の高さが窺える。 しかし前者はレオンがエレベータで逃げた場合、主の命を受けているにもかかわらず追ってこない。 ヴェルデューゴは高い身体能力と、床下や天井裏の僅かな隙間に潜める柔軟性を併せ持っており、エレベータシャフト程度は苦もなく通れるはずなのだが…。なお、レオンが戻れば再戦可能。 サドラーはサドラーで、頻繁に連絡を入れてきては「不敵な笑みを浮かべて余裕ぶった態度で挑発を繰り返す」という姿勢を崩さない。 これは序盤から最後まで終始一貫しているのだが、そうこうしているうちに村長とサラザールを倒され、教団はほぼ壊滅状態となり、やがてアシュリーを奪還され、体内のプラーガも除去され、最終的に自分も死ぬという間抜けな末路を迎える。 その末路は、殺す事もできたエイダを見せしめとして生け捕りにした結果、エイダからレオンに渡ったロケットランチャー(特殊弾)で爆殺される(*33)というもの。いくらなんでもあんまりである。彼は今回敵対することになる教団のトップであり、自称「この教団のカリスマ」とのことなのだが…。 目前にレオンがいるのに殺さず立ち去り、部下を殺されても悔しそうな様子は一切見せないなど常に余裕ある態度を取るため何か強力な切り札でもあるのかと思わせられたのだが、特にそんなものはなかった。 最終決戦でも、レオンを体内のプラーガを通じて操ろうとするも、既にすぐ手前の部屋にあった放射線機器でプラーガを除去されていたために失敗する。そんな所にあったら使われるに決まっているのに、まだ寄生されていると思って得意げに手をかざし「無駄だ」と返される様は実に間抜けである。 最初の敵である村長、中盤の敵であるサラザール、最後の敵のサドラーと三度に渡って「いかにも仕込みがありそうな敵なのに、普通に戦いが始まって倒したらそれで終わり」という展開になるのでとにかく単調である。 村長もサドラーも、対決前のイベントではレオンを圧倒したりエイダの銃撃を物ともしなかったりなどで「こんな奴に勝てるのか」と思わせるような強大さをアピールする割に、いざ対決となれば普通にクリーチャー化して普通に倒せてしまう。 人間の姿の時の方が強いのでは、と言いたくなる。実際PS2版以降で追加されたエイダのシナリオで人間状態のサドラーと戦闘する場面が存在するのだが、クリーチャー化した後より強敵と言われることが多い(*34)。どうやらこの教団にカリスマはいなかった様だ。 サラザールに関してはひたすら小物感を出しながら、最後に「プラーガ母体と融合して巨大なクリーチャーと化す」という形で意表を突いてくる。他に比べれば仕込みがあり、インパクトも残せている。 ただ、この母体も重要な存在の割にサラザール共々終盤に差し掛かる前に倒してしまう訳だが。 レオン側の行動にもツッコミどころがある。 レオンが落とし穴に落ちた際に鉤付きワイヤーを使って落下を防いだり、アシュリーが攫われそうになったときに咄嗟に発信機をくっつけるなど「そんな便利な道具があるなら最初から使え」と言いたくなるシーンがある(*35)。 レオンはアシュリーと合流した後に合衆国に救援を求めるのだが、寄こされる救援はヘリ2機のみ。大統領が絡んでいるにしてはあまりにも援護が頼りなく、案の定どちらもカプコン製ヘリのお約束で撃ち落とされてしまう(*36)。 一応、裏切り者の存在から合衆国は戦力を小出しにせざるを得ないという説明が作中ではなされているが…。 作中では何度か危険な感じがするからとアシュリーを待たせてレオンだけで進むシーンがある。しかしボス戦前は分かるのだが、あるマップは説得力に乏しい上にかなりの時間放置することになる。 そこでアシュリーを待たせる理由は、1人乗りっぽい動く足場があったからというだけ。結果的にその奥のマップでキーアイテムを回収して戻ってくることになるのだが、そんなことはこの時点では分かりようもなく、普通に考えてこういう所で庇護対象を放置するものではない。 しかも、ボス戦前のように「隠れてろ」とは言わず、ただ「ここで待ってろ」と告げるのみ。ゲーム的には大丈夫とは言え、もしその間に敵に捕まったらどうするのだろうか。しかもここは、奪い返されていたアシュリーを再度救出した直後である。 メタ的な話をするなら、その奥は炎のトラップやギミックが施された危険なマップであるため、アシュリーがいたら攻略上不都合だと言うことかもしれないが、ならばアシュリー同行時に行くようにしなければ済んだ話ではないだろうか。 全体的に、ゲーム的な都合なのはわかるとはいえ状況にそぐわない行動が多々指摘されており、バカゲー的な雰囲気が出てしまっている点は否めない。 敵味方のどちらにしても「ゲーム中でのキャラクターの行動」と「シナリオを考慮したときの行動」がまるで一致していない。矛盾すらしているため非常に強い違和感が生まれている。 こういう問題がシナリオに起因しているのは事実だが、一部の演出を少し変えることで回避できた場面もあったはず。 上でも記されているが、サラザールが吊り天井の罠でレオンをアシュリーもろとも殺そうとしたり、アシュリーが運転するブルドーザーにトラックが突っ込むような描写は完全な蛇足であろう。 カットしてもシナリオの大筋に影響はないし、むしろ付け加えているがために余計な違和感が生じている。まさに蛇に足を描き足す行為である。 これはシナリオライターだけの問題ではなく、制作スタッフ全体がおざなりに作っているように思える。一応シナリオに関しての理由はあるようだが、それは後述。 根本的な問題として、本作のストーリーはかなり盛り上がりに欠けている印象が否めない。 基本的に本作は「敵を倒しつつ先に進む → アシュリーが合流/離脱 → 幹部から連絡が来る」という流れであり、それが終始続く。 『1』の仲間の裏切り、『2』終盤のドラマチックな展開、『3』の主人公のTウイルス感染、『CV』のスティーブの悲劇といった、過去シリーズにはあった危機的盛り上がりが少ない。 ルイスについてはレオンとの共闘やその最期などから本作では比較的盛り上がり所を担ってはいるのだが、ストーリーの約半分が終わった頃というかなり早い段階で退場してしまう。 エイダとの関係も、再会しただけでストーリー上の大きな進展はなし。背後に見えるウェスカーの影も結局影だけで終わる。最終ボスとの決着も『2』のオマージュであり、全体的に淡白。 レオンが上述したように肉体的・精神的にタフになったのに加え、エイダの方も女スパイのイメージをより強調した峰不二子のようなキャラになっているので、この2人のやり取りはハリウッドのアクション映画的ノリが強い。 ライバル格であるクラウザーに関しては戦闘シーンこそ大掛かりなイベントで描かれるものの、レオンとの因縁などの過去に関してはほとんど語られない。 そもそもレオンと遭遇したそのチャプターで倒されてしまうという退場の早さなので、掘り下げるのが難しかったか。彼の掘り下げは後の『ダークサイド・クロニクルズ』まで待つことになってしまった。 サポートキャラのハニガンも城に入って間も無く通信不能、次の登場はエンディング後という影の薄さ。通信機も、ゲームの3分の2は敵との会話専用機になってしまう。 危機的盛り上がりとなり得る「序盤からレオンとアシュリーを蝕み続けていた寄生体」についても、上述した通りラストバトル前に都合良く設置された放射線機器であっさり除去されてしまう。 作中では徐々に侵食が進む様子が描かれたり、孵化したら普通の方法では除去できないなどと語られ、「一体どうなってしまうのか」と緊迫感を与えるのだが、最後の最後で急に出て来た機械で一発解決である。 しかも薬で抑制を続けてきたレオンはともかく、彼よりも先に卵を植え付けられて抑制もしていなかった(*37)アシュリーすら簡単に除去に成功するのはいささか拍子抜けであり、御都合主義と言わざるを得ない。 アシュリーは作中でも「儀式」なる何かを施されたり、「たぶん彼女が先にやられる」と忠告されたり、終盤にはサドラーに操られるシーンすらもある。 これらの描写から体内のプラーガは相当成長が進んでいるように思えるが、除去の処置は少し苦痛に喘いだだけで驚くほどあっさり済んでしまう(*38)。 直前にも怪しい機械に掛けられており、レオンに助けられた時は意識が朦朧としていたのだがマップを切り替えた瞬間に正気に戻っており、普通に歩けている。 エンディングではアシュリーがレオンに「あの女の人誰なの?」とエイダのことを尋ねるが、そもそもアシュリーはエイダとまともに会っていない。 一応、ラスボス前に救出するシーンではエイダが敵に銃撃する隙にアシュリーを助けるが、前述の通りこの時のアシュリーは意識が朦朧としており、エイダの存在を認識できているかも怪しい。 流石におかしいと思われたか、やや強引だが「the another order」にてラストバトルの最中にエイダとアシュリーが目を合わせている場面が描写された。 最終的に爆破された孤島はともかく、村や古城で生き残ったであろうガナード達がその後どうなったのかが全く語られていない。 プラーガに命令する教団の幹部が全員死亡し、村の入口も崩壊したので犠牲者が増えることは無いだろうが、危険な寄生生物であるプラーガとその宿主が多数健在なことに変わりはなく、一抹の不安が残る終わり方となってしまっている。 これと同様の結末は『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王』などでもあるので、この手の微小生物系の「生物災害」のシナリオでつきまとうものとも言える。 強いて言えば前々作と前作で「ミサイルで街ごと破壊して滅菌」という力尽くで解決した例がある。また、後のシリーズでは対B.O.W.特殊部隊などが事件後にクリーチャー殲滅を行なう描写もある。 ただ、この手のシナリオにおける主人公の目的の大半は「生きて脱出すること」であり、それを保留にしてまで自力での脅威の殲滅に拘る作品はそうそう無い。本作のレオンも「アシュリーの捜索・奪還と保護」が目的であり、ましてやアシュリーを連れ回してまでプラーガ殲滅などする理由も無い。 後の作品ではやはり爆発で解決したり、また特殊部隊が乗り込んで解決するという例もあるので、中途半端な描写は制作側も意識していたのだろう。 PS2版の追加シナリオ「the another order」の一部が本編と矛盾している。 序盤の村でエイダが敵に捕まって長時間意識を失っていた事が判明するが、本編の時系列的ではレオン宛ての手紙を書いていた時であり、矛盾が生じる。 本編のレオンは「村長に襲われるもエイダに助けられる」→「湖へ向かい、ボスを倒した後に意識を失う」→「目覚めた後、エイダからの置き手紙を発見する」→「アシュリーを救出し、ルイスと共闘」の流れを踏んでいるのだが、こちらのエイダの足取りは「村長からレオンを助ける」→「直後、村長に麻酔銃を撃ちこまれる」→「殺されかける寸前で目覚めて窮地を脱する」→「レオンと共闘した後のルイスと接触」である。見ての通り、手紙を書いていたはずの時期は丸々眠っていたのである。 この追加シナリオはいわゆる「後付け」だが、後付け故に辻褄合わせはやりやすかったはず。 ついでに言うと「村長からレオンを助ける」のイベントにはちょっとした発生条件があるため、プレイヤーによってはこのイベントを見ていないというケースもある。そういう意味でもさらにおかしい。 それまでの諸悪の根源であった巨大製薬企業「アンブレラ」が、今作ではストーリー開始前に崩壊している。 しかもその理由が「アメリカ合衆国による業務停止命令」とあっさりしたもの。「アメリカ自体がアンブレラの有力な顧客である為、表立ってアンブレラの悪事を糾弾できない」という公式設定があったのだが…。 これに関しては、後の『アンブレラ・クロニクルズ』等において「ラクーンシティ消滅という最悪の事態が発生しアメリカ政府がこれ以上の隠蔽が不可能と判断して業務停止に踏み切った」という回答でフォローされている。 だがいずれにせよ『3』のエピローグでは事態を隠蔽し続ける社会的な巨悪との孤独な少数派の戦いといった趣を呈していたこともあり、また『2』も『CV』も「さあ!反撃開始だ!」と言わんばかりのエンディングだったため、アンブレラへの本格的な反撃が始まるものとばかり思っていたプレイヤーにとっては肩透かしとなってしまった。 『2』のラストで「アンブレラをぶっ潰す」と息巻いていたレオンが合衆国エージェントになっている件については、『3』のエピローグで示唆はされていた。しかし『3』で決意を新たにしたジル、『CV』でやる気満々だったクリスがどこで何をしていたのかが明かされるのは『UC』まで待つことになってしまった。 開発初期のトレーラーやプレイ動画を見る限り、おそらく初期の段階ではレオンによってアンブレラとの決着が着けられるという内容になるはずだったのではないかと思われる。 このように本作のシナリオは問題点が山積みだが、何しろこれはわずか3週間で作られたストーリーなのである。制作側もストーリーの問題点は把握していた模様(後述)。 これを踏まえてか、次回作の『5』以降はストーリー性が大幅に向上している(*39)。 武器・アイテム周りのシステムについて 入手アイテムのケース内への自動配置が機械的で、散らかりやすい。 どんなアイテムでもケースの左上から収納していくため、アイテムを拾えば拾うほど弾薬・回復薬・手榴弾が雑多に配置されてしまう。 デフォルトの向きで置けない場合は右に90度回転させてスペースを探すもののそれ以外の機能、例えば種類別の自動整頓はない。 消費アイテムの多くは2x1マスのサイズだが、回復薬と手榴弾は縦向きに、弾薬は横向きに置かれてしまうことがより拍車を掛けている。 弾薬を無限にする手段が本作には(一部の武器を除いて)存在しないので、特定の武器のみでプレイしたい場合は弾薬の確保に悩まされる。 ハンドガン、ショットガン、マシンピストル、マインスロアーの弾薬は、一定数所持しているとランダムドロップの候補から外れてしまう。その他の武器はドロップ制限が無い代わりに確率自体が低い。 例外としてハンドガン系のみを所持している場合は、ハンドガンの弾薬のドロップ制限がほぼ無くなる(999発になる)。 そのためハンドガン縛りは比較的容易であり、開発側も想定しているものと思われる。それなら他の武器も同様の仕様にしてくれても良さそうなものだが…。 このためハンドガン以外の武器で縛りプレイを行うには、予め周回して弾をストックしておくしかない。 ショットガン、マシンピストルは弾薬が特定箇所に固定配置されているので、周回していれば、相応の時間は掛かってしまうが必ず集まる。マインスロアーは弾薬の固定配置が無く、弾を集めるためには工夫(*40)が必要。 弾数無限の隠し武器を購入できる(=ゲームバランスが崩壊してもいい)2周目以降で弾薬購入を解禁してくれれば、特定武器による縛りプレイもやりやすかっただろう。 その一方で、ハンドキャノン本体が弾数無限でも弾薬はドロップし続けてケースを圧迫する等、少々困った仕様もある(*41)。 その他細かな点 本作では銃器でギミックを動かす箇所が複数存在するほか、ナイフで倒せない一部の敵(*42)が撃破必須となっているため、シリーズ伝統の縛りプレイ「ナイフクリア」でも銃を持ち歩かないと詰むシーンがある。 もっとも「ナイフクリア」は初代の時点で完全な達成はバッドエンドでしか不可能な縛りだったりする(*43)ので、元々「絶対無理なところは仕方ない」プレイなのだが…。 体術アクションが可能な敵と、ドロップアイテムが重なると体術が出にくい。 というのも、敵が近くにいる際にアイテムを取得すると、体術が可能な状態の敵であってもコマンドが消えてしまう。 ハンドキャノンの微妙な性能と入手方法。 入手条件は「THE MERCENARIES」において、5キャラx4ステージの全てで6万点以上を取るというもの。 時間延長アイテムの確保や独自のスコアシステムを把握しないと厳しく、特に巨大チェーンソー男の処理が難しいレオンはステージ4が鬼門。 そもそもこのハンドキャノン、こうまで苦労して入手するほどの武器かと言われれば、正直かなり微妙なところである。 一応2x4マスという省スペースで、限定仕様にすれば威力99.9+弾数無限になり、弾薬も高額で売れるという高性能な武器ではある。 しかし、シカゴタイプライター(*44)の方が圧倒的に強力で使いやすい上、入手も遥かに簡単なのでハンドキャノンの立つ瀬がない。 Wii版以降ならP.R.L.412も恐ろしく強力なので、ますますハンドキャノンの価値がない。せめて入手条件が逆なら良かったのだが…。 国内GC版には「ガナードを頭部攻撃で倒すと頭が吹っ飛ぶ」というゴア表現があるが、PS2版以降ではカットされている。 その割に、プラーガが出てくる場合はどこを狙っても頭が吹っ飛ぶ。レオンが原因じゃないからいいということか? ただ、頭部攻撃で頭が吹っ飛ぶと、倒したのかプラーガが出現したのか瞬時には判断できないというデメリットもあるのでこれに関しては一概に悪いとも言えない。 レオンが特定条件で使用できる体術「ベリィ・トゥ・ベリィ」は、海外版ではそれで倒した場合は頭部が破壊される演出が入る。 しかし、PS2版以降はガナードの頭部が破壊されない為、倒したかどうかを振り返って、あるいは音で確認する必要がある。 なお、海外版は全ハードで規制はなく、他にも「特定の即死攻撃でレオンの首が取れる」など国内版では見られないゴア表現が用意されている。 ちなみに、ゴア表現のデータ自体は日本版にも収録されているものの、正規のプレイでは規制を解除できない仕様となっている。 総評 ゲームシステムのフルモデルチェンジに成功し、完成度の高い傑作アクションホラーゲームに生まれ変わった。 今作によって本シリーズはハードパワー的な制限による過渡的な仕様を脱し、3D空間の中に没入して戦闘を繰り広げる、よりリアルなゲームとなった。 「『バイオハザード』ならではの要素」が多少減じているのも事実だが、ある意味で今作にて始めて本当の3Dゲームになったともいえる。 操作性の改善や娯楽性の高さから多くのユーザーに受け入れられ、国内外でゲームアワードを受賞している。 移植 + PS2版 本作は当初GC独占供給と発表されていたが、GC版発売前にPS2版の発売が発表され、約1年遅れで発売された。 テクスチャが粗かったりシェーダの再現が出来ていなかったりと、GC版よりグラフィックが劣る。 具体的にはイベントシーンがプリレンダリングムービーなのでコスチュームチェンジが反映されない(*45)、GC版で破壊できたランプや松明などの照明オブジェクトが破壊できなくなっているなど。元々GC用に作っており、PS2の処理能力ではどうしても無理な部分があるためだろう。 そもそもGCに特化し限界まで性能を使って製作されているため、それより性能の劣るPS2への移植は困難を極めた。移植と言うよりもリメイクに近かったらしく、公式HPの移植開発話のスペシャルからそのあたりの苦労を見ることができる。 ちなみに全ハード共通のバグを利用することで、冒頭の村で本来は残り人数が少なくなったときにレオンのいる位置に応じて数名ずつ出現する増援を一度に出せるのだが、PS2版のみ処理能力を超えるらしく全増援出現と同時にフリーズして終わる(GC版などは処理落ちはしてもプレイ続行可能)。 他にもガナードの同時最大出現数が少なくなりその分HPが増加(*46)、一部効果音や音声が削られているなどハードスペックの制限による影響を少なからず受けている。 ただしGC版よりも媒体が大容量であるため、ディスクチェンジの必要はなくなっている。 追加要素は新コスチューム、エイダを主人公とした追加シナリオ「the another order」と、イベントシーンの再生が可能な「ムービーブラウザ」に加え、新武器「P.R.L.412」に、EASYよりも簡単な激ヌル難易度「AMATEUR」など。ただでさえ苦労する移植において、より良いものを創ろうとする意欲が感じられた。 アシュリーに無敵コスチュームが追加されたこともあり、GC版と比較して全体の難易度はやや下がっている。 以上のように列挙すると元のGC版からの劣化点が目立つように見えるが、移植に苦労したとある通りPS2版単体で見れば当時の水準は充分に満たしており、劣化点も他ハード版と見比べて初めてわかるという程度のものである。 根本のゲーム性は決して失われておらず充実した追加モードもある良移植であり、PS2がメインハードだった当時『4』普及に大いに貢献した。 + Windows 2000 / XP版 海外版は2007年2月23日、日本語版は6月7日発売。「旧PC版」とも。後述のSteam版とは別物なので、購入時などは混同しないよう注意。 現在は入手困難。現行OSに対応したSteam版(HDリマスター仕様)があるため、純粋に『4』をPCでプレイしたいがためにこれを選ぶ必要性はほぼ無い。 PS2版の移植だが、PS2よりも解像度が向上しており、ロードも早い。 元がPS2版なのでムービーはプリレンダ仕様。コスチュームを変えても反映されない。MODを入れた場合も同様。 ゲームパッド対応で操作性も申し分ない。逆にキーボード+マウスの操作では、大抵のPCゲームにあるマウス操作関連設定が無いので、有志のパッチを当てないとプレイに著しく支障が出るほどだった。 MODによる拡張が可能なのが他とは異なる点。全盛期は様々なMODが登場し、かなりの盛り上がりを見せた。キャラモデルばかりではなく、HD版並みに高画質化するMODも存在する。 主人公はもちろん、敵やアイテムも他のモデルやMODに差し替える。アシュリーで本編をプレイする、などとPCならではの改造プレイも盛んだった。 後述のSteam版はファイル構造が違うため、旧Win版用MODは使用できない。特にキャラモデルはSteam版では2万ポリゴン以内という制限が設けられており、こちらのMODを移植するのも容易ではない。 そのため、MODプレイヤーは敢えてこちらを愛用し続ける人も少なくなく、未だ旧Win版用MODが海外フォーラムに投稿されているほどである。 問題は非常にフリーズ&エラー落ちしやすいこと。特にランタイムエラーはいつ出るか分からないのでタイプライターを見掛ける度にセーブするのが得策である。 DRMは悪名高いSecuRomを使用しているせいでPC環境によってはインストールできても正常に起動しないということも。 また、GC/PS2版で対応していたサラウンド環境には非対応になってしまった。 対応OSはWindows2000、XPだがDirectX9を入れればWindows 10や11でも起動可能。 + Wii版『バイオハザード4 Wiiエディション』 2007年5月31日発売。 2017年7月5日より、WiiU向けにダウンロード版が配信されている。 Wiiリモコンによる操作とゲーム性がマッチしており、リモコンを振るだけでナイフ攻撃とリロードができる、サーチナイフ機能(近くの対象物を自動的に探索しナイフ攻撃を行う)と言った改良点が高く評価され、Wii初期の傑作と評されている。 いわずもがな、銃撃はリモコンのポインタによる直感的なエイムが可能であり、「狙って撃つ」という本作のゲーム性が実に調和している。 前述の通り、QTEを全てWiiリモコン1本でこなせるようになったのも大きい。連打がリモコンを振る動作へと変更され、ボタンも常に指がかかる位置にあるため比較的容易になった。 説明書には記載されていないが、ヌンチャクを抜けばGCコントローラやクラシックコントローラでも遊べる。その場合の操作は他機種と同じになる。たまには気分を変えて別コントローラで遊んでみるのもいかがだろうか。QTEのコマンド表示も現在使用中のコントローラに応じたものになる。 グラフィックなどはGC版をベースにしつつも、PS2版の追加要素を完備。PS2版で追加されたスペシャルコスチューム2以外のコスチュームはムービーに反映される。 「THE MERCENARIES」でレオンとエイダのコスチュームチェンジができるようになっていたり、PS2版で追加されたクリア特典武器「P.R.L.412」のチャージ攻撃が強化していたりと、細かな追加要素がある。 「P.R.L.412」はチャージ時間が1秒未満まで短縮。さらに前方の空間を球状にサーチし、複数の当たり判定を即死レーザーで同時に撃ち抜くという超強化が施された。 一応の欠点として、最高難易度の周回プレイでしか使用出来ない、アタッシュケースを圧迫する、構えるのが遅い、超遠距離と背後はカバー出来ない、有用な存在のニワトリまで倒してしまう等が挙げられる。 AIの改良、GC版よりも多いガナードの出現数など全体的な難易度は上がっている一方、AMATEURはさらに簡単になっており(*47)、未経験者・経験者共に楽しめる作りになっている。 ナイフの威力が若干上昇している。ただし手動で構えて振ったときのみであり、リモコンを振るサーチナイフは従来の威力。 初期版には2体のみだが鉄仮面から寄生体が出る。ベストプライス版では修正されている。 このゲームエンジンは『DEAD RISING』のWii移植版『DEAD RISING ゾンビのいけにえ』にも流用されている。 しかし、あちらは同じゾンビゲーでも過去作は元より本作以降の『バイオハザード』ともゲーム性が異なるため、本作の操作体系やシステムを取り込んだことでオリジナルとはほぼ別作品となっている。 + iOS / Android版 2009年7月12日配信開始。450円(税込)。通常の『バイオハザード4』の他、同内容の別アプリで『バイオハザード4 LITE』『バイオハザード iPad edition』がある。 無印の方は普通の有料アプリ。 『LITE』の方はダウンロード無料で、iOS版のみ。0章~2章が無料で、それ以降は章ごとに追加購入。 LITEの方で全部買うと無印より高くなるので、全部買う気なら無印を買えと公式でも解説されていた。LITEのほうは動作確認版のような存在だったと思われる。 『iPad edition』は12章まで配信。 ゲーム内容は大幅に改変されている。原作における「村」「教会」など1マップを1ステージとし、その中で「一定時間生き延びる」「鍵のかかった扉を開ける」などのクリア条件を満たして次のステージへ進んでいく。 クリアしたステージは何度でも遊べる。繰り返しプレイして金と弾を貯めることができるため、簡単なステージでじっくり稼いで難しいステージを力技でクリアすることも可能である。 ステージは通常プレイだと12章のサドラー戦まで。それ以降は22章までDLCで「THE MERCENARIES」同様のステージがある。 各ステージには宝石などの換金アイテムが隠されている。移植元より多く配置されており、これらを探す楽しみもある。 ステージの最初と最後にストーリー解説が入る。省略されている箇所が多いが、一応ストーリー全体の流れは再現されている。 移植元では敵が出なかったステージでも続々と敵が出現する。例えばアシュリーを救出する教会では、救出後の屋内でいきなりチェーンソー男と信者集団が出現する。もちろんアシュリーがやられれば敗北である。 「THE MERCENARIES」仕様でストーリーを遊んでいるような感じである。 操作は上下左右入力のバーチャルパッド、銃アイコン(銃を構える/撃つ)、ナイフアイコン(ナイフを構える/切る)の3つを基本とし、構え中に表示される移動アイコン(構え解除)、適時表示されるアクションアイコン。 バーチャルパッドは通常は「移動」し、構え中は「狙う」になる。構えている間は移動できず、移動のためにいったん構え解除をはさむため、素早く立ち回るのは難しい。 バーチャルパッドでは「サイドステップ」が可能である。バーチャルパッドで素早く左左・右右を入力すると向きを変えずに2歩分程度移動することができる。 構え中にも可能なので、慣れると武器投げをとっさにかわして反撃、建物の角から撃ってすぐ隠れる、などの動作を行える。上記の構え動作に伴う機動力低下を補うための追加要素なのだろう。 武器は移植元と同様。ステージを進めていくとシカゴタイプライターも購入可能になる。 追加武器として他移植にも無い「無限手榴弾」が存在する。文字通り無限に投げられる手榴弾で誰であろうと爆殺していける。 ただし、普通の手榴弾と同じく爆発までのタイムラグを考えなければならないし、自分も爆風に巻き込まれるため、考えなしに投げまくればいい武器ではない。けっこうテクニカルな遊び方ができる武器である。 即死QTEは廃止。ヴェルデューゴの攻撃回避など一部の回避アクションが残されている。ボス戦のQTEは連打がなく、成立するとナイフ攻撃等の静止画が表示されダメージが入るしくみ。 グラフィックは荒めでPS1程度。これは当時のスマートフォン性能では仕方ないところ。いちおう当時のスマホゲーとしては良い方である。 上記のように、「THE MERCENARIES」感覚で敵を倒しまくるゲームであり、ホラーゲー要素や探索要素はほぼ無くなっている。 現在は配信停止されており正規に遊ぶ手段はない。 iOS版は32bitアプリであり、64bit版へのアップデートは行われなかった。このため購入済みの人でも2015年頃のiOSアップデートで起動不能となった。 + PS3 / 360版『バイオハザード リバイバルセレクション』 2011年9月8日発売のHDリマスター版。『バイオハザード コード ベロニカ 完全版』が同時収録されている。なお、360版は本作と『コード ベロニカ 完全版』とで別々のディスクになっている。 2012年3月にダウンロード版と、『バイオハザード5 オルタナティブ エディション』(廉価版)とのツインパックが発売された。 Wii版を基にしており、PS2版の問題点であったテクスチャの粗さや敵の同時表示数等が解消。解像度720pでの快適な操作を実現している。 特にアシュリーのパンチラがくっきり見えるようになったのは嬉しい。 あちらで実装された「THE MERCENARIES」のコスチュームチェンジ、P.R.L.412の性能強化も反映されている。PS3版のコスチュームチェンジは△、R2、△+R2の3通り。 残念ながらPS Move(≒Wii版のリモコン操作)には非対応。 トロフィー/実績、タイムアタックのランキングに対応。盛り上がると思われた「THE MERCENARIES」のスコアランキングは無し。 PS3/360版ともにフルインストールなのでロード時間がほぼ皆無。アタッシュケースを開くまでの時間は約0.3秒(PS3版)。セーブする際に少し長めのディスクアクセスがあるが気にならないレベル。 一方で劣化した点もいくつか存在する。 サウンドは旧PC版と同じくPCM 2chのみとなっている(GC/PS2版はドルビープロロジックIIの仮想サラウンド音声に対応)。 ライフルやマインスロアーのリロード、U-3の撃破ムービー、ラスボスの撃破ムービー(ロケラン特殊弾)で音ズレが発生する。 ごく稀ではあるが、エリアの移動時にフリーズする場合がある。 PS2版の追加要素である「the another order」全般、他の一部デモシーンはSD画質のプリレンダムービーを引き伸ばしただけ。HD化されてより一層汚くなったという声も。 ただし、これは技術的に仕方のないところではある。何しろこのシナリオは全ムービーがプリレンダムービーだったPS2版で追加されたものであり、ここのムービーも当時のプリレンダのものしか存在しない。 これをリアルタイムレンダムービーに差し替えるとなると、真っ新な状態から全て作り直さなければならないのである。 本編を一度クリアするとタイトル画面が村の風景に変化するのだが、PS2版と違って右スティックが反応しない。 + Win(Steam)版『バイオハザード4 Ultimate HD Edition(*48)』 2014年2月27日に発売されたHDリマスター版。Steamなどでのダウンロード専売となり、比較的入手しやすくなった。 基本的には『リバイバルセレクション』を元にした移植で、Steam実績やトレーディングカードに対応している。 グラフィックはWin版ならではの1080p・60fpsに対応。テクスチャもHD化され美麗になった。 旧Win版では出来なかったマウス・キーボード操作にも対応するなど、内容的には決定版と言えそうだが…。 従来版にはなかったバグがある。パッチである程度改善されたものの、おそらくもう更新されないであろう最終Ver.でもいくつか残っている。 ある場所で敵が段差を降りられない、敵が出てこないなど。 強制発生のQTEに入力候補の全押しが通用する。もっとも、これ自体はQTEの難易度低下措置ともとれるが。 売りである60fps・HDテクスチャに完全対応したとはいえない仕様。 60fpsに設定すると一部銃の連射やオブジェクトの動きが2倍の速度になる。 60fpsでもライフル(セミオート)のリロードやボウガンの使用時は30fpsになる。 30fpsではギリギリすり抜けられた隙間が60fpsにするとすり抜けられなくなる。 HDテクスチャは取得可能アイテムと序盤の一部背景のみであり、ほとんどのテクスチャは従来のSDクオリティ。 このような出来であったからか、真の意味でのHD化を実現するMODが開発されている。 MOD導入自体はもちろん可能だが、前述した通り旧Win版とはファイル構造が違うため、そちらのMODは使用できない。導入にも一手間が必要になっており、ハードルが上がっている。 一方、ムービーはリアルタイムレンダになっているので、MODでキャラを差し替えた場合でもちゃんと反映される。 キーボードとマウスによる操作はゲームの仕様と相性が悪く、あまり高い評価は得られていない。キーボード部分についてはQTEが特に厄介で、全ハード中トップクラスの難度となっている。 移動キーから瞬時にQTEの指定キーへ押し替える必要がある。3本の指をW・A・Dキーに置いている状態から、咄嗟にXやCを押すのは難しい。 キー連打を左手で行うことになるため右利きのユーザーには辛い。ゲームコントローラに比べてキーボードのキーストロークが長いことも手伝って、連打不足で失敗しやすい。連打から別のキー入力やマウスクリックを要求されることもある。 日本から購入した場合は家庭用と同等のゴア表現規制が施される。 発売直後は規制がなかったので、アップデート前にセーブデータを作ったプレイヤーは規制なしになっている。後から購入してもセーブデータをいじれば規制なしにできるが、あくまでも自己責任である。 + PS4 / One版 2016年8月30日にダウンロード専用ソフトとして配信開始。 PS4版に限り、後に『オリジンズコレクション』のパッケージと『4』から『6』のダウンロードコードをセットにした『バリューパック』や、『7』宣伝も兼ねてか2016年12月1日に単体でのパッケージも発売されている。 以下、基本的な仕様について。 Steam版のフルHD、60fps、HDテクスチャ設定で移植したもの。全編に渡って滑らかな動作を体感できる。 相変わらず、「the another order」全般や他の一部デモシーンはSD画質のプリレンダムービーを引き伸ばしただけ。 映像オプションにモーションブラー(*49)が追加。 アタッシュケースを開くまでの時間は約1秒(PS4版)と若干長いが、閉じる時間はほぼ一瞬。セーブや各種ロードも非常に速いのでストレスを感じない。 音源が5.1chサラウンドに対応。2chしかないPS3/360版との差は歴然で、反響音や虫の鳴き声に驚くこと間違いなし。 もちろん、普通のステレオヘッドホンでも臨場感のあるプレイが楽しめる。 相変わらずPS Move(≒Wii版のリモコン操作)には非対応。 トロフィー/実績、タイムアタックのランキングに対応。どちらの内容もPS3/360版と同一だが別作品扱い。相変わらず「THE MERCENARIES」のスコアランキングは無し。 タイムアタックのリーダーボードは上位1000人ずつに縮小。自己ベストがランキング外の場合、該当するモード/難易度のエンディングをオンライン状態で見なければ確認できない。 操作方法に追加・変更点がある。 従来通りのタイプIIIに加え、L2+R2(LT+RT)で発砲するタイプI・IIが追加。このタイプI・IIに限り、R2(RT)と□(X)のどちらでも攻撃可能。なお、「走る」はタイプを問わず☓(A)ボタンで固定。 タイプIは「移動」が左スティック、「狙う」が右スティック。昨今のTPSに近いスタイルだが、普通の持ち方では走っている状態から即座に狙いをつけられない。 タイプIIは「移動」「狙う」のどちらも左スティック。走りながらカメラを動かすプレイヤーにとって従来の操作方法に近く、右手の中指を号令専用にできる。 上記の新しい操作タイプに合わせるためか、PS4版のQTEコマンド「L1+R1」が「L2+R2」に変更。こちらは元に戻せないので、PS2/PS3版に慣れ親しんだプレイヤーが違和感なく遊ぶ方法はない(*50)。 正確にはL1⇔L2、R1⇔R2がゲーム内部で逆に処理されている模様ため、ジェットスキーのトリックジャンプや「THE MERCENARIES」のコスチュームチェンジにも影響が出ている。 本編を一度クリアした後でも、セーブデータを消さずに初期タイトル画面を見る事が可能。 Steam版のベタ移植なので、あちらのバグがほぼそのまま残っている。アップデートによるフォローもなく、次世代機への移植としては残念な印象。 + 確認されているバグ タイトル画面で放置してもOPムービーが再生されない(仕様?)。 強制発生のQTEに入力候補の全押しが通用する(救済措置の可能性あり)。 特定の回避アクションの硬直を左スティックでキャンセルできてしまい、その瞬間に無敵が終了する。 例:こちらが壁を背負った状態でクラウザーが左腕ジャンプ斬りを使用 → QTEで最速バック転を行う → ダッシュ入力で硬直キャンセル → 直撃。 ライフルの排莢・リロード、ライフル(セミオート)のリロード、ボウガンの構え始め・発射~矢番えなどが60fpsになっていない。 装填速度Lv3のライフル、装填速度Lv2のハンドキャノンなど一部の武器でリロードの際に音ズレが発生する。 アタッシュケース内のアイテムを移動する際、予備スペースの背景が消える場合がある。 タイトル画面で「ロード中です。しばらくお待ち下さい。」の表示が消えた際、画面の暗転中にLOADを選ぶと発生する模様。 ゲームを起動してLOADを選んだ後、タイプライターのカーソルが最新のセーブ枠に移動しない。 セーブ/ロード画面のBGMに直前のBGMが小音量で混ざる。 オプションまたはゲームオーバーからタイトル画面に戻る際、直前の画面が一瞬チラつく場合がある。 直前の字幕がチラついたり、無線での会話中に長い台詞の字幕が早く消える場合がある。 ムービーのスキップ時やU-3(第3形態)との戦闘中にアプリケーションエラーが起こる場合がある。 前者は発生確率が非常に低い。後者はハサミ攻撃(地上)の連発が処理落ちを引き起こす模様。 エリア移動のモーション中、アシュリーや乗り物が黒塗りになる。 一部のエリア(庭園等)にグラフィックのチラつく箇所がある。 地下水路のノビスタドールが、振り子刃方面に続く梯子付きの段差を飛び降りる事ができない(壁走りなら移動可能)。 アシュリーパートのみ、ガナードの首しめで受けるダメージが非常に大きい。 連打しなければ初期体力(600)を一瞬で奪われるほど。 騎士の間で鎧がQTE付きの攻撃を行った後、崩れるモーションが倍速になる。 ヴェルデューゴの目が赤く光る際、細い線が地面に向かって伸びる事がある。 地下遺跡で天井から砂が降ってくる音が鳴らない。 クラウザーとの初遭遇ムービーでQTEが成功する度、次のムービーが始まる直前に映像・BGMが止まる。 環境音は止まらない。また、BGMが復帰時に若干巻き戻ったり、レオンとクラウザーの姿が消える事もある。 「ムービーブラウザ」で再生する場合、これらの現象は発生しない。 レーザートラップにすり抜けテクニックが通用しない。 U-3を倒した先でゴンドラの移動ムービーをスキップすると、エリアを移動するまで駆動音が鳴り続ける。これはPS3版でも発生する。 遺跡でクラウザーからの質問に応答した際、字幕が一瞬で消える事がある。 クラウザー(変身後)戦で開幕QTEに成功すると、爆弾起動までのモーションが倍速になる。 本編を一度クリアするとタイトル画面が村の風景に変化するのだが、PS2版と違って右スティックが反応しない(PS3版でも確認済)。 エイダ編の造船所に複数のバグがある。 エリア内に移動して数秒経つと水音などが消える。 砲台の破壊ムービー(1回目)で敵のガトリング砲台が超高速連射になっている。 砲台の破壊ムービー(1回目)をスキップすると、エリアを移動するまでガトリング砲の回転音が鳴り続ける。 エイダ編のクラウザーが自動フックショットの着地前に行動を開始する。 こちらが行動可能となった時点で密着しており、即座に距離を離しつつQTEに備えなければならない。 + Switch版 新ハード毎に移植されている感のある本作だが、やはりというべきかSwitchでも2019年5月23日にダウンロード版が配信開始した。 通算で9回目となる新プラットフォーム対応である。ほぼ1年半ごとに何かしらの移植がなされている計算になる。 基本的な仕様は『バイオハザード4 Ultimate HD Edition』に準じており、従来の追加要素なども全て収録されている。 注目すべきはなんと言ってもついに携帯機で『4』が出来るようになったことに加え、多少PS4版などよりもグラフィックが落ちてはいるものの依然品質的には充分なままほぼ60fpsでプレイできることだろう。 古いゲームだと思ってプレイすると素性の良さに驚くことうけあい。 リリース初期版は、ガナードのボウガンが2発同時に発射されるバグが存在していた。現在は修正されている。 しかしながら、他プラットフォームではより低価格で『5』等も売られているのに、何の追加要素もない移植の本作が3300円とは割高感がある(*51)。 後にSwitchへ移植された『5』と『6』ではジャイロ操作が追加され、『5』には不評な即死系QTEがオート化される新要素などもあるのに当移植版には何の追加要素もない。 特にWii版で本作のリモコン操作は非常に出来が良かっただけにパッド操作のみなのは残念である。 ただ、どうやらWii版のようにナイフのダメージが高く設定されているようで、もしかしたらJoy-Con2本持ちでのリモコン風操作を実装しようとしたが、何らかの理由で断念した名残…なのかもしれない。 『0』ではHDリマスター化に際してウェスカーモードや新コスチュームに日本語音声の追加という大盤振る舞いで、本シリーズの兄弟作品である『デビルメイクライ3』でもリアルタイムスタイルチェンジが公式に搭載される等の力を入れているのに本当に『4』はそのままである。コスチュームすらPS2版以来一切追加されていない。 Switch Liteの場合コントローラー=本体であり、本作のプロ難易度のQTEはハード的にも優しくなく、不評でもあったことから即死QTEの自動化くらいは搭載されても良かったのではないだろうか。 当然、オリジナル版にあったバグやHD版で新たに生じたバグ等もそのままだが、本作のバグのいくつかはタイムアタックの必須テクとしても利用されており、下手に消したらそれはそれで不満点にもなったであろうが。 後に『5』及び『6』のSwitch版とのセットになった『バイオハザード トリプルパック』が登場。 セット販売の度に本作との出来を比較されてしまう他の作品にとっては晒しもののようなものである。 商品仕様はゲームカード版の『4』と、『5』及び『6』のダウンロードコードがパッケージされたものであり、本作以外は通常のDL版と変わりがないので注意。 また、たとえ『5』などが要らなくても本作のゲームカードはこのトリプルパックでしか入手不可能である。 『トリプルパック』に付属しているダウンロードコードは日本市場版だと有効期限が存在するが、北米版であれば実質無期限である。 北米版の『5』『6』は日本語に対応しておりリージョンフリーなので日本版の本体でも問題なくプレイとダウンロードが可能。 ただし『4』だけは多言語対応などもされていない上に昔のWin版と違いHD版と同じくカットシーンやプレイ中のアシュリーのセリフなどに英語版の字幕すら表示されないので注意(メニュー上に選択肢が残ってはいるが無効化されている)。 + Quest版 2021年10月21日にダウンロード専用ソフトとして配信開始。Meta Quest専用のVR版(*52)。開発はArmature Studio。 最大の特徴としてこれまでの移植版と大きく異なり、プレイヤーのカメラが全編一人称視点に変更されている。 戸棚や謎解きパズル等のギミックも直接ステージ上で触れられる仕様に変更され、そうしてアイテムを探すようになり、探索のやり甲斐が上がっているている。 その他、『Half-Life Alyx』や『COMPOUND』などのような他のVRゲームで見られるような手動リロードシステムが追加され、エイム中の移動や『BONEWORKS』のような二丁拳銃、武器ホルスターによる武器管理、などVRならではの自由な操作が可能となっていて、全体的に爽快感が増している。 一方で、階段の昇降など体に負担がかかるアクションは従来通りワンボタンで行える。 回し蹴りと言った激しいアクションはさすがに三人称カメラに切り替わる。ベリィ・トゥ・ベリィをVR視点でやられた日には確実に酔う。 とはいえ、その代わりカットシーンが『Vertigo 2』同様、VRでの一人称視点からスムーズに切り替わらない、二次元スクリーンでの表示となるので、没入感はその分下がる。 ゲームエンジンにはVR対応のため、アンリアルエンジン4が採用されている。 とはいえ、オリジナル版からのグラフィックス向上はナイフなどの武器モデルに反射が付く、テクスチャ画質の向上程度であり、原作の雰囲気は保たれている。 オリジナル版のソースコードも活用されているためか、システムの移植度はかなり高い。 詳細な開発秘話はこちらの記事が詳しい。 とはいえオリジナル版と違いが全くないわけではない。 手榴弾の爆破範囲の縮小、投擲ガナードが視界外から投げてくる、デルラゴの体力増強、あたりが分かりやすい例か。 また、現在の社会情勢に合わせて女性キャラクターに対する性的なセリフが全て削除されている。 それ以外にもレオンとサドラーのセリフの字幕が入れ替わったり、明らかにおかしい誤訳などミスしたとしか思えない字幕表記がみられる。 2021年10月21日にマーセナリーズが遊べる無料アップデートが配布された。 オリジナル版ステージを楽しめる「クラシック」のほか、全20ステージ様々なシチュエーションに挑戦できる「チャレンジ」が新規追加された。 「クラシック」の特典はオリジナル版と変わらないが、星5基準が125000点に引き上げられた。 チャレンジモードの特典はデカ頭モードや黄金銃スキンといったあの作品を彷彿とさせるものが多い。 「the another order」や「ADA THE SPY」の特典はこのチャレンジ特典に統合された。 余談 本作より遡ること3年ほど前の2001年頃にシリーズ生みの親の三上真司氏によって「今後『バイオハザード』シリーズはGCに独占供給する」と発表され、元々PS2用ソフトを予定されていた『4』は開発中止となった。そして旧作のGC版への移植やリメイク、新作である『0』と本作の発表と、その宣言通りの流れとなっていった。 三上氏は「他の機種で『バイオハザード』の新作が発売されたら腹切りますよ」と宣言するほどの決意を見せていたが、『ガンサバイバー4』『アウトブレイク』はPS2での発売となり、早くもその事業計画には翳りが見え始め、それでも氏は「正統シリーズはGC独占」と念を押していた。 しかし、カプコンの業績悪化に伴い「GCでは独占するが、次世代機では分からない」と弱気な発言に変わって行き、やがて本作のPS2版の発表によってGC独占供給は終わりを告げ(*53)、結局は様々なハードで発売されていくこととなる。 独占供給しようとした理由は「任天堂の姿勢に感銘を受けた」「開発スタッフの多くがPS2をDVDプレーヤーとして使っていた」とされているが、後に岡本吉起氏は独占供給もそれを翻したのも全て「カプコンが生き延びるための術」だったとこの動画で語っている。 任天堂・ソニー・マイクロソフトと大手メーカーが立て続けにハードを出したことで、カプコンはどのハードが勝つか予想を立て、そのシェア予想に応じた数のヒットタイトルをそれぞれのハードに割り当てた。 その中で任天堂(GC)に割り当てられたのがたまたま本シリーズだったらしい。しかし、それにより岡本氏はソニーに呼び出しを喰らい、PSの生みの親として知られる久夛良木健氏に叱られたという。 PS2版発表当時も、その経緯(*54)に(特に本作のためにGCを購入したプレイヤーから)非難が集まり、これがきっかけかは定かではないが三上氏は後日カプコンを退社している(*55)。後年、Wii版発売の際に三上氏はGC版、PS版双方のユーザーに謝罪を述べている。 上述の様に過去の独占供給宣言とはなんだったのかと言える程本作は様々な機種に移植されている。現代においてもプレイしやすい環境になっているのは喜ばしいことではあるが、三上氏がカプコンに残っていたのなら「腹を切る」くらいでは済まされないだろう。 問題点で上述した通り、本作のシナリオを僅か3週間で書いたことを後に三上氏が明かしている。 氏はこのことに心残りがあるようで、リメイク版で細かいストーリーが補完されることを期待していると語っている。 作中に登場する寄生生物プラーガのデザインや挙動は、漫画『寄生獣』内の描写と酷似している部分がある。 その娯楽性と積極的な移植作のリリースに助けられ、動画サイトでは本作のスーパープレイ、制限プレイ、解説プレイ、MODを使ったネタプレイ(*56)などが数多くアップされている。 トレーラームービーではガナードの群れを前にしてアシュリーが「レオン 激やばっ」と発言するシーンがあるのだが、実際のゲーム中にはそのような台詞(字幕)は存在しない(*57)。 しかし説明書の登場人物欄にその台詞が書かれていたり、プロフェッショナルモードが「激ヤバ難易度」と表記されていたりと、何故か本編以外の箇所に残されている。 従来作のゾンビにあたる敵である「ガナード」はスペイン語を話す。日本人には聞き慣れない言語の為か様々な空耳が生まれ、動画サイトやゲーム雑誌でネタにされた。 ちなみに「ガナード」はスペイン語で「家畜」という意味であり、敵やボスもほとんどがスペイン語由来の名前を付けられている。 主に「ウンコダステロ!! (余所者だ!!)」「オッパイノペラペラソース!! (八つ裂きにしてやる!!)」「ヘボイヤマダー (今から殺しに行ってやる)」「ゲイボーイヤマダー (同上)」「ハラヘッタネスカフェ! (奴を逃がすな!)」「テコキ! (もらった!)」「モエレーモエレーモエレー (死ね死ね死ね)」「マタウロ! (殺せ!)」など。空耳にすると笑えるが、翻訳すると実際は極めて攻撃的な意味の言葉である。 とはいえ上記の様な空耳が聞けるのは中盤までであり、後半で戦うことになっていく戦闘兵のガナードは滑舌が悪いというか、唸り声や奇声をあげる様にセリフを発する者が多くなっており、スペイン語としてみても何を言っているのか分からなくなってくる。スペイン語を常用している人達でも理解出来るのだろうか?と思えるくらいに…。 もちろん、英語の空耳もある。序盤からして「あー、よっこらしょ (可笑しなアメリカンだよアンタは)」「ソーリー、徳さん (待たせて悪いね)」など空耳の宝庫で、終盤のクラウザーも短いながら「大・根・村! (死ね!)」「愛、かもねぇ! (同上)」と言った秀逸な空耳を残す。 ちなみに、リメイク版『RE 4』のプロモーションでは、この空耳を公式がネタにしていた。ガナードを含めたセリフの詳細はこちら。 上の空耳程ではないが、レオンの死亡時の断末魔が(良くも悪くも)印象的というプレイヤーもいる。 痛々しい悲鳴のような断末魔だった過去作に対し、此方は「お、おおおううぅぅぅぅっ…!」という呻き声と共に死亡するシーンが多用されているのだが…。 この呻き声が何処と無く気の抜けた様にも聞こえることから、ネットでは「あうううん」というシリアス感のかけらもない表現がよく使われる。 よく遭遇しがちな「ガナードの攻撃で力尽きて倒れるシーン」ならまだしも、たまに声と死に様が微妙に合ってないような時でも全く同じ呻き声を上げる(*58)のも一因。その為、「今作のゲームオーバー=あうううん」ですっかり定着してしまった節がある。 今作は死んでリトライする敷居が低い為、アクションが苦手なプレイヤーには死に様が緩いのはある意味有難い仕様とも言える。それがホラーゲームとして、そしてレオン本人にとって必ずしも良いことかどうかはさておき。 ただ、死に様自体は豊富で痛々しいものも多い。しかも海外版では首が飛んだり体が千切れると言ったゴア表現が満載なので、その有難みもかき消されてしまう。 武器商人の声はレオンと同じポール・メルスィエ氏が担当している。イケメンでユーモラス溢れる言動のレオンと怪しげな雰囲気を漂わせる武器商人とを演じ分ける氏の演技力の高さが窺えるだろう。 イッヒッヒッヒ、センキュゥ…。 ちなみに武器商人の正体はガナードであり、仲間を裏切ってレオン相手に金儲けをしている模様。他のガナードと違い自らの意思で行動をしている人物となっている。特殊なプラーガが寄生しているのだろうか? ただ、レオン相手に商売していることは他のガナードに知られたくないらしく、レオンが敵に狙われている時に話し掛けても相手をしてくれない。 序盤において、彼の店に行くことができるのだが、そこには大量の武器や弾薬が飾られている。それらを調べると、レオンからは「どこで集めたんだ?」やら「戦争が出来るな…」と言った、呆れにも近い褒め言葉が心の中で呟かれる。 『バイオハザード』シリーズでは恒例だが、本作の日本語字幕と英語音声の台本ではそもそも内容レベルで表現が大きく異なっている。「ハンサムなプー」や「なけるぜ」などの印象的なセリフは実際にはかなり異なった英語が使われている。 このうち「なけるぜ」はレオンの口癖でゲーム中でこの言葉を発する場面が何度かあるが、それら全てが英訳では違う言葉である(*59)。 映画のローカライズでも違う台詞で同じ言葉に訳される(*60)のは多々あることだが、それぞれ並べてみるとここまで違う台詞はなかなかお目にかかれない。 前述の通り、海外版には激しいゴア表現が存在する。チェーンソーはもちろん、ノビスタドールやヴェルデューゴの爪、プラーガBの即死攻撃などで死ぬと無規制版では当たり前のように首が落ちる。 他にもU-3の攻撃で死ぬと体が真っ二つに千切れる、ノビスタドールの溶解液で死ぬと顔が溶けると言った凄惨な死に様も。また、露骨なゴア表現ではないが、ガラドールの突き攻撃で倒されると顔と胴体を爪で刺し貫かれてしまう(*61)。 また、規制版であっても「村長の触手に貫かれる」「アイアンメイデンに名前の如く棘で串刺しにされる(*62)」などは描写されている。元々主人公の死に様の豊富なシリーズだが、今作はより痛々しいものが増えている。 なお、このような死に方をするのはレオンら操作キャラのみ。そして操作キャラでもこう言った殺し方をする敵に遭遇するのは大半がレオンなので、ある意味彼ばかり損な目に遭っているとも言える。 国内外問わずアシュリーにはこう言ったパターンは無く、チェーンソーを喰らったりプラーガに頭を丸かじりされても普通にHPが尽きた時と同じように倒れる。リヘナラドールとアイアンメイデンの掴み攻撃をすり抜けたりなど、『2』のシェリーのように一部の残酷な殺害方法はされなくなっている。エルヒガンデに握り殺された末に地面に叩きつけられるのは普通にあるが…。 また、ガラドールはエイダ編や「THE MERCENARIES」にも登場するが、前述の貫く殺害方法は何故かレオンにしかされず他のキャラでは規制版と同じ死に方になる。やはり損な役回りである…。 フリーアナウンサーの鈴木史朗氏は初期の作品からやりこんでいる本シリーズのファン(*63)であり、70代を迎えた現在でもゲームが趣味という芸能界きってのシルバーゲーマーであるが、本作は氏が腕前を初めて公に披露したゲームである。 プレイ中に「死ね!」「ぶっ○しましょう!」「カプコンの野郎!(カプコン公認)」など、氏に似つかわしくない言葉を連発し、話題となった。 『鈴木史朗レポート ~advanced of it “degeneration”~』ではGC用のメモリーカードを持参。アタッシュケースに無限ロケットランチャーや無限ハンドキャノン、大量の3色ハーブが入っており、氏のやり込み具合がうかがえる。 氏曰く「ナイフの出が0.5秒ほど速いWii版がおすすめ」とのこと。これはサーチナイフ機能を指した事実であり、氏が複数のハードで相当やり込んでいるのがうかがえる。 こういった情報を提供してくれたということもあってか、ゲームセンターCXの DVD特典において初代『バイオハザード』に有野課長が挑戦した際に、「鈴木史朗さんはナイフでいくんやろ?」とナイフで立ち向かい、ゾンビの餌食になるという場面が繰り広げられてしまった。 「THE MERCENARIES」では20万点超えを6回達成し、ハイスコアは驚異の20万5370点である。ちなみに、隠し武器の解禁条件は6万点である。 本作は『2』と同様に一度作り直されたゲームでもある。 没となったバージョンはファンからは「バイオハザード3.5」と呼ばれている。ディレクターを務めていたのは『3』の柴田洋氏。 開発中バージョンでは「始祖ウィルス発祥の地」など、従来作同様のゾンビの出現が仄めかされていた。スタッフの発言や発売前のトレーラーやスクリーンショットから推測するに、作り直しまたは大規模な方針転換が何度か行われたと思われる。 また、『5』に登場するウロボロスのような敵も登場していた。結果として「始祖ウィルス発祥の地」も含め、そちらは次回作へ持ち越しとなった。 さらに、当初はレオンがウイルスに感染することで幻覚症状が現れ、亡霊や動き出す人形と言った「存在しないはずの敵」と戦闘する場面があったようで、そちらは後の『7』『VILLAGE』に流用されている。 実際トレーラーではオカルト要素を強くアピールする等、かなり大胆な刷新であった。 + 発表当時のプロモーション映像 + 開発初期のゲームプレイ映像 『デビルメイクライ』はもともと本作PS2版として没になったバージョンの一つを作り直したものである。 アクション性を強くするというコンセプトは同じだが、いささかその方向性が突出し過ぎてしまったことから新規作として分離した経緯がある。 本作におけるレオンのキャラクター性も『デビルメイクライ』のダンテと通ずる部分があり、日本語吹き替えも同じ声優が担当している。 映画『バイオハザードV』にてプラーガ寄生体を使う場面がある。似ても似つかないレオンが「プラーガ寄生体か!」というシーンは必見(悪い意味で)。 Tウィルスがメインのシリーズだが、同じ作品中にウィルスとプラーガ寄生体が同居というゲームでもなかなかお目にかかれない展開になっている。 その映画でのプラーガ寄生体は注射してすぐ力が解放されゾンビ達を上回る攻撃力・生命力を発揮した。前に上映された中の「ネメシス」など強敵よりもかなり厄介な敵として描かれたが、最後は氷上の穴に落ちてゾンビの大群に海底に引き摺り込まれるという末路。 ゲームの様に「続編の新たな脅威」となっていたら映画主人公のアリスや、ゲストキャラクターのレオンやウェスカーはどうなっていたことか…。 攻略本のポスターギャラリーには扱われたポスターや雑誌の表紙のイラストが載っているが、この中にレオンがチェーンソーで切られている場面のイラストがある。 このイラストは大変ショッキングなもので、この時のカプコンの『バイオハザード』絡みでの発言が何か麻痺していたのも頷ける(*64)(*65)。 なお、Wii版の紹介動画も、始まって早々にレオンがチェーンソーを喰らう場面が映る。 常識で考えれば当たり前のことではあるが、上述の様にイラストや紹介動画でチェーンソーを喰らう場面が割と頻繁に流れたりしていたため、「喰らっても大ダメージくらいで済むだろう」と思ってチェーンソー持ちの敵に軽い気持ちで立ち向かい、実際に喰らってみたら即死してしまってゲームオーバーになり、唖然としたプレイヤーは何人かいるのではないだろうかと思われる。 本作では詳しく語られなかったアンブレラの崩壊やクラウザーとの共闘は、外伝作品である『クロニクルズ』シリーズで補完されている。 世界的な評価も極めて高い。 プレイヤーだけでなく制作者や評論家にも評価が高く、数々の賞を受賞した。 (米)metacriticでは100点満点中96点、(米)GameSpotでは10点満点中9.6点、(米)GameSpyでは5点満点中5.0点、(米)IGNでは10点満点中9.8点、(米)Amazon.comでは5点満点中4.8点、 (日)ファミ通では40点満点中38点 等々、各レビューの評価も満点に近い。 ただし高評価はPS2/GC/Wii版の時代までで、古さが感じられるPS3/360版以降ではやや評価が落ちる。 世界600万本を売り上げた『Gears of War』は、当初FPSで企画されていたものをTPSに作り直したおり、本作に大きな影響を受けたと言われてる。 EAの『Dead Space』も本作の影響を受けている部分が多く、システムにもその片鱗が見受けられる。 海外版(US/EU)に難易度「Amateur」はなく、アシュリーパートの視点は全難易度ともレオンと同じ背後視点になっている。 武器商人が開いているシューティングゲームの難易度も大きく引き上げられており、日本語版の感覚ではクリア不可能。 EU版のみ5言語対応となっている。 最初にリリースされたのは北米GC版で、仕様がそれ以降のものと少し異なる。 弾のドロップが多い、アシュリーもベリィが出来てしまうなど。 本作は英語圏以外でアメリカ含むスペイン語圏でも人気であるが、極めて大雑把に「欧米」と一括りに扱っている日本文化圏だとわかりにくい要素も入っている。 同じ資本主義国家でもヨーロッパとアメリカではアイデンティティも文化も異なっており、「ヨーロッパ = 歴史・時間性・伝統・文化・大人」に対し「アメリカ = 無垢な土地・若い国・子供」という対置が存在し、哲学者であるウィリアム・ジェイムズの弟で作家のヘンリー・ジェイムズの文学作品等にこの視点が現れている。 加えて、アングロサクソンが主流派であるアメリカに対して、ラテン系であるスペインは全くの「別物」である。 こうした文化背景はサドラーのアメリカ人への不信や反感、村長の排他性やサラザールのレオンに対する軽蔑的な態度として織り込まれている。 本作の敵であるイルミナドス教団側の村長やサラザールは、レオンを終始「余所者」で「アメリカ人」として扱い(*66)、ゲーム内の文書などでもその様子が見て取れ、舞台設定をディテールアップしている。 「若いアメリカ人が欧州の領主の城に乗り込んで伝統的な世襲財産や宗教的宝物を盗掘するなどして荒らし回る」という本作の展開は、「歴史性のないアメリカがヨーロッパの文化的厚みを蹂躙する」という心理劇的図式となっている。 2021年5月にデザイナーのジュディ・A・ユラチェク氏が、本作のロゴにあるヒビのデザインが自身の著書にある写真を無断使用したものであるとして、カプコンに対し最大1,200万ドルの損害賠償に加え、使用した写真1枚につき2,500ドルから25,000ドルの支払いを求める訴えを起こした(参照)。 その後、2022年2月に訴訟取り下げの申請が受理されたことで和解が成立。詳しい話し合いの内容は明かされていない。 2022年に凶悪なスキップバグが17年越しに発見された。初期のWin版でのみ確認されている。 このバグは、あるタイミングでとあるボタンを同時押しするとシーンをスキップできるというもの。例を上げると「最初の村の戦闘開始すると鐘がなり即終了」という凶悪なもの。 なお、ボス戦でもいくつかスキップ可能であることが発見されていてYouTubeなどでも上がっている。 その後の展開 待望のリメイク版『バイオハザード RE 4』が2023年3月24日にPS5/XSX/PS4/Winで、同年12月20日にMac/iOS/iPadOSで発売された。 ちなみに、当初は次世代機のみでの発売と発表されていたが、後にPS4版のリリースも決定した(One版は無し)。 2022年当時はPS5本体が入手困難であったのが原因と思われるが(*67)、奇しくもオリジナル版同様に供給媒体における一悶着が生じた末の決定となった。 + オリジナル版とリメイク版(次世代機)の比較動画